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転校生は俺だけを覚えていた。  作者: RISE
揺らぐ日常
9/12

ep.9 赤い空の教室

赤い空の教室で目覚めた主人公。

名簿には、自分の名前と不気味なメッセージ。

“こっちの住人”と告げる佐伯から逃げるため、ハルカと共に廊下を駆けるが、チャイムが響いた瞬間、出口はすべて閉ざされ――。

耳鳴りが止まない。

ゆっくり立ち上がると、さっきまでいたはずのハルカも佐伯も見当たらなかった。

ただ、薄暗い教室に自分一人。


窓の外は、夕焼けとも朝焼けともつかない赤い空。

太陽は見えないのに、空全体が血のように染まっている。


 


机の上の名簿をめくる。

そこには見覚えのない名前が並び、その中に俺の名前もあった。

ただし、欄外には小さな赤字でこう書かれていた。


《次は、君だ》


 


***


 


教室のドアを開けると、長い廊下が続いていた。

しかし、数歩進むたびに廊下の景色が少しずつ変わっていく。

窓の外の木々が枯れ、天井の蛍光灯が減り、やがて壁にヒビが入る。


角を曲がった瞬間――立っていたのは、笑顔の佐伯だった。


「ここは、君のいる場所じゃないよ」

その声は、どこか別の誰かが喋っているように響く。


「でも、君はもう“こっち”の住人だ」


佐伯の足元から白い線が伸び、俺の足首を締めつけた。


 


***


 


突然、腕を強く引かれる感覚。

振り向くと、ハルカがいた。


「早く! こっちはまだ完全に捕まってない!」

彼女に引かれ、俺は廊下を駆け抜ける。


遠くで、チャイムが鳴った。

それは下校時間の音ではなく――閉じ込めの合図のように響いた。

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