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小話

レオと雪花が出会った直後の話となります。



「レオさん!」


 

 

雪花が洞窟からおびき寄せてきた3体のムカデ型[Cain]。



 

そのうち、雪花を食らおうと襲い掛かった一体をレオが一発で仕留める。


 


だが、レオの銃は一発一発の銃弾装填に時間が掛かるため、俺の機体とムカデが衝突することとなった。


 


「そのような直進的な突進は効かん!!」


 

 

俺はムカデの攻撃を正面で受け止めてからイリスにムカデの腹を攻撃させる。



 

現在、俺たちはリオに開発してもらった新兵器イリスの新運転を確認するため、遺跡近くの洞窟で[Cain]を狩っている。



 

キシャー


 


イリスは貫通力があるがムカデ型を仕留めるような決定打にかける…と。




やっぱり実戦で得られる知識は豊富だな。




それに俺は攻撃を耐える時間を延ばせればそれでいい。


 


なぜなら…



 

「はぁぁあ!」



 

俺が仕留めそこなったムカデは雪花の軽量ブレードで息の根を止められ、もう1体の無傷のムカデはレオの銃弾装填が完了後、すぐに秒で片づけてもらえる支援があるから。


 


「雪花がいると戦いも楽になるな」



 

「そうですね。わたくしはお姉様が今まで大盾一つでやってきたことに驚きです」



 

ぐっ!俺のプレイが縛りプレイだと言いたいのか?


 


「雪花さんは軽量型の武器が多いですけど、飛行速度を上げるためですか?」



 

「はい。半分は正解です」



 

半分は正解って…

もったいぶって答えるな~


 


「今回、わたくしもメイン武器の点検を浅野さんにお願いしているのでサブ武器で参加させていただいています」



 

「武器の点検は大切ですもんね。耐久地が0になると物がバラバラになって直せ~」




急だが、俺は雪花とレオが雑談している姿を見て思ったことがある。


 


(そういえば雪花とレオって似た者同士だよな)



 

喋り方というか、性格が似ている。


 


俺に対して喋り方が敬語で、嫌いな人間を話題に出たときも「あぁ。あの方ですか」と、今まで忘れました風の言い回しがすごくそっくりすぎて兄弟かい!とツッコミ入れそうになったよ。




だから、あの二人が偶然会った時なんて、俺はお互いどんなリアクションをとるのか全然予想がつかなかったんだよな。





 

「…。」


「お姉様こちらの方は?」



 

雪花がレオから目を離さず俺に質問してくる。


 


「お姉様…」



 

そしてレオは雪花が俺のことをなぜお姉様と呼んでいるのか気になった様子だったので、二人に順番で話していく。


 


まず雪花から「雪花、こちらの方は私のパーティーメンバーのレオナルド。名前が長いから私はレオと呼んでいる」とレオを紹介した。


 


お互いを紹介をしてから、俺は少しぼかしながらレオとパーティーを組んだ経緯を話した。




それと互いにメリットのある関係を築けていることや、一緒に遊んでいて楽しかったことも雪花に話す。



 

雪花に同情でレオとパーティーを組んでいると思われるのは嫌だからな。そこはちゃんと説明しないといけない。



 

そして、そのことを説明したおかげかレオは緊張していた面から嬉しそうなニマニマ顔に変わる。




だが、逆に雪花の顔つきは険しくなってしまったな。




( ^ω^)おいおい




…機嫌損ねないようにどう説明すればよかったんだよ!?



 

そんな風にどうやって雪花の機嫌を直すかと考えようとしたとき、レオが俺に険しい視線を向けられていることに気づいた。




「お二人はとても親密な関係なんですね!セイさんと仲良さそうなので羨ましいです」とレオが雪花を持ち上げる発言をしたため、俺に向けられる視線はいくらかマシになる。


 


レオは雪花が俺のことをお姉様と呼んでいるから、現実世界の血縁かゲーム内の友達かと思ったのかな?


 


俺達が話す距離も近いから俺が敬遠している相手ではないと判断したわけだ。



 

「あっ」

 

俺は思い出した。


 


「どうしましたかお姉様?」「セイさん?」



 

二人は俺の顔色が変わったことに何か緊急なことかと聞いてくるが…


 


「もう夜遅いんだが、メカニックって開いていると思うか?」



 

俺の個人的な用事だ。




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