2
・・・招待コード確認完了
ソフト【メガロ二カ】起動
気が付くと、真っ白い空間にいた。この空間ネタバレになるけど、CMで見た眠っているプレイヤー自身の意識の中らしい。メインストーリーで少し話が出てきたと掲示板で書かれていた。
そんなことを考えながら、目の前に出てきたディスプレイにてアカウント名設定を行う。俺は名前の一部をもじって【セイ】にする。
それが終わると、のっぺりとしたマネキン人形が立っており、ディスプレイにはいろんな項目が出てきた。
うん?身長最大8cmしか変えられないのか。注意書きとして、チュートリアルを円滑に進めるためと書かれている。やはり、目線の高さなどに違和感を生じてしまうのかな。
まぁ、俺の目指す女騎士は高身長176cm、金髪碧眼の王道美女だから関係ないや。
それに俺はこの時のため、アバター制作アプリ(有料)で何体も仕上げてきた。俺の執念を爆発させる時だ!!
出来上がった作品はこちら→
なんてことでしょう。輝かんばかりのプラチナゴールドの髪色で青色強めの固い意志がしっかり見え隠れする碧眼。体型は、出るところは出て引っ込むところは引っ込んでいる理想の体型だ。若干の筋肉質のところがいい…。
そして激しい運動をするのに長い髪は少しばかり邪魔だと思い、ポニーテールにさせていただいた。髪をおろすのは、ラフな時にでもしよう。
ふぃー(^^ゞ
声も選ばなくちゃいけなかったから1週間もかかってしまった。
ロールプレイを前提として、ふとした時に女性らしさを感じられるような仕草の練習。
そして化粧品やイマドキの女性がチャックするもののリサーチも同時進行で行った。
まぁ、俺の女騎士のロールプレイは「ふむ」「了解した」など会話は短文にする予定だ。それに少々、男まさりだが隠れた一面としてかわいいもの好きを案として推奨する。
ー機体を選択してくださいー
機体は軽量型・通常型・重量型がある。もちろん選ぶのは通常型だ。なぜなら、バランスがいいとともに俺が選ぶ武器に合うのがこれしかないのだ。
ー武器を選択してくださいー
騎士と言えば物語では手になじむ武器を持つが、代表武器と言えば長剣や小型の盾と剣を持ったスタイルと行ったところか。
この世界は重火器が存在するため剣一本ではやっていけないし、小型の盾では守れる面積が少なくすぐに機体に風穴があくので、思い切って大盾一本でやってみようと思う。
軽量型では大盾を持つので精一杯だし、重量型ではもうほとんど動けん。大盾では地上特化で攻撃手段ないけど誰かの護衛について寄生しよ♪
そんな最低なこと思っていると、雪と見たCMのオープニングムービーが始まり、現地人がカプセルの埃を払うことで俺のアバター姿がおぼろげだがそこで見えるという所でムービーは終了する。
そして意識がアバターと連動し、目覚める。
「うっまぶしい…」
「おっ、嬢ちゃん起きたか!」
俺はセーフティーエリア(始まりの地)のキャンプ地で目覚めた。周りにはNPC、現地人しかいない。
確かチュートリアルが終わるまで、プレイヤーには会えないように別の世界線でオフライン設定になっているらしい。
俺に話かけてきた野性味溢れる風貌をした男、ギースが言うにはこの施設での生き残りは俺しかいなかったらしく、ここから出て遺跡調査のために設立された都市ファーストへ俺たちと行かないかと聞かれた。
もちろん。yesだ。俺の今の服は寝間着とまではいかないが、村人のような格好で騎士らしさが感じられない。
機体も標準なため、のっぺりしていて気にいらん。俺は形から入るタイプだから早く変えなければと思ってしまう。
「じゃあ、心の準備が出来たら声をかけてくれ」
そう言い、ギースは物言わぬ地蔵になる。
チュートリアルミッションが視界の右上に表示された。
1アバターに慣れよう
2ギースに話しかけよう
3腕に装着している機体を召喚するデバイスで機体を召喚しよう
4初心者用敵対エネミーの討伐5体してみよう
5遺跡調査都市ファーストにたどり着こう
「うむ」
アバターの操作は、やはり男性と女性の骨格が違うので少し動きづらい。でも、こう動きたいと念じるだけで動くサポートもあるため支障はないな。
「問題はなさそうだ」
俺はチュウトリアル3を見た。
…先ほどからこの服に不釣り合いのごつめの機械的腕輪がついているのは機体を召喚するためかと納得した。
「準備が出来たようだな。デバイス装着者ならこの道中も[Cain]とも戦えるはずだ」
ー起動音声を登録してくださいー
起動で登録します
そこにこだわる熱意はないから簡単なものでいいや。
現地人はデバイスを使って、それぞれの機体を召喚しており、出発の準備を進めている。
「起動」
俺は亜空間から召喚された通常機体に乗り込み、音声AIの指示のもと機体の操作を進める。操作と言っても丸い水晶なような物に左手を乗っけて、右手で制御棒と言われるものを握るだけだ。
あとは、感覚で何となく動く仕組みになっている。