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Elements  作者: まそほ
青く光る死神編
60/81

偏狭な村ハーミ

ハーミ。

人々は静かに、俯いていた。

「そう。君たちは、裏切り行為をしたも同然…信頼によって成り立つのが我らのギルド!我らへの依頼は、困ってしまってどうにもならない人からの頼みの綱!それを悪用し騙そうなど、凡愚の極み!」

そんな人々が耳を傾けているのは、一人の少女の話だった。

金色ツインテールの幼い少女。

「今回は許されたとはいえ、このようなことはいただけないマグ!」

マグナは、周りを見回してため息をつく。

(あーなんでマグナがこんなことしないといけないマグ)

「…これ以上話すことはないマグ。勝手に自省してろマグ」

そう吐き捨てて、森の中へと走り去っていった。



「トールは?」

「連絡はしておいた。まあ、大丈夫だろう」

帰りの列車の中。マグナに報告もろもろを任せたということを話し、ハーミには戻らずそのまま列車に乗り込んだ。

みんなワイワイと、元素しかいない車両の中で楽しそうに話している。


「Elementsの番はどうしているのかしら?」

チエのほっぺたをぷにぷにしながらエヌーゼは訊ねた。「やめて」

「フララさんたちに任せているのでございます」

「…大丈夫なのか?」

チエは冷たい一撃を放った。どこかで直感使いがあたりを見回した。…いや、Elementsで。ちゃんとお仕事している。

「今はベレーさんやユキエさんもいますし、恐らく大丈夫マグ」

あとから合流したマグナも、座席でゆったりくつろいでいる。


「大体何であたしが魔術を使えるかっていう話なのよねー、あんまり強くないし」

「うーん…あなたはもう少し強力な魔術が使えると思うけれども…」

腕を組み、何気なく呟いたスイジーの言葉に、エインは勢いよく食いつく。

「そそそそれ本当に言ってるの!?」

「え、あ、本当…」

その勢いにたじろぐ。

「…えっと、その…魔術は割とこじつけでもいいの。…つまり、銀の聖性を利用する」

「銀の、聖性?」

「銀というのは、錬金術では月と結び付けられる。他にも毒避け…つまり、邪悪なものを退けるとか…そういった感じ」

「ほへえ…」

「…やっぱり、弾丸とか…かな」

「魔術弾?聞いたことはあるけど」

「そう。…できるだけ上手にこじつけた方がいい。色々な本で銀の聖性は取り上げられているけれど、弾丸が最も多い…から。私が読んだことのあるものの中では、だけど…」

「へーえ、なるほど。ちょっと頑張ってみるわ!ありがとうねスイジー!」

「ど…どう、いたしまして…。あと、その…心が大事だから…、歌に載せるように、魔術にも…」

「オッケー、ハートを載せるのね!」

やったね!お話出来たよ!

そして、そんな二人の反対側の席には、エルシーとフィーミャ。

「…あらあなた、何だか嬉しそうねぇ♡」

「いえ別に」

「本当ぉ?」

「別に」

「あらあら」

「…」

「…ごめんなさい」

…君子ではないが、危うきには近寄らないでおこう。


「へー、放射能を制御できるんだしー」

「そうよ。古より伝わるご都合主義っていう力なのよ」

ルーニが自慢げに言う。

そう、それは最強の秘術。え、秘められてない?気にするな!

「そのお陰で、私たちの力さえあれば原子力発電所の安全な運用も夢じゃないということです」

「なるほどねえ。それは確かに凄い力だわ」


「いやでも、君が本気を出したらきっと恒星生まれるよね」

ケロリとすごい事を言い出すメアリー。

「頑張れば、多分生まれるよ〜」

ちょっとスィエたんまでケロリとすごい事言わないの。怒られる。…誰に?

「ほんと手加減ありがとうございました」

装甲で軽減されたとはいえ、耐えたタルテもタルテだが。

「そ、それでも…生身の女の子にぶつける火力じゃないような気が…」

女の子に優しい(自称)ユリお姉さんはもはや苦笑いしかできない。


「つ、角だ」

「付け角だよー」

キュオルは、シエフの羊のような角に興味を示している。

「夢や眠りといえば…羊って事だね」

「ねるとき、ひつじをかぞえなきゃだから?」

必ずしも義務ではないのだが…、シンシャが吹き込んだのだろう。数えているところが可愛らしいという理由だろうか。

「そう、よく覚えていたね。偉い偉い」

「おねーちゃんがまいばんかぞえてたから!パルチ、いっつもかぞえてるよ!」

(お前が数えてたのか)

それにしても、それをまねっこする妹のなんと素直なことか。

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