表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

友人に寝起きドッキリを仕掛けたら、バズーカが本物だった件

作者: 青水

 友人に寝起きドッキリを仕掛けることにした。

 僕はとあるルートからバズーカを仕入れた。日頃、友人には数多くのドッキリを仕掛けられているので、たまにはこちらから仕掛けてやろうと思った次第であります。

 早朝バズーカ的な。テレビのドッキリでよくあるやつ。

 僕は朝5時に起床して、友人宅へと向かった。恋人ではない、単なる友人である僕は、もちろん合鍵なんて代物を持っていない。昔学んだピッキングで頑張って解錠、そして忍者のように音なく侵入。


「く、く、く、く……」


 友人はベッドですやすやと熟睡中。僕のバズーカが爆発するぜ!

 友人の枕元に立つと、持ってきたバズーカを構える。音がかなり大きいと聞いたので、さすがに友人の耳元に向けたりはしない。地面と平行に、壁に向けて――


「行くぜ」


 放つ――

 ドガアアアアアアアン!!!

 ……ん? なんか、おかしくないか、これ……?

 轟音に驚いた友人は、ベッドから飛び起きた。トランポリンの上をぴょんぴょん跳んでいるみたいに弾む。


「な、なんだなんだなんだなんだ!?」

「いえーい。ドッキリ大成功……」


 そう言って、プラカードを上げる僕。しかし、声は小さかった。思っていたのと、だいぶ違かったからだ。何が違うのかというと……。


「おい! 壁に穴が空いてんじゃねえか!」

「いえーい。……ごめん」


 僕は素直に謝った。

 謝罪最終奥義――土下座である。


「どういうことなんだ、一体?」

「実はですね……寝起きドッキリ、早朝バズーカに使うためのバズーカ……これなんだけど、とある知り合いから買った物なんだけど、これさ、本物のバズーカだったんだ」

「おい、銃刀法違反じゃねえか!」

「てへっ」

「『てへっ』じゃねえよ」

「いやあ、ドッキリ用のバズーカにしては随分高いなーと思ったんだよね」

「買う前に気づけよ」友人は呆れ顔だ。「というかさ、この壁の穴、どうすんだよ……」

「修理するしかないね」

「それと、早朝からアホみたいな轟音響かせてさ……これ、近所迷惑じゃん」

「謝るしかないね」

「俺、このマンションから追い出されるんじゃねえのか……?」

「……」

「……」

「……」

「……どう責任とってくれんのよ?」


 僕はバズーカとプラカードをその辺に捨てると、


「アディオス!」


 と言って、窓ガラスを突き破ってベランダから飛び降りた。

 ちなみにここはマンションの4階。超人ではない僕はただではすまず……脚の骨を折ったのだった。


 その後、鬼と化した友人は、僕に責任と取らせるために、血眼になって僕のことを追いかけてきた。鬼ごっこである。貧乏な僕は責任を取りたくないので、友人から逃げ続けている。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ