降りつもる
急ぐな、急ぐな
慌てるな
今まさに降ってきているのだ
そう、降っている
おまえの上に、わたしの上に
雪のように、光のように
それはおまえの傷ついた翼の残骸に触れる
慰める
愛おしむ、撫でる、癒して形作る
再生する
さらに大きなものへ
さらに力強いものへと
だから嘆くな、急ぐな
落ち着かないだろう
慌ただしいだろう
苦しいだろう
泣きたくなるだろう
ぼろぼろの体を元に戻し
本来あるべき姿に作りなおす
エネルギーが足りなくて転げ回り
狂い、泣き叫び、もう何もかも投げ出したくなる
だけど
降ってくるのだ
粉雪のように
煙雨のように
わたし達の上に降ってくる
それはあまりにささやかで
ときに全く足りなくて
天のあまりのけち臭さに、わたし達は怒りともどかしさを隠せない
けれど
それは必ず満たすのだ
それは必ずわたし達を満たして癒す
だから急ぐな、急ぐな泣くな
凍える土の下、じっと耐えて春待つ種のように
いつか来る暖かく柔らかい未来を思い
上を向いて降る奇跡を額に受けろ
それはおまえを愛している