表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

テーマ詩集:さよなら

さよならは片道切符

作者: 歌川 詩季

 歌謡曲っぽい。

 変わらないものなどは ないよと教えてくれた

 (よそお)い新たな街で 私はまるで異邦人

 小さな籠さえ追われた 悲しい小鳥のように

 むしられた翼を 返してとせがむ


 絡めた糸をほつれさせ

 こんなにも弱くて(もろ)いなら

 はじめから知らなければよかったと

 (はかな)さ 恨みもしました


 逃げないことだけが いつまでも強さじゃないって

 今更な想いに口を(つぐ)む勇気 それだけあればいい

 さよならはきっとね 新しい愛への片道切符

 旅立ちを告げる汽笛は何処(どこ)か悲しく

 窓の景色は何故(なぜ)か足早に過ぎてく



 届かない手紙なら この胸にしまったまま

 封を切らずにおいたら 嘘も 記憶も綺麗でも

 ささいな幸せ踏まれる 不遇の野花のように

 枯れるまで待っては くれないのですね


 (こじ)れた糸をほどければ

 断ち切る事もなかったでしょう

 一度も結ばなければよかったと

 ときには 涙もしました


 逃げないことだけで 変わらないふたりのままなど

 演じてもそんなの臆病なだけだと とっくにわかってる

 さよならはそっとね 渡された明日(あす)への片道切符

 夕立をやぶる汽笛は何処(どこ)(いと)しく

 雨の音色は何故(なぜ)かあたたかく聞こえて

 いろんなものを、描きたいです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 汽笛や切符、手紙など、少し前の時代を思わせますね。 未来屋様のレビューにあったようにノスタルジーを感じます。 変わらないままでいられなかった二人ですが、別れの言葉に前向きな場所への切符を添…
[一言] 昭和の名歌謡曲がここによみがえったかのような、そんな衝撃がありました。 何故だろうと思いながらもう一度読み返してみたのですが、選ばれたワードの懐かしさと、終わりを告げてしまいそうな恋愛に縋り…
[一言] 想いが土地と結びつくように描かれているから 在りし日の歌が流れたように聞こえるのかも 去りゆく季節はなぜか冬より秋の気がして 積もった想いは冬を越えてまた 雪解け水とともに鮮やかな彩りに変わ…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ