~初めまして、だ女神さん~
初投稿です
正直どういう風に書いたらいいか
わかりませんが、自分の作品が自分で納得
できるように書いていきたいと思います。
小さい頃の夢を見た。
「ソロモン王の名のもとに我に力を!」
その頃の俺はアニメで見た魔術師に夢中になった
その魔術師は72柱の悪魔と契約し戦っていた
「顕現せよ、エリゴール!」
小さい頃は自分でも頑張れば契約し
召喚出来ると無邪気にも期待していた。
・・・・・・・・・
「、、さん…お、さん…」
なんだ?頭が痛い…うるさいな
「お客さん着きましたよ!」
そこでようやく自分がタクシーの中で
寝ているのに気がついた。
タクシーの運転手に代金を払うと
ふらつきながらも自分の住んでいる
アパートの階段を上っていく。
俺は 新藤 双葉 26歳の平凡な社会人。
あの日夢に見た魔術師になれる訳もなく
自分の生まれ育った町の中小企業に務めていた。
別に今の職が嫌いなわけではないのだが
取引先でニコニコ笑顔を作り
ペコペコ頭を下げるのは
自分の性には合ってはいるが
正直自分がやりたかった仕事かと言われると
そうではなかった。
今日は取引先との会食で接待だったのだが
思いのほか向こうの事業部の方がお酒に強く
時間が伸びたために
終電を逃しタクシーで帰ってきたのだった。
鍵を開け玄関に入ると軽快な着信音とともに
携帯に一通のメールが届いた。
今どき携帯にメールが届いたとしても
広告がほとんどなので
いつもはすぐには見ないのだが
その日に限って開いてしまった
反射的にといった所だろうか
もしくは
神の見えざる手で操られているかのように
"日々の暮らしに退屈していませんか?"
そんなあなたに朗報!
貴方も魔術師になりませんか?
ファルファ大陸で新たな自分を見つけよう!
By 女神より♥
YES / NO
うわ、何だこのメールは…
どう考えてもいたずらだろ
でもこの 魔術師 の言葉がやけに引っかかった。
きみは魔術師に憧れてるのだろう?
今の現状に退屈していないか?
そんな自分の心を見透かされたようなメールは
不思議な魅力があったのだった。
もしYESのボタンを押したら何か変わるのだろうか?
もしそうなのだとしたら…
実際そんなことはありえないのだが
酔った頭では正しい判断は出来なかった。
カチッ YESをタップする。
なんも起きないよなそりゃ
ハハハッ…自然と渇いた笑いがもれた
その時だった
パンパカパーン
(おめでとーこれで退屈な日々とはバイバイ!
小さい頃からの夢叶うといいね♪)
そんな脳天気な声が頭の中で響きその瞬間
目の前が暗転した。
・・・・・・・
目を覚ますとそこは暗闇だった
「なんだよここは」
うーん、考えられるのは
① 酔って暗い倉庫のような建物で寝ていた
② 自分の感覚ハッキリするほどの明晰夢
考えれば考えるほどよくわからん
ほんと何処だよここ!?
正直な所②はないのだろう
息をする感覚、飲みすぎによる頭痛が
これは夢などではなく新藤双葉が
この空間で生きていることを証明していた。
そうなるとここは一体どこなのだろう?
「とにかく出口を探すか…」
しかしどこまで歩いても出口のような
ものは見えて来なかった。
もうこの空間から出れないのでは?
そんな絶望感が心を満たそうとしていた。
「ごめんごめんまったー?」
どこからか聞いたことのある能天気な声が聞こえ
目の前に神々しい光の柱が現れた。
その中から出てきたのは残念な感じの女性だった。
「いやー久々のお客さんだからさ
なに着てくるか迷ちゃってー」
迷ってその恰好なのね…
その女性はボサボサの
寝癖だろう薄桃色の髪に
よれよれのTシャツ、ホットパンツと
だらしなさ満点だった。
「それで、あんたは誰なんだ?」
「だれってわかんないかなー
め・が・みよ」
俺の知ってる女神像とは似ても似つかないが…
状況整理するとこのだらしない女性が女神で
こっちに呼んだ?本人なのだろうか
「そうそう双葉くんを連れて来たのは私だよー」
この状況をつくったのはアンタか…
さっきから思ったことが見透かされる
って事は失礼なことを考えてたのもお見通しだよな
そんなことを考えながら顔を上げると
女神がこちらを鋭い目で睨んでいた
「女神なんだから心を読むなんて簡単なんだよー?」
ほんとに女神なのかよこいつ…
じゃあ女神の力で帰してもらえるのでは?
「帰るのはムリだよー?」
ん?いまなんていった?帰るのがムリだと?
「だからーもうムリなの
元の世界にあなたの体はないし、
世界から存在が消えちゃってるの」
なんて事をしてくれてんだこのだ女神《だらしない女神》は!!
「だってだって魔術師適正のある子が
暇そーにしているからいっそのこと
攫って必要な世界にとばしちゃおーかなって
双葉くんだってYESって意思表示したじゃない!」
うわぁ、攫ったって言いやがったよコイツ
確かにYESは押したがこんな事になるとは…
「とにかく、双葉くんは異世界に行くのは
決定事項なんだよねー」
やっぱり異世界に飛ばされんの俺?
この話の流れから薄々は考えてはいたが…
もう疲れた…どうにでもなれ…
脳が考えるのを放棄した瞬間だった
「はいきまりー
じゃあ異世界に旅たつ双葉くんに
プレゼントを三つあげるよー」
だ女神によって新藤三葉の
異世界行きが決定したのだった