0【ファイナルタッグマッチ】
ロープに振られた猿川選手が帰ってきたぞ。
そこにダイナマイト選手がショルダースルーを仕掛ける。
高い！
高く飛んだぞ、猿川選手！
流石は女子レスラーの中でも長身のダイナマイト選手である。ショルダースルーですら高さが違う。
そして、高く宙を舞った猿川選手が背中からマットに落ちたぁああ、これは効いてる。
苦しむ猿川選手が這いつくばりながら自軍のコーナーに手を伸ばすがタッグパートナーの相方選手には手が届かない。
ダイナマイト選手が猿川選手の足を掴んで逃がさない。
まだまだ距離があるぞ！
これはタッチは無理そうだ。
苦しい猿川選手、その背中にダイナマイト選手がストンピングを蹴り込んだ。
力なく踞る猿川選手、これはますます苦しい。
タッチが出来ないうえに攻められている時間は長くなっているぞ。
その猿川選手をダイナマイト選手が引き起こすとボディースラムに投げ捨てる。
ダーーンと激しくリングが鳴った。
これは強烈だ、四角いマットが派手に揺れている。
やはり身長差が激しすぎるのか、体重差もありすぎるのだろう。
余裕だ、ダイナマイト選手が余裕の表情で猿川選手を煽っているぞ。
どうだ、若手！
どうだ、勝ち無しプリンセスとヤジを飛ばしている。
そして、散々ヤジってからパートナーのニトロン選手にタッチした。
ニトロン選手はコーナーホストに登るとダイブする。
180センチの長身が大の字で降ってきた。
ダイビングボディープレスだ。
ヒーーーーットっ！
ニトロン選手の長身が小柄の猿川選手を押し潰したぞ。
そこから足を抱えてホールだ。
ワン、ツー、おーと返した。
カウント2.5で猿川選手が返したぞ。
猿川選手が苦しみながらも肩を上げた。
流石は若手ナンバー1のド根性ギャラである。
ド根性プリンセスの異名は伊達じゃない！
まだ戦えるのか！？
猿川選手にファンの声援が激しく飛ぶ！
ホールは返せたがまだまだピンチは続く！
ニトロン選手が猿川選手の長い髪を掴んで引き摺り起こす。
そして、早い感覚でダイナマイト選手とタッチした。
おーと、ダイナマイト選手が猿川選手の頭を股ぐらに挟んだぞ。
その前にニトロン選手が立った。
ツープラトンか！？
ツープラトンだ！？
パワーボムとパワーダンクのツープラトンだ！！
これは大技のツープラトンだぁああ！！
これは効いたぁぁあああ！！
猿川選手の頭が二人がかりでマットに叩き付けられたぞ！！！
これは失神級のダメージだろう！！
そこからのホール！
ワン、ツー、おっと相方選手がカットに入ったぞ。カウントはツーで阻止される。
しかし、今度は相方選手がダイナマイト選手とニトロン選手に捕まった。二人がかりで攻められる。
ダイナマイト選手のエルボーとニトロン選手のエルボーを交互で何発も食らう相方選手！
もう袋叩きだ！！
ベテラン選手の愛方選手ですら女子レスラーの中でも巨漢を有する二人を同時に相手をするのは流石にキツイのか！！
そして、ダイナマイト選手がバックドロップで相方選手を投げ飛ばしたのちにニトロン選手が必殺のギロチンドロップで追い討ちだ。
これは不味いぞ！
そのまま場外にエスケープした相川選手をニトロン選手が追い掛ける。
リング内に残されたのは猿川選手とダイナマイト選手の二人だ。
分断されたぞ、アイドルコンビ！！
もう猿川選手は虫の息だ。
これはピンチだ！
いよいよクライマックスが近いのか！！
おぉぉおおおおっと、ついにダイナマイト選手が伝家の宝刀ダイナマイトラリアットの予告を告げたぞ！
高く上げた右腕のサポーターを直してアピールする！
そして、猿川選手を起こすとロープに振るった。
帰ってくる猿川選手！
そこにダイナマイトラリアットが炸裂したぞ！！
ダイナマイトラリアット爆裂だぁぁあああ！！
そして、ラリアットの破壊力に一回転した猿川選手が頭からリングに叩き付けられる。
その姿は無残！
まさに無残だ！！
完全に事切れている。
猿川選手はまるで紐が切れたマリオネットのように倒れて動かないぞ！！
これが一年目の若手選手に対しての仕打ちだろうか！！
恐るべしダイナマイト選手！
恐るべしリングの爆裂女帝だ！
おや、何か様子が可笑しいぞ……！？
レフリーがリング中央でダウンしている猿川選手に駆け寄ると猿川選手の意識をチェックする。
気絶してしまったのか？
ぉぉおおおおっと、試合終了だ！？
猿川選手のTKOだぁぁあああ！！
レフリーが試合終了を告げる！！
そしてリング内にドクターが入ってきた。
猿川選手の様子を伺っているぞ。
どうしたこれは！？
まずいのか！？
猿川選手の意識が回復しないのか？？
心配ですね……。
今度はタンカーがリング内に運ばれてきたぞ。
そのまま猿川選手が担架で運ばれて行く。
今大会の第四試合でハプニングだ。
猿川選手、大事でないことを祈りましょう。
では、15分の休憩時間の後に第五試合の開始です。
