弘法にも筆の誤り
はじめのタイトルは「河童の川流れ」だったのに……。
猿も木から落ちる
弘法にも筆の誤り
河童の川流れ
どれがいちばんレアなのかっていえば
木から落ちるのと
筆を誤るのと
川を流れるのと
どれがありがちかで判断するにしても
ちょっと難しい
あるいは
ミスったときの あいたたた なダメージのおおきさを
考えてみるにしろ
落ちた木の高さや
筆を誤った書類の重要性
川の流れの強さやその深さ
そんなものを比べなきゃなんないんじゃあ
即答もできないよ
だったら発想の転換!
行為ではなく行為者のほうに目を向けてみよう
猿は猿山に山となるほどいるけど
弘法ってばけっこうな有名人
牛丼屋さんでカルビ丼を食べてたら
「サインください」って行列ができるくらい?
でも河童ときたら川を流れてなくても
ドラッグストアでトイレットペーパー買ってるだけで
テレビや新聞や雑誌の記者
それに動画配信者が輪をつくって
囲み込み取材をするレベル
そんな河童がもしも川を流れていったなら
みんなでそれを追いかけて
最寄りの海までついていってしまうほどだ
流れ着いた海で波に飲まれて
水平線のかなたに消えてゆく河童に手を振りながら
主題歌フルコーラスぶんの
エンドロールがスクロールする
あ だめだめ
エンドロール終わるまえに席をたっちゃ!
あれが終わったあとに
おまけがちょっとある映画とか
けっこうあるじゃんね?
学校でともだちに もしくは職場で同僚に
「さいごまでみてないの?」
なんてあきれ顔されたくなかったら
スクロールされる文字なんて
ぜんぜん読まなくてもいいから
エンドロールおわるまでは
もうちょっと席についていよう
飲み物やポップコーンが残ってたら
たいらげちゃうのもいいかもね
そんで よしんば
エンドロールのあとのおまけがなかったとしても
レアなものをみれたと満足なきもちで
映画館をあとにしよう
のちのち シリーズ化して
4作めあたりからマンネリになって
そんなに川流れしてたり
毎回 河童がキャスティングできるなら
レアでもなんでもないじゃん! って
怒りを胸に燃やすこともあるかもしれない
こんなんなら弘法のほうがよかった?
毎回 弘法のおかした筆の誤りから
巻き起こる珍事件を解決してく流れ!
映画より連続ドラマのほうがむいてるよね
シーズンを重ねてくとおとなの事情で
弘法も代替わりを余儀なくされたりして
初代弘法って 不倫したの? 不倫?!
そんなわけであたしはいま
4代め弘法のオーディション会場にいる
猿役でもなく 河童役でもない 弘法役
あたしの役者人生は
これを勝ち取れるかに賭かっているのだ
何億回と練習したあのセリフ
木から落ちることも
筆を誤ることも
川を流れることもありはしない
しくじりも とちりもせずに
カンペキに演じてみせる!!
弘法ガール「あなたが弘法さん?」
あたし「弘法
スカイ&オーシャン・弘法」
弘法ってこのひとだったんだ!




