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転校生は俺だけを覚えていた。  作者: RISE
揺らぐ日常
8/12

ep.8 境界を越えてはならない

家の前まで迫った白い線。

踏み越える寸前、ハルカに止められるが、佐伯の登場で状況は一変。

気づけば、主人公は見知らぬ教室に立っていた――。


夜。

窓の外で揺らめく白い線は、もう家の敷地の入り口に達していた。

まるで蛇のようにゆっくりと、しかし確実に近づいてくる。


スマホにはまた通知が届く。


《越えたら、戻れない》


胸がざわつく。

俺は思わず玄関へ向かった。

線は、門扉のすぐ向こうにある。


 


***


 


足音が背後から近づく。

振り返ると、そこに立っていたのは――ハルカ。


「来ちゃダメ!」

彼女は俺の腕を掴み、信じられない力で引き戻した。


「この線は、向こうとこっちを繋ぐドアみたいなもの。

 一度でも跨いだら、あなたは……」


言いかけたところで、背後から声がした。


「……おい、何してんだ?」


佐伯が立っていた。

その顔は笑っているのに、瞳だけが暗い。


「……やっと見つけた」


その瞬間、白い線が勢いよく伸び、俺たちの足元に触れた。

視界が暗転する。


 


***


 


目を開けると、そこは見知らぬ教室だった。

窓の外には赤い空が広がり、遠くでチャイムが鳴り響いている。

机の上には、古びた名簿。

1ページ目には、見覚えのない俺の名前が書かれていた。

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