23イベントボス
【ガーディアンフロア】
イベントボス:クロノス(暴走状態)
・体力ゲージ3本
・時間の概念を操作する力を持つ。攻撃方法は不明
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チーン
エレベーターが開くと、
巨大な時計の機械がむき出しになった不思議な空間がフロアに広がっていた。
建物の中なのに雨音の音が遠くで響いているな。
そんなことを考えながら、俺はボスであるクロノスから目が離せなかった。
クロノスは橋の向こうの水に囲まれた円状のエリアで、目を閉じて待ち構えているだけなのに…そこらで戦ったことがあるエネミーより存在感があるのだ。
「…降りるぞ」
俺たちはエレベーターから降りてデバイスから機体を召喚し、エレベーターと円状のエリアを繋ぐ橋を渡る。
橋を渡り終えると橋は崩壊してクロノスは動き出す。
…臨戦態勢か?
ゴォォォオオーー
次の瞬間、クロノスの背後からレオに向かって鋭い何かが飛んでいく。
それを見た俺は直ぐにレオの前に立って盾でそれを弾くため行動に移すが…
キーン
「!?」
敵が飛ばした時計の針と思わしく物体は、俺が盾で弾く直前に5秒ほど止まって俺を混乱させた。
カキーン
「ぐっ」
時計の針が動き出したのは俺が盾をもう一度、構え直す段階だったため、少し機体の体勢が崩れてしまう。
そんな中、雪花が空を飛び、銃で攻撃してタゲを俺達から引きはがす。
雪花は今回、俺達とパーティーを組むにあたって武器を調節してくれたのだ。
現在、雪花が使っている武器は軽くて回転率が速い2丁銃だ。
…2丁銃だから反動も銃弾の出費もすごいだろう。雪花も命中率がいつもより落ちるとボヤいていた。
だが雪花は今回、サポートメインに立ち回ってくれるとのことだ。
俺が攻撃に耐えられなくなったとき、弾を敵にばら撒いてタゲを一時的引き継ぐなど、雪花の役割は遊撃になるだろう。
「レオ!」
体勢が整った俺はレオに合図を送る。
すると、俺の背後からすさまじい音が聞こえるとともにクロノスの前頭部に銃弾が炸裂する。
グォォォオオオ
目に見えてクロスの体力ゲージが減ったな。
そしてレオは、もう一度クロノスに攻撃を仕掛けるが流石ボス個体。レオを攻撃対象として優先度を上げ、レオを注視するようになった。
すると、レオの銃撃は頭には着弾が難しくなるのだが…
「お姉様!」
「あぁ」
レオにタゲが移った今、雪花がタゲを取るまで俺が耐えるしかない。
クロノスが今まで見せてきた攻撃は時計の針を飛ばすことぐらいだ。
クロノスの名前の通り、時間を司る攻撃をしてくると思われる。だが、攻撃方法を想像するのにも時間という概念は幅広過ぎる。
それにしてもこの時計の針の攻撃3パターンあるな。
加速・減速・停止があるんだが、反射神経で針を弾くのは無謀だと思った俺は全部盾で受け止める選択肢を取ったのだ。
そうやって俺がいくつもの時計の針の攻撃を防いで、雪花とレオが攻撃することで敵の体力ゲージが1本目を超えようとしていた時に変化は訪れた。
チクタク
チクタク
その音が響くと、いたるところから時空が裂けて歯車が召喚されたのである。
キューーイン
すごく歯車が回転してるんだけど…
これ逆に受けて大丈夫か?
そう思っていると歯車が空中でクルクルと動き、俺の前方と右斜め後ろから一気に向かってくる。
それを見た俺は俺の身を守るためとレオを守るために動き出す。
「イリス!レオに近い歯車を攻撃しろ!!」
俺は歯車の攻撃優先度の確認のためイリスに攻撃をさせる。
…歯車はイリスが攻撃してもレオに向かっていく。そこから考えられる仮説は、対象と一番近いものを攻撃する原理か。
「そんな攻撃は想定済みだ…イリス!」
俺は2機ある飛行型ブラスターに、ボス戦前に取り付けといた索敵ドローンを捕まえた強固な大きな網で歯車を捕獲していく。
ポイント売買で強固な網を買っておいたのが功を成したか。
敵の攻撃を完封した俺たちは、それ以外の攻撃をしないボスを一方的に攻撃していくといよいよ…
「セイさん!体力ゲージが2本目をきります!」
ラストスパートか。




