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「ふむふむ」



 

・魔キノコ

特徴:青色のキノコで黄色の斑点が付いている

味:肉厚でキノコ界の牛タンと呼ばれるほど

繁殖地:ここら辺(地図の記載あり)

 



俺は今、ハンターギルドの資料室にいる。小雪が王都からこちらに来るまでの間、ハンターランクを上げてランク特典を解放しようと思っている。



 

そのついでで何かいい金策はないかと、俺でもできる依頼を探していたら【材料調達お願いします!】と枝豆さん明記の依頼が出ていたので受けることにした。



 

難易度・場所ともに初心者OKって書かれていて依頼は受けやすかった。高難易度の依頼には初心者お断りと書かれたものもあって枝豆さんには感謝だ。




魔キノコが生息している森は木々が一段と大きいのが特徴だ。どれくらい大きいかというと、俺の機体の3倍はある。


 


大きな葉が重なって日光を通さないので地面がじめじめして薄暗い。




「あった」


本の記述と一致しているキノコを発見!


 


なんか毒々しくて「これ食えんの?」と思ってしまう。


 


俺は機体から降りて魔キノコをアイテムボックスに入れていく。このキノコの特徴なのか4~5個しかその場に生えていないパターンが多い。

 



「すべて取らないほうがいいのか?」



 

現実世界でキノコや山菜類などの山の幸は少し残して取るのがいいとテレビの番組で見たことある。


 


ここにあるものは大きさがバグっているがキノコだけは現実と同じ大きさで見つけずらい。だからより一層にキノコを見つけるために集中していたら森の奥の方まで来てしまった。




魔キノコが思ったよりも森の奥に多くあったからついな!


 


わはは…は


と俺は巨体なイノシシ型[Cain]に突進を受けている状況から現実逃避をする。




「おい!お前もこっちにこい!!」

「…。」


 


俺は後ろの安全地帯に退避させた小型の機体の言葉を聞きながら今まで起きたことを振り返る。






ー時は数刻戻るー


 


それにしても全然、[Cain]と遭遇しないから森の奥までつい来てしまった。確かこの森って奥まで行き過ぎると危険と本に書かれていたな。




[Cain]の生息域が変わって[Cain]強くなるとか。生息域が変わる境界は分かっておらず、初心者がよく深くまで行って死に戻りをすると。



 

...やばくないか?


 


ゴオオオォォォ-ーー!!


 


俺の今の心境を知ってか森が一瞬にして騒がしくなる。


 


「なんだ?」



 

俺は木の上から落ちそうになるのをしゃがんで落ちないようにする。




俺が今いる場所は木の上だ。木の上に魔キノコが多く繁殖していることが分かったのでどうにか登れないかと探していたら岩から枝をつたって登れることを発見した。


 


盾を背って登るのに何十分かかったか。めっちゃくちゃ大変だった。




おや?



 

最初は霧が立ち上ったのかと思ったがそれが5秒後には間違いだと気づいた。

 



砂埃を巻き上げて俺がいる木に近づいて来る五機がいた。おまけにめちゃくちゃドデカい[Cain]を引き連れているというね。



 

相手は俺に気づいた様子もなく、大声でスピーカーを通して罵りあっていた。




「お前がここまで来ようと言わなければ!!」「お前だって賛成していただろ!」

 



おいおい、罵り合う元気があるならこの状況を何とかする案でも考えろよ…そろそろ追いつかれるぞ。


 


俺は呆れながらここで手を貸したとしても一緒に死ぬのが関の山だなと思い、降りないという決断した。死ぬと分かっていて命を粗末に扱うの気が引けるのもある。


 


だが俺はその選択をすぐに変えることになる。



 

「は?」


 


なんと一番後方を走っていた小型の機体を紫色の塗装をした機体が振り返って、押し倒したのだ。



 

「ハハハハ!!これでチャラにしといてやるよ!」と馬鹿にしたように一機を置いて四機は走り去っていく。


 


俺は最初、何が起こったか理解できなかったが小型機と[Cain]の距離が縮まっていく状況で嫌にも理解させられた...仲間を捨てことを。



 

・・・。

 


 

俺はその選択をした奴は賢い判断をしたと思った。一機を犠牲にすることで自分たちは生き残ることができる。恨まれたしても死んでお金を何割か落とすよりいいだろう。



 

だが...だがな!


 


俺は今、その行為に憤りを感じた。


 


俺は木から滑り落ちるように手を広げて小型機の前に着地をする。ちょうど、俺がいた木の下で起こった出来事だっため直ぐにイノシシ型の[Cain]の突進を受け止めることができた。



 

「えっ」


 


うぅぅ。盾を背中から取り出したのを手間取ったせいで右足は膝から着地してしまったが、俺は後ろで困惑している小型の機体のパイロットに叫ぶ。


 


「下がれ!!」



 

俺はイノシシ型の突進を受け止めながら動く気配がない奴にもう一度言う。


 


「横の岩から木の上に登れるはずだ!早く退避しろ!!」




「で、でも」

「早くしろ!」



 

俺が急かすと相手は急いで立ち上がったような気配を感じた。




まぁ、それを確認するような余裕は今はないので、目の前のことに集中する。









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