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廊下に出てみれば、そこには松葉杖をついてゆっくり歩く、酷く腰の曲がった老人が居た。頭には一昔前の洒落たハットを被り、それのお陰か全体的に大正浪漫な雰囲気であった。
「ちょっと、町長足腰悪いんですから……!」
そう言って海斗が足音を立てながら老人に近づくと、老人はただでさえ多い皺を更に増やしながら、純粋な子供かのように笑った。
「はっはっは、大丈夫じゃ。ほれ、こんなにも歩ける」
そう言うも、その足取りは何処かおぼつかず、生まれたての子鹿のように膝ががくがくと震えていた。
「あーもう、変なところで意地はんないでくださいよ!ほら肩貸しますから」
海斗がそう言って町長の肩に手を通すと、町長の足取りに合わせてゆっくりと歩いた。
「どの部屋に用事ですか?」
「ほれ、お前が連れてきた子供達のところにのう。少し、聞きたいことがあるんじゃ」
「はいはい、分かりましたよ!」
海斗が若干怒りながら言うと、町長はまた笑いながら受け流すのであった。




