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Elements  作者: まそほ
青く光る死神編
55/81

たたかう必要なんて無い

生も死も無い元素ちゃんたちだからこそ、そう思えるのかも?

「やっぱり、無くなった」

不意に口を開く。

「え?」

「ここに入ってから、あの視線のようなものが無くなった」

こちらはエルシーとスイジー。既にいくつか部屋を見て回ったが、何かの機械が置いてあるだけで詳しいことはよく分からなかった。二人とも、機械に関する知識はあまりないのである。

ようやく機械のない部屋を見つけたとおもったら、何も無い部屋だった。

「…私の、被害妄想かもしれないけれど」

「仕方ないですね、聞いてあげますから早く」

「憎悪の思念…、ハーミに渦巻く強い憎しみ。…私か、あるいは私たち全員に向けられた感情なのかもしれない」

私、と言ったのは、個人のことを指しているのではない。元素のことだ。

つまり、水銀。

「だとすると。やはり私たちを向かわせるよう仕向けたのかもしれませんね。ここに何かがあって、…陥れるために」

「列車に乗った時から付けられていて…ちょうど到着したところを襲われたのは、ずっと監視されていたから?」

「あの黒装束も、変な信者とかでも何でもなく、用意されただけでしょうね…奴らによって」

黒装束の人数はそこそこいた。しかし、この中では一人として出会わない。そもそもとして、そのような集団は居ないのかもしれない。

「スィエルやエインは特に何もなさそうだったし、もしかすると私だけ…、…?」

急にスイジーが辺りを見回す。

「どうかしました?」

「魔術…何かの術式がっ…きゃあ!」

「わっ!!」

言い終わらないうちに、そこにあったはずの床が無くなる。

思考がまともに働くまで、数秒かかった。

「っ…!」

エルシーはスイジーをしっかり抱きとめ、空中に浮かぶ。

「…ここは」

上を見上げると、先程の部屋が見える。その下。今いる所は、広い空間。

「あらあらぁ?」

そして、二つの人影を捉える。

「面白いお客様が落ちてきたじゃないのぉ♡」

奇抜な桃色のツーサイドアップの少女。

「夢のような偶然だね」

羊を擬人化したような少女。

エルシーは地面に降り立ち、スイジーを降ろす。

二人の姿に、見覚えがあった。

「まさかあなた達に会うだなんて…、あとスイジーもう地面に足ついてます落ちてません」

「…はっ!」

「で、どうしてあなた達がここにいるのかしらぁ」

「…なるほど」

「はっきりしましたね、奴らが私たちをここに向かわせた理由。…とりあえずフェルニーに連絡するので二人に事情話しといてください」

「えっ、私が!?」

いともたやすく行われるえげつない行為とはこのことである。

果たしてスイジーはどうするのか!?

「…」

「…」

「…」

重たい沈黙が流れています…。さあ、どう出る?

「えっと、ご機嫌麗しゅうございます」

おーっと、お上品な挨拶だ!お優雅お優雅ぁ!

「ご機嫌麗しゅうございます♡」

「ご機嫌麗しゅうございます」

フレンドリーに返してくれた!

「その、えっと、フィーミャとシエフ…?」

なんと、二人の名前を知っていたスイジー!どうやら知り合いのようだ。しかし合っているのか!?

「フィーミャです♡」

「そう、シエフだよ。覚えていてくれたんだね」

合っていたーっ!お見事です!

「あの…その、とりあえず、敵意はない」

大事ですからねえ、そこ。性格上無駄な争いは避けたいんでしょう。

「そう♡」

「了解した」

相手も了承しました、良かったですね。

「えっと、私たちはハーミの方々から依頼を受けて来たの…一応」

「ハーミの奴らからぁ?」

「む、それはどんな依頼だい?」

「それが…」

緊張が走ります…。

「…なんでも、ここにいる人たちが村を襲おうとしているだとか…。でもあなた達を見て安心した…。やはり嘘だったのね」

「まあ!信頼してくださってたのねぇ?」

「なんだか、嬉しいな…」

無条件の信頼…果たしてそれが裏切られることはないのだろうか…?二人の返答に注目です。

「もちろん、私たちはハーミの連中を襲おうだなんて考えたことないわぁ」

「ノー眼中ってやつだね。興味ない」

裏切られなかったー!良かったねスイジー!

…おっと、皆さん。この子達がどういう関係か、ですね?え、聞いてない?

…あーじゃあ聞いてるってことで。

それはまた、今度のお話なのでございます…。

え、やめて何をするやめ

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