28,デート回①
今回はいつもの1.5倍近い文字数となります
・・・・・・ネロが廊下を全力疾走してたことへのお説教はメリアさんに任せた結果予想外なことにお説教時間が1時間を余裕で超えそうになったけど僕の方にも非があるからってことでメリアさんにそろそろやめてくれるようにお願いして何とか1時間を少し超える程度で終わった。実際完治に2日、絶対安静の日が2日の計4日もネロのことを放置とか完全に僕のほうに非があるでしょ。
そしてネロのお説教が終わって僕は自室に帰ってきた。ていうか埋め合わせしないといけないのはネロだけじゃないんだよな、僕は試験前にルキウスと晴空に克墨を預けてたからネロへの埋め合わせが終わったら今度は克墨に埋め合わせをしないと。
あと学園長の試験っていうか普通に戦いだけどあれでスキルが成長したか見てみよう。悠灯もどこかに行ってるから今特にやることないし。
name:九條 真緒
種族:吸血鬼(始祖級•根源種)
mainjob:魔神
subjob:神剣使い
種族Lv:257
体力 A(S)
魔力 A(SS)
筋力 A(S)
知力 A(SS)
スキル─────────────────
・ノーマルスキル
『肉体超強化 Lv62』『魔力武器化 Lv73』
『重金剛 Lv69』『身体超強化 Lv59』
『立体機動 Lv62』『空中機動 Lv60』
『無尽走破 Lv63』『体力超速回復 Lv69』
『召喚魔法 Lv50』『礼儀作法 Lv25』
・マスタースキル
『万能従者 Lv13』
・エクストラスキル
『全言語理解EX』『融合』『交換』
『紫灰の焔』『魔剣召喚』『聖剣召喚』
・レジェンドスキル
『風神雷神 Lv21』『森羅万象 Lv22』
『覇王 Lv16』『魔術 Lv20』
・ユニークスキル
『降神装・陽炎』『神剣召喚:叢雲剣』
『神眼』『神剣召喚:神焔剣』『炎天下』
『万物創造 Lv14』『スキル合成』
『自己改造』『始祖吸血鬼 Lv20』
『魔神 Lv10』『七元徳』『七大罪』
『万蝕之龍皇 Lv2』
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うん、全体的にスキルが少し成長してるな。でもいつになったら僕は元徳と大罪が使えるようになるんだ。一応今でもゲームのインベントリとか物理遠距離攻撃の軌道をずらすくらいはできるけど逆に言えばその程度の効果しか出せないんだよなぁ……まぁ幸いまだ時間はある。焦らず必要なものを積み重ねて行けばいい。
あと結果発表までに召喚魔法で従魔作ろうかな。1人でなんでも出来るとは思わないしそもそも僕メインは後衛だし。
ステータス確認がちょうど終わったところでドアがノックされる音が響いた。
「・・・・・・マオさん、入ってもいいです?」
やっぱりネロか、夜に来られたらあれだけどまぁ今はまだ昼間だし何も問題ない。扉の方に歩いてそれを開ける。そしてネロを中に入れる。
「うん、いいよ。入って」
ネロって見た目はどう見ても年下だけど一応実年齢はネロの方が上なんだよね。まぁ精神面がお姉さんってことも無く見た目と同じくらいの精神年齢だと思うけど。
そして入ってきたネロを椅子に座るよう促し自分はテーブル近くにあるベッドに座る。まぁ大人数だったらこの部屋1人部屋のせいで椅子が1つしかないから床に座ってもいいんだけど今は2人だしね。ネロに椅子に座ってもらってベッドがテーブルに近いから僕がベッドに座って少し身を乗り出せば問題なくテーブルは使える。
そして互いに無言で時間が過ぎていく。そして言わないといけないことがある僕の方から口を開いた。
「ネロ、4日も連絡なしで心配かけてごめん」
形だけじゃなくてちゃんと気持ちを込めて頭を下げて謝る。だって今回のことは本当に僕のほうが悪いからね。
「本当ですよ……一応悠灯さんから連絡は何があったか教えてもらいましたがそれでも心配したんですからね……」
あー、やっぱり罪悪感がやばい。しかも追加療養分の2日は悠灯と二人きりですごしたから余計に……だから埋め合わせをするつもりだけどそれを言い出すタイミングがなかなかない。
「なのでマオさん、今回みたいなことは無いようにしてくださいね」
「うーん、傷つかないようにって言うことだったら気をつけるとしか言えないけど連絡はとるようにするよ。傷の方は吸血鬼の僕が傷を負うことでネロ達が傷つかなくて済むなら率先して僕が傷を負う」
罪悪感もあるし気をつけようって気持ちもあるけど自分が傷つくか悠灯やネロ、克墨みたいな大事な人が傷つくかって言うなら僕が傷つく方を選ぶ。これは多分死んでも変わらないと思う。
え?愛が重い?ハッハッハ、大切が傷つくか自分が傷つくかなら後者を選ぶのが当たり前だろ?
「それなら私がマオさんが傷つかないように守りますっ!だからマオさん、自分だけ犠牲になろうとしないでくださいっ!」
うっ、ここまで言われたら否定出来ないな。僕はあくまで代わりに傷を負うだけで犠牲になるつもりなんてサラサラ無いんだけど……
「うん、ごめん。それじゃあネロに守ってもらうよ」
そう言うと嬉しそうに、そして何故かホッとしたように笑みを浮かべた。
僕は自分が傷ついてもそれで大切なものを守れるならいいって考えだけど悠灯もネロも、克墨も僕のことを助けようとしてくれる。本当いい人ばかりだよ。
そして互いにまた無言に戻った。無言と言っても全く居心地は悪く無い。だけどタイミングもいいしそろそろあれを言おうかな
「ネロ、試験の結果が出るまで今日含めて3日あるけど今日と明日、一緒に街に行かない?」
「えっ……」
「あっ、別に他の用事があるならそっちを優先してくれていいから━━「いえっ大丈夫ですから行きましょう!」あっ、ハイ」
めっちゃ食い気味に言われた。ネロがもし犬系の獣人族だったら尻尾がすごい振られてそうなくらい嬉しそうな顔をしてくれてるし。そんなに嬉しそうだとこっちまで嬉しくなってくる。
着替えてくるつもりなのか自分で扉を開けて出ていった。
僕もネロが来る前に着替えよう。でも僕私服って制服は王宮に置いてきてて今持ってるのは迷宮産の装備品と執事服、あとは寝る時に着るような着心地優先のシンプルな服だけ。どうしよう、街に行こうって言ったもののそれ用の服がない。
・・・・・・執事服を一部着崩してみたり……一応他人から見たら僕とネロはまだ従者と主の関係なわけだからそれもありかな?
シャツはネクタイをそのままにボタンを執事の時のみたいに襟まで全部閉めるんじゃなくて第二ボタンまで開ける。そしてジャケットもいつもは前を全部閉めて少しシャツが見えるくらいだけど前を開けることで羽織ってるだけなように見えるようにする。
残りのベストとズボンだけどこれは特にいじれるところはないからそのままでいいかな。あぁ、一応髪も普段みたいにワックスもどきで形を作らないで自然にしとくか。
一応従者であるってことが分かる要素は最低限残しつつ普段しないような感じに変えてみたけどはたしてネロの反応はどうかな?部屋から出てすれ違ったメイドさんにネロに城門前で待ってるって伝言を頼んで僕は先に行っていよう。
女の人の準備は時間がかかるって秋も言ってたけどその通りだな。まぁ幸い貴族が近くにいないしネロの服装が楽しみだから全然待てるけどね。
お、ネロが来たみたいだ。でもここからだと少し遠いから服装はよく見えない。
そしてネロが僕の方に歩いてきたことでその服装がわかるようになった。
ネロの服装は上が白いフリル付きブラウスもどきに腰にリボン、膝下丈のフリル付きスカート。そして髪がいつものストレートと違って緩くウェーブがかかってふんわりとしてる。
はあぁー、今ほどもっと語彙力が欲しいと思ったことは無いかもしれない。似合ってるって言葉以外にも何か気の聞いた言葉が思いつけばいいんだろうけどそんなの全然思いつかないし。
「マオさん、どうですか?」
そんなふうに思ってたらネロから質問されたけど……似合ってるとしか言えないんだよなぁ…まぁ一応このまま人目を気にせず抱きしめたいって気持ちはあるけどそれはさすがに実行できないしね。
「……大丈夫ですか?」
顔が近い……なんか香水かは分からないけどいい匂いもする。どぎつい匂いじゃなくて少し香る程度な当たり僕としても好み。
だけの顔が近すぎる。このままだと理性が死ぬ。
「……めちゃくちゃ似合ってる……あとこれ以上この距離でいると僕の自制心が砕けそうでやばい」
やばい、今完全に本音言った・・・・・・そしてネロの反応は………
「えへへ……マオさんもかっこいいですよ!」
頬をほんのり朱に染めてそんなことを言ってきた。
・・・・・・はー、うちの恋人可愛すぎかよ。そんなこと言われたらこっちまで照れる。
「ん、ネロそろそろ行こ」
「はいっ、それじゃあ行きましょう」
これまで経験したことの無い照れのせいか少し素っ気ない感じになっちゃった。だけどネロはそれでも笑顔を見せてくれる。一応実年齢的にはネロの方が年上だからもしかして年上の余裕みたいなやつ?
照れて素っ気なく対応したりネロの笑顔を見れたり普段と違う服装髪型を見れたりして砕けそうな理性を繋ぎ止めながら街にでてきた。城門から出た瞬間ネロが手を僕の方に寄せてきたけど残念なことにまだ他人の視線がある中でそういうことは出来ないんだよね。ネロもすぐその事を思い出して手を元に戻した。だけどそうしたネロを僕が横目で見たら悲しげな顔してるように見えた。
僕が公認になるまでカップルみたいなことを人前でやるのは控えるって言うのは自分本位のことだからいっそのこともうそんなの気にしないであからさまに見せつけてやろうかな。
城門から出て2人並んで歩いている。すると雑貨屋、果物屋など店舗がある店の他露天商もいくつかあった。そしてネロはいくつかある露天の内の1つ、人混みが出来ている露天で売っているガラスの髪留めを見つけそれを見ているネロはさっきチラっと見えた時の表情と一転して目がキラキラ輝いている。
うん、今後受けるかもしれない面倒事の対策をして大切な人が悲しそうにするか、それともそんなの無視して大切な人が嬉しそうにしているのを見るかなら圧倒的に後者だよね。
そもそも僕勇者だからこの時点で貴族には対抗出来なくもない上初代勇者と初代魔王が半後ろ盾みたいな状態だし今後は悠灯とネロ、克墨のことを優先していこう。
そしてそのせいで何か面倒事に巻き込まれた時にはこっち側に非が無い限り相手には相応の対応をさせてもらう。
さて、今後恋人といる時は相手が悲しむような自重はしないことに決めた。そんなことを決める間ネロはずっと髪留めを見ていたみたいだ。
ちょっと髪留めの値段を見てみようかな。僕は一応執事として働いてる扱いだからお給料は貰ってる、そして今日は特に使う機会がなかったから貯めていたお給料を持ってきてるから買えるかもしれない。
さて値段は・・・ふーん、日本にいた頃基準で髪留め1つに払う値段として考えた場合は高い気がするけど初めてのプレゼントとしてならいいんじゃないかな?ガラスも綺麗だし。
ガラスを見て思ったけどやっぱりこの世界身分制度とかは中世ヨーロッパ風異世界が舞台のラノベとかでよく見る感じなのに所々で文明が進んでるところがある。
髪留めに使われているガラスもが中に不純物が全然ない透明なものだし。もしかしたらトラック転生とかいきなり転移とかしてきた地球人がいたりしたのかな?一応奴隷制度が無いのは初代勇者こと晴空が色々頑張ったからって本に書いてあったけどその他がね。活版印刷だとか風呂だとか他にもいろいろ地球で見たものが異世界風にアレンジされて存在している。
さてこの世界で変に発展してるところがあることについての考察はこの辺で止めにして、この髪留め買うか。そう思ってネロが見ていた髪留めを指さし店主さんに声をかける。
「すみません、この髪留めをいただけますか?」
僕がそういうとネロがすごい速さで僕の方に顔を向けてきた。こっちを向いたままフリーズしていることから驚いてるのがわかる。
「はい、こちらの値段は銀貨2枚になります」
銀貨2枚、日本円換算でだいたい2万円くらいだ。高いとは思うけどプレゼントとして買うわけだから値段はこの際気にしない。執事としてもらっているお給料も普段使わないから溜まる一方だしね。
僕が店主さんにちょうど銀貨2枚を渡して髪留めを受け取ったところでちょうどネロが復活した。
「えっ、マオさんっ!?」
そして復活したネロがなんか慌てている。どうしたんだろう?王族目線でも髪留めに2万は高いから驚いた?
まぁいい。買った髪留めをこの場でつけてしまおう。
「ネロ、ちょっと髪触るよ」
髪留めは淡い青の蝶の形。僕はネロの手を引いて僕の方に寄せ耳より少し上、右目から右斜め上に進んだあたりに髪留めをつける。手を引いて近づけた時に聞こえた声が少し上ずっていた気がしたけど今は気のせいってことにしておく。つけ終えたあとで髪を軽くいじって終わり。髪をいじるのは昔幼なじみが忙しい時にその妹相手にやらされてたから慣れてる。おかげで今も結構自然に出来たかな。
「これでよし、っと。うん、似合ってる」
「……はい、ありがとう……ございます」
喜んでくれてるみたいでよかった。なんか顔が赤いけどさっき声が上ずってる気がしたのは気の所為じゃなかったみたいだ。
そんな照れてるネロを見ていると露天の店主から生暖かい視線を向けられた。
その後露天から離れて歩いているとネロが口を開いた。
「マオさん、今はまだ恋人同士みたいなことはしないんじゃなかったんですか?」
あー、うん。まぁいきなりあんなことしたら質問されるかなと思ってはいたけどやっぱり聞かれたか。
「あー、そのつもりだったんだけど元々それをしない理由って貴族対策だったんだ。けどもう貴族は無視してネロ達を優先することにした」
「えっ……じゃあこれからはこれまでみたいに我慢しないでいいんですか?」
ネロ、その聞き方は反則……ほんと目を潤ませての上目遣いはズルいって……
僕は心の中でまた悶えながらもなんとか平静を装いながらネロに手を繋ごうと伸ばした。そして互いに手を繋ぐとネロの方から指を絡めてきていわゆる恋人繋ぎになった。
自分からやったのに照れてるネロが可愛い。そして僕も握り返してみると顔を隠し始めた。だけど隠しきれてない耳が真っ赤だから照れてるのがよくわかるよ。
「それじゃあネロ、次に行きたいところはある?」
「えっと、侍女たちが話しているのを聞いたんですけど最近出来たらしいくれぇぷって言うのを食べたいです」
くれぇぷ?クレェプ?……もしかしてクレープ?
だとするとやっぱりこの世界僕達以外にも地球人いるだろ。それにしても、最近出来て侍女たちの話に出てくるレベルで人気か、行列出来てそうだけど……すごい楽しみそうにしてるネロに言おうとは思えないよね。
「うん、それじゃ行こっか。早く行かないと売り切れになるかもしれないから」
クレープ屋に近づくにつれて多くなってくる人混みの中ではぐれないようにしっかりネロを手を握って歩いているとクレープ屋に向かう人はそのほとんどが女の人だって言うのがわかる。やっぱりどこの世界の女の人もスイーツ好きなんだな。
クレープ屋に着くと予想通り列が出来ていて僕達は並んだ。そしてそれから2、30分話をしながら過ごしたいるけど……なかなか進まないな。クレープってそんなに作るのに時間がかかるものだっけ?
だいたい通算1時間ほど待ってようやく店内に入ることが出来た。
そしてレジにあたるところで注文をするみからメニューを見てるけど……なんかその中で一つだけ頭一つ抜けたやつがある。ほんとにジャンボパフェクレープって一体なんなんだよ……
まぁいい、さてネロはなに頼むか決めたのかな?
「ネロなに頼む?」
「私これにします!」
ネロに聞くとそう言ってあのジャンボパフェクレープを指さした。
「・・・あ、僕はこのチョコバナナをお願いします」
食べ切れるのかな?ジャンボパフェクレープって字面がすごい量ですよってアピールしてきてるレベルだと思うんだ?
頼んで出てきたクレープのサイズは僕の方は片手で持ち歩けるサイズだけどネロのは━━━━
「こちらがジャンボパフェクレェプになります!持ち歩く時はお気をつけて〜」
店員さんが両手で抱えて持ってきたそれはネロの顔より断然大きい。肘から指先までの長さとだいたい同じサイズなんだけど……
「わっ、えっあっ?!」
「ちょっ、危なっ!」
そもそも持ててないんだが?!今も重すぎて落としそうになってるし。
「とりあえずそれ僕が持つからネロはこれ持ってて」
ネロのクレープと自分のを交換、とりあえずゆっくり食べられるところに着くまでこのままでいよう。
「ネロ、とりあえずこれは僕が持っておくからゆっくり食べられそうなところ行こ」
「はい、お願いします」
2人で街中を歩いて休憩場所を探しているとお菓子屋さんが目にとまった。この店、なんかどこかで見たことあるようなのを売ってるんだけど……コッコ饅頭って……見た目ニワトリだけどこれあれじゃん。お土産じゃん。
はー、うん。ガラスの出来でも地球人が関係してる?って思ったけどこれで確信したわ。転生者か転移者か分からないけど地球の、それも日本出身の奴がこの世界には複数いる。
結局コッコ饅頭は1箱8個入りのやつを2箱買ってまた街を歩いていると広場に着いた。うん、人も少ないしここならあれを食べるのに良さそうかな?
「じゃあネロ、はいこれ」
チョコバナナを受け取ってネロのクレープを渡した。食べてみると味は少し甘みが少ないけどだいたい地球のクレープと同じような味がする。思いのほか美味しかった。
さてネロはちゃんと食べれてるかな━━━━━━
真緒くんはヤンデレの素質あり?




