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「6m先に一体、虫型エネミー確認!」



 

扇形のレーダーに、赤い丸が追加された。

 



今搭載されているレーダーは、10m先までの距離までしか観測できない。極めつけ、熱感知や動いているものに反応するのではなく【Cain】と呼ばれる敵しか反応しないジャンク品だ。



 

そのためプレイヤー同士のPVPをしたい奴らは王都メガロ二カにつく頃には、部品を取り替えるのが鉄測らしい。




王都につかないとPVPが解放されないからだと思うけど。


 


そんなこと思いつつ、俺は体長1メートル以上あるダンゴムシのような敵エネミーを見る。敵は俺たちを感知しているようで、こちらの方角にまっすぐ進んでくる。

 



「初心者でも戦いやすい敵だが、戦ってみるか?」



 

NPCが戦い方をレクチャーしてくれるらしいので、是非もあらず。

 



「まずチームを組んでいるときの大盾使いの役割は一つ!敵の注意をひきつけることだ」


 


そう言いギースは拳銃のような形をした銃を取り出しダンゴムシに照準を合わせる。


 


「俺は嬢ちゃんの後ろで撃つから、敵の攻撃を防げ!!」



 

おいおい?今、何とも情けないことを聞いたんだが?

 



バン!バン!ギースが放った攻撃は敵の胴体に当たったが致命傷にはならなかった。てか、わざと単発の銃で[Cain]を撃っただろう。




後ろにライフル背負ってるのを見えてるぞと思いながら、迫りくる敵の突進を盾を使って受け止める。


 


うっ重い。これはただ受け止めるだけではダメだな。



 

俺は盾の持ち手を若干変えつつ腰を少し下げる。そうすることで足の踏ん張りが付き全身の力を前に傾けることできるので、敵を押し返すことができる。


 


というか前に進めるな。


 


今回はギースが後ろからちくちく撃ってくれるので、耐えるだけで敵エネミーは消失した。


 


「敵から落ちたアイテムは自動的にアイテムボックスに送られるから後で確認するといい」


 


敵エネミー討伐1/5になっている。




チュートリアルミッション【2ギースに話しかけよう】でギース達6人の機体ゲージが見えるようになっていたからパーティーになったことは分かった。




…パーティーメンバーが倒したエネミーでも俺も倒した判定になるんだな。


 


俺は定期的に襲ってくる敵の攻撃を一手にひきつける以外にも、盾で攻撃できないかと考えるようになった。



 

遺跡調査都市ファーストが見えてチュートリアルも終盤に差し掛かると、ダンゴムシの体長が大きくなり、同時に襲い掛かってくることも多くなった。


 


た、耐えるだけでは死ぬ!


 


なぜって? ギース達があまり手を出さなくなって言葉だけのアドバイスになったんだよ!!



 

俺は敵に囲まれそうになりながらも遂に盾を手放した…というか投げた。

 



盾はそのままダンゴムシの頭にクリーンヒットするが、俺はそれを見続ける余裕がない。




横から他の個体の突進が来ているので、盾の回収のためと回避のため前にダッシュし、その攻撃を避ける。



 

俺はダッシュの勢いを使い、大盾がめり込んでいるところに回し蹴りをする。


 


「一体目っ!」


 


その後すぐに盾を回収して後ろを振り返り盾を構える。




だが思ったより早く相手の攻撃が早く、大盾にヒットしたため勢いを殺しきれず、後ろに押される。

 



無理な体制で攻撃を受けてしまったので、俺は反射的に一部手の力を抜き、大盾を斜めにしてダンゴムシの突進の向きを少し変える。




そうすることで少し減速したダンゴムシの胴体が俺の横を通り過ぎるので、すぐ大盾を持ち替え、斜めから殴打する。



終わった~



 

「おう!嬢ちゃん。最初は手を貸していたといえ、よくここまで自力でたどり着いたな」



 

「貴殿の助力のおかげだ。感謝する」



 

俺は心にもないことを言っとく。一応、ロールプレイだからね。


 


それと俺は今、遺跡調査都市ファーストに入る門の前にいる。



 

「これは俺たちからの選別だ」

 



そう言えば、チュートリアルが終わる頃にギースからチュートリアル完了報酬が貰えるんだった。




これが初心者には結構いいもので、今までの行動に応じて報酬が変わるため、チュートリアルは真剣にやったほうがいいと掲示板に書かれていた。



 

「武器用エネルギーコア(中)…これは?」


「大盾しか使わない嬢ちゃんなら使いこなせると信じてるぜ!」


 


そう意味深いことを言いギースたちは、門の中へ入っていった。




この門をくぐるといよいよオンラインになるらしいので一度、深呼吸をして【セイ】になる。オンラインではいつ何時、誰が見ているのか分からないので気が抜けない。





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