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奈落に落ちたら案の定裏ダンジョン直行ルートでした  作者: 猫蜜柑
第一世界 2章 魔国編
31/39

31,従魔召喚

 学園受験結果発表まで今日を入れてあと2日。


 え?昨日あの後何してたのかって?膝枕状態でひたすら頭撫でられてましたが何か?

 ハハハ、見た目中学生の女の子に膝枕された上さらに頭を撫でられてた高校生男子がいるらしい。イッタイダレダロウナー。まぁそれは置いといて。


 ネロは膝枕して頭を撫でている途中で寝落ちしたからベッドに寝かせて僕は床にそのまま寝た。

 普通クッションもカーペットも無い硬い床でこんなことしたら次の日には筋肉痛で体がバキバキになりそうだけど実際はそんなことは無く普段通りに朝を迎えた。筋肉痛が無いのはもしかして吸血鬼の特性か何かかな?もしそうなら特性の中でもこれが一番日常で便利かもしれない。


 僕が起きてから少しした後に起きたネロは僕と同じように着替えて朝食を食べてから自室に戻っていった。



 さて、今日を含めて結果発表まであと2日、今日は何しようかな。


「真緒くん今大丈夫?」


 僕が何しようか考えていると悠灯に扉がノックされた。考えるのを一旦やめ、扉を開けて悠灯を室内に迎え入れ、そのまま椅子に座らせたところで悠灯が口を開いた。


「真緒くんは従魔とか眷属みたいなの作る気は無い?いたら真緒くんの負担も少しは減らせないかなって思うんだけど」


 従魔……従魔かぁ……うん、一応僕召喚魔法は持ってるけどね。ネロにも1人で傷つくのはやめろって言われたし一緒に戦う仲間を作るのはありかな?今日何やるかも決まってなかったし悠灯の提案に乗ろうか。


「うん、ネロにも色々言われたしその提案に乗ろうかな。だけどどこで召喚するのかとかは決まってるの?」


「あ、それは問題ないよ。既に従魔がいる人に教えて貰えるように頼んであるからね」


 うーん、準備万端過ぎないかな?まるで僕が自分の提案を断らないって確信を持ってたみたいだ。そして前を進む悠灯について行くと行先は城の裏庭だった。普段は見ることも来ることも無い裏庭には既に先客がいた。


「・・・・・・えっと、なんでネロがここに?」


 ネロには何も言ってないはずなんだけど……それなのに僕達より先にいるってことは、もしかして事前にこうなることがわかってた?


「私も召喚魔法を習得していますしその上従魔もいます。なので私が召喚魔法について色々教えますね」


 ネロって召喚魔法はともかく従魔までいたんだ。これまで1度も見た事がないから知らなかった。


「あぁ、分かった。だけどその前に一つ質問、ネロの従魔って何?今まで見たことないけど」


「そう言えばそうですね。私の従魔は鳥の姿をしています。希少性が高く直接戦闘向けでないですけどね。ですがその希少さ故に貴族や王族などの権力者がわざわざ大金を積んで冒険者に捕獲を依頼するような魔物です。なんなら実際に今ここで召喚してみましょうか?」


 鳥系、それも希少性が高いやつ、ね。うん、全く想像できないわ。召喚してくれるって言うし気になるからお願いしようかな。


「うん、お願い。どんなやつか気になるしね」


「分かりました」


「『我望むは共に歩む者。我に付き従い我が配下にして友となる者よ。汝、我が声に応え我が魔力を糧としここににその姿を現せ』」


 詠唱が始まるとネロから見て少し前方に白、金、銀の3色の魔法陣が出現し、それぞれタイミングをずらしつつ回転しながら膨張と収縮を繰り返す。それが何度か続くと一度一際広く広がり、ネロの足元までも魔法陣の範囲になる。すると次の瞬間一気に3つの魔法陣が収縮した。


『━━━━━━『召喚(サモン):ジェイル』」


 そこで詠唱が終わり、従魔の名前をネロが唱える。すると、さっき収縮した3つの魔法陣を起点に眩い閃光が周囲に放たれた。


「クルアァンッ!」


 光が晴れるとさっきまで魔法陣があった場所に白い鳥が立っていた。魔物で無い普通の鳥とは比べ物にならないほど大きく、高さもネロの身長の半分近くある。


「マオさん、この子が私の従魔のジェイルです。種族はカドケウスです」


 ・・・・・・カドケウスってどこかで聞いたことがある名前な気がするんだけどどこだったかな。少なくとも割と有名な名前ではあると思うんだけど。

 僕の記憶にあるやつと同じやつかは分からないけどそこら辺のゴブリン、コボルトなんかとは格が違うって言うのは1目見ればわかる。そのくらい雰囲気が他とは違う。


「それではマオさん、私が先程のように唱えますから私のあとについて詠唱を唱えてください。従魔でない存在を触媒になるもの無しで召喚する場合、魔法陣に注ぐ魔力が触媒の代わりになります。そのため高位の従魔を求めるならそれだけ多くの魔力を注いでください。それでは始めますよ」


 なるほど、つまり実質召喚魔法はガチャだった?それもガチャ用消費アイテムを1度に多く消費すればするほど強力なキャラが当たりやすいタイプの、ソシャゲとかでいきなりやられたら運営に文句が出そうなやつ。幸い僕の魔力は潤沢にあるおかげで普通に過ごす分にはギリギリまで消費することなんてないからこういう時に消費しちゃおうかな。魔力も筋トレと一緒で基本は使えばその分伸びるらしいし。


「『我望むは共に歩む者』」


 ネロが先導するように高らかに(うた)う。


「『我望むは……共に歩む者』」


 ネロが唱え終わるとその詠唱を思い出しながら僕が唱える。


「『我に付き従い、我が配下にして友となるものよ』」


「『我に付き従い……我が配下にして友となるものよ』」


 少し詰まりそうになったけど何とか次の言葉に繋ぎ詠唱を進める。あともう少し。


「『汝、我が声に応え、我が魔力を糧としここにその姿を現せ』」


「『汝、我が声に応え、我が魔力を糧とし、ここにその姿を現せ!』」


 最後の詠唱を唱え終えた。するとネロと同じように僕の前にも1つの魔法陣が現れた。そこにひたすら自分が持てる魔力を注ぎ込んでいく。


 そして注ぎ続け許容量限界になった所でそれは2つに分かれた。その分かれた魔法陣は黒と深紅でネロの召喚と比べると魔法陣の数が1つ少ない。

 さらに召喚されるまでの魔法陣の動きも膨張と収縮を繰り返すネロの時とは違う。

 黒い魔法陣からは瘴気のような、煙のようなものが溢れ、深紅の魔法陣からは血のような赤黒い色をした少し粘性のある何かが溢れ出している。


 なんかとんでもないやつが出てきそうな雰囲気だな。デュラハンとか血系とか悪魔とか出てきそう。少なくともうさぎとか狼とかは絶対出てこなさそう。


 溢れ出していた2つがある程度の量に達すると溢れるのが止まり泥が1つに集まり、そこに煙がまとわりつくようにして何かの形を作っていく。

 そしてそれは徐々に形を整えるように変化が小さくなっていき両方とも動かなくなると作っていた何かに吸収されるようにして魔法陣と共に消えていった。

 消えた後には人の肩に乗れるくらいのサイズ(超長寿コンテンツのアニメで主人公の相棒を続けている某電気ネズミより少し小さいくらい)で真っ黒の胴体を持ち、目と足先の鍵爪が深紅、さらに腹部の背中側に目や爪と同じ深紅の斑模様がある1匹の蜘蛛がいた。


 パッと見は想像してたやつと比べたら全然マシに見えるかもしれないけど奈落の下層と同じくらいかそれ以上の魔物と同じくらいの風格を感じる……


「マオさん!早く契約してください!!」


 蜘蛛を見た途端ネロがすごい剣幕で叫んできた。契約、魔力を渡せばいいんだったっけ?とりあえずうろ覚えだけど聞いてる時間なさそうだしやるか。魔力の糸を蜘蛛に繋ぎそこから魔力を流し込んでいく。今の時点で大規模魔法数十発分くらい流し込んでるけどまだ入るのか……


「キッキィー……」


 流し込んでいると蜘蛛が僕の方に歩いてきて体を低く下げた。まぁ実際は蜘蛛の体で下げてるからあんまり高さが変わってないんだけど。一応従魔契約はこれで完了?


「真緒さんあと名前をつければ正式に従魔になったことになりますよ」


 ネロは心でも読めるのかね。疑問が出たらすぐにその答えを出してくれるんだけど。それにしても名前、名前ねぇ……すぐには思いつかないな。とりあえずステータスから見ようか。もしかしたら称号から名前が連想できるかもしれないし。

 ・・・・・・やっぱり『神眼』は優秀。時間も掛からずすぐに見れる。

 さてあの蜘蛛のステータスはっと、


name:

種族:死病蜘蛛

種族Lv:1

体力 D

魔力 B

筋力 C

知力 D


スキル─────────────────

・ノーマルスキル

『病毒散布 Lv1』『病毒状態特攻 Lv1』

『毒攻撃 Lv1』『腐蝕攻撃 Lv1』

『万能糸 Lv1』『成分気化操作 Lv1』

『毒耐性 Lv1』『腐蝕耐性 Lv1』

────────────────────


称号──────────────────

『死を運ぶ者』『疫病の使者』

『孤独な死神』『絶滅危惧種』

────────────────────


 何この蜘蛛……Lv1なのに物凄く物騒な称号があるんだけど……そしてスキルのマッチポンプがひどい。『病毒散布』で相手を病毒?状態にして病毒状態の相手に『病毒状態特攻』で高火力な攻撃を叩き込むって戦闘スタイルなのかな。まぁ『成分気化』がどう言うスキルかわからないから確証はないけどさ。

 さて、ステータス、スキル、称号はわかった事だし名前を考えないとなぁ……土蜘蛛、牛鬼、女郎蜘蛛、有名な蜘蛛といえばこのあたりだけどどれも合わないから無し。死神……グリムリーパーから取るか?そうなると雌だからグリムよりグリーザの方がいいかな?でもなぁ……うーん、決まらない。あと圧倒的優柔不断。あぁ、一人で他人と一緒って考えるとかぐや姫も最初そんな感じか。



 ・・・・・・よし、決めた。この子の名前は剋久夜(かぐや)にしよう。そう決めて名前を言うと僕と蜘蛛、リーザの足元に白い魔法陣が現れた。そしてその魔法陣は特に特殊な演出は無く足元から浮かび上がるとそのまま僕と剋久夜の体に吸収されるようにして消えていった。あれが本契約完了の証って事なのかな?


「マオさん!大丈夫ですか?毒や病気になっていませんか?!」


 契約完了で少し気を抜いた瞬間ネロが駆け寄ってきたけど別になんともない。そしてそれを伝えるとネロから剋久夜の種族である死病蜘蛛について色々聞かされた。

 まぁその話自体はカットして内容を簡単にまとめると、昔は2つ名に死神が付くレベルの厄災だった。だけど今はほぼ絶滅したも同然で絶滅する前は各国(大国も小国も互いに仲良い国も互いに仲悪い国も問わず)が総力をあげて野良の死病蜘蛛を狩っていた。

 今では「魔物による災害事典」なる図書館以上の蔵書数を誇る場所には大抵置いてあるような分厚い本に過去にやらかした出来事とその姿が描かれているらしい。大雑把な出来事はいくつか聞いたけど詳しくは実際に自分でその本を見て見ないとわからなそうだけど。



(様…人様……ご主人様ッ!!)


「んっ!?」


 え、なんか今声が聞こえたような気がする。声の主はネロじゃない、さすがにそれぐらいはわかる。となるともしかして……剋久夜?小さい女の子みたいな声してるな。


(はい、そうですよ!さっきから話しかけてたのに全然反応してくれませんでしたね)


 異世界系小説で従魔、またはテイムモンスターが出た時に一緒に出てくる『念話』またはそれに準ずるスキルの効果?それとも契約したからそのおかげで意思疎通出来るようになったのかな?念話みたいなのが出てくるラノベではほとんどの場合頭の中で思ったことが相手に伝わるって感じに書かれてるけど……


(どう?剋久夜、聞こえる?)


(はい!聞こえます!)


 おぉ、本当に通じた。そしてラノベの知識は実際に異世界に来ても意外と役に立つことが多いっていうのを再認識した。まぁ異世界に行くなんてことが起こるのがそもそもおかしいんだけどね。


(ここは私の場所です!)


 なんかいつの間にか剋久夜が僕の頭に乗ってきて定位置にしてる。まぁでもあんまり重くないし不快感も無いから別にいいか。とある電気ネズミを相棒にしてる超人もこんな感覚なのかな?


「マオさん、言い忘れてましたが従魔『送還』と唱えれば別空間に移動してこの場からは消えます。そしてまた『召喚』と唱えればすぐさま呼び出すことが出来ます。2度目以降の既に契約している従魔召喚には詠唱はいりません」


 ん、ネロに最後の送還方法まで教わった。これでほかに召喚魔法について教わることは今のところないかな。


「余裕がある時は従魔との時間をしっかりを取るようにしてくださいね。従魔は兵器や道具では無く対等な友人として接するのが上手く付き合う秘訣ですよ」


「わかった。剋久夜との時間も取れるように時間配分を考えないといけなさそうだ。対等な関係って言うのは忘れないようにしないとね」





かぐや姫って最初1人で地上に落とされたじゃないですか、まぁそれからおじいさんおばあさんといういい人達に恵まれたわけですが。

つまり音が同じ剋久夜も同族ほぼいない状態でいきなり呼ばれて(・ω・*)ホヘ?ってなったけどのちのち良縁に恵まれるのでは?


作者ページからTwitterに飛べます。Twitterでは本作ともう片方のPDOについての設定を呟いたりしています。

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