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Elements  作者: まそほ
青く光る死神編
59/81

愉快なアクチノイドでやっぱり大盛況

全員じゃないですけどね。

大穴の天井は、外へと繋がっている。

穴に通じている通路の中でもそこを開けると、青く綺麗な空と草の海が広がっていた。

草の上に座っているのは、オウカ、ルーニ、スイジー、そしてフィーミャとシエフ。

「つまり、私たちは騙されていたということ?」

オウカは、それほど驚きはしなかった。

もともと、何となくだが、ハーミの人々には良い印象を持っていなかった。自分たちを見る目が、どこか軽蔑の眼差しに見えなくもなかったのだ。

「…ごめんなさいね」

突然押し掛けては危険分子だと言い放った。なんと失礼な事をしてしまったと反省している。

「いーのよいーのよ!あなたは、困っている人のためにと行動したんだから」

ルーニは、ちゃんと話せばとても気さくで親しみやすかった。誤解が解けたあとは明るく話してくれている。

「それで、その…そちらの方々は?」

二人くらい、知らない顔が見える。

「あ、えっと、右から、フィーミャ、シエフ。フェルミウム、カリホルニウムよ」

「…えっと、スイジーとはどういう繋がりで」

最も気になることを聞いてみる。

「あーそれは」

「会ったことがあるのよお」

「え、フィーミャ、何で遮」

「そうなんだよ。他にも、エルシー、エイン、キュオルとも会ったことがある」

「その三人もいるのー!?」

二度も言葉を遮られたことも忘れてルーニが目を輝かせていると、おーい、と声が聞こえてきた。

「あっ…!」

スイジーの目が輝くのがわかる。そして、それで誰が来たのかもわかる。

「連れてきましたよ」

エルシーと一緒に歩いてきたのは、チエ、エヌーゼ、シンシャ。

「あーっと、アクチニウムのシンシャだ。話は聞いている」

眼鏡をクイッとご挨拶。

「まあルーニ」

「ひっ」

「お久しぶりですね」

ルーニが非常に怯えている。

「エルシー…ルーニに何かしたの?」

スイジーにジト目で見つめられる。

いいなぁ。作者羨ましいなぁ…。って寒い誰ですか絶対零度放ってるのはぁー。

「…いいえ何も」

((原因はあなたなんですよねー))

しかしまあ、スイジーはそんな二人の心の声を知る由もない。

「あっ、いたいたー。お待たせー!」

今度はエインの声が聞こえる。

傍らのパルチが何かに気が付くと、エインの服の裾を引っ張って何かを訴える。

身を屈めたエインに何かを告げると、エインはポンポンと頭を撫でて頷く。

パルチは、こちらに走ってくる。エインたちは、その後ろをゆっくり歩いてくる。

「おねーちゃん!」

「パルチ!」

パルチが飛びついたのは、シンシャ。

「あんたがパルチのお姉さんね」

「…ああ。この子はプロトアクチニウム…。すまない、パルチが世話になった」

エインは、構わないわと言う風にクスリと笑う。

「あんた、いい妹を持ったわねえ」

シンシャは、一瞬驚いた顔をしたが、すぐに照れくさそうに笑う。

「…そうだろう、自慢の妹だ」

…そこのKY、プロトアクチニウムが姉じゃないのかと突っ込むなかれ。シンシャはそんなこと知っている。

『私は君から産まれたようだ』。

これは、本当にそっくりそのままの意味だったのだ。

「おー、みんないるしー」

「わー、いっぱいだ!」

「あら二人とも、怪我は…」

二人は怪我をしていない。しかし、もう一人、銀髪少女の姿が目に入る。

「うん、空気が綺麗だ」

「タルテえぇぇぇ!?」

シエフが絶叫する。

「ルーニ!」

また四人、合流する。

「ヤパ!」

ルーニはヤパに駆け寄ると、ぎゅっと抱きつく。

「怪我してなさそうね、良かったわ」

「ええ、ルーニも…良かったです」

元素は世界平均的に見れば高い戦闘能力を持つ。その為、先手を打つ、などといったことをするのは稀だ。それもあってか、怪我人は…。

「…ごめんね」

「構わんよ…」

タルテだけである。

「そう言えば、アクチノイドじゃないのは一人だけだしー?」

「あー、それはね。タルテはここら辺をさまよってて、あたしらが拾ったの」

「そうなんです」

抱き締めあったままこちらを向く二人。いぇすふぉーりんらう゛。

「ちょうど元素狩りが激化してた時期でね、偶然トールに拾ってもらわなければ…あれ、ところでトールは?」

「トールなら確か、南の方に遊びに行ってるよ」

アバウトな説明である。

「…あ、トールってのはトリウムよ。その名の通り…って、これで通じるのってヤパとかスイジーあたりだけか。…別の世界にね、北欧神話ってのがあるのよ。そこの雷神さんよ」

「そうなんだー!」

既に、一度神様に合っているスィエルたちは、ルーにの説明を聞いてもびっくり大仰天までとはいかなかった。

しかし、やはり神様ということには少し驚いている。

「あれ、ところで、これで全員揃ってんの?」

「あ、待ってください」

エルシーが立ち上がる。

「多分、もうすぐ…あ、来ました!」

皆はエルシーの見ている方向に人影を見つけると、目を凝らして見つめる。

「あ」

「れ」

「は」

「ま」

「さ」

「か」

エイン、キュオル、ルーニ、ヤパ、フィーミャ、シエフが、打ち合わせをしたかのような驚き方をする。

草原を悠々と歩くラスボス。

スイジーは、立ち上がって手を振る。

「…フェルニー!」

「…」

「…」

「…」

「…」

ルーニ、ヤパ、フィーミャ、シエフが青ざめている。

その様子を見て、エルシーも苦笑いしかできない。

「無事だったのね…!」

そんな中でも無邪気、それがスイジー様なのだ。

「…あ、えっと、ごめんなさい。私…川のこと知っていたのに黙っていて…」

「いいえ。スイジーが明るいお顔をなさっているので、わたくしはそれで十分です」

スイジーに向けられた笑みは、いつもより優しい気がした。贔屓だ贔屓。許す。

そして、そのまま首を左に向ける。

「…あら、四人。ご機嫌よう?」

「「「「ご機嫌よう!」」」」

運動部の機械的な挨拶のように、声を揃えて言葉を発する。

「えっと?」

「どういう状況…?随分賑やかねぇ」

やって来たのは、フェルニーだけではなかった。

「メアリーにユリ。実はかくしかこれうまめんでれーえふで」

「…あら、まあまあ。そうだったの」

赤髪の少女-ユリは、スカートをつまみ上げて恭しく礼をする。

「キュリウムのユリです」

「いい、ユリ…彼女たちに手を出したら5回以上は殺されるからな?…フェルニーさんに」

シエフがユリにそっと告げる。さあっと血の気が引いていくのがよく分かった。

「…わかりました」

「あ、あたしだね。あたしはアメリシウムのメアリー!よろしく頼むよー」

キラっと星のエフェクトがつきそうなポーズで自己紹介する。

「で…その、私、あなた達の複雑な関係図がよくわからないのだけど」

「そんな複雑じゃないさ、会ったことがあるってだけよ」

オウカの問いに明確な回答を与えるものは誰も居なかった。

複雑な事件に巻きこまれたから…それを語ることは、自然と禁じられていた。

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