今日もギルドは大盛況
依頼がいっぱいっていうのはちょっと大変なことなんですけどね。
「あー、疲れた」
「疲れたしー」
列車に揺られる、スィエルとシータス。
たった今、仕事を終わらせてきたばかりである。
「馬車の護衛って寒いんだね」
「自分の来ている服を見てみろしー」
「ずっと同じ体勢でいないとだから大変」
「お前割りと自由に動いてたしー」
「帰りは自力だし」
「それはいつもだしー」
「すやぁ」
「もうすぐ着くし寝るなしー」
気の抜けた声が、空席が目立つ列車内に響いている。
そのまま二人がだらんとしていると、次の駅が近付いているとアナウンスが流れた。
「すやぁ」
「置いてくしー」
「やだ!!起きる!!」
列車はビアンカの駅で止まり、二人は降りていく。
駅を出ると、商店街だ。
ふと、人混みの中に見知った顔を見つけた。
あの銀の髪と輝きたいオーラは忘れたくても忘れられない。
あちらも気付いたようで、手を振って駆け寄ってくる。
「二人とも!やっと来たわね!」
「どうしたの、エイン」
ミデレーリア帰りのエインである。ちなみに一緒に帰ってきたスイジーはエルシーに回収されていった。
エインはビシッと人差し指を伸ばして二人の前に突きつける。
「緊急招集よ!あんたたちも連れてくるように言われたの!」
「おお来たか、待っていたぞ」
会議室の扉をノックすると、キュオルが出迎えてくれた。
「おかえりなさいませ、スィエルさん、シータスさん。依頼主から報告は受けているのでございます」
部屋の中を見回すと、どうやら他にも呼ばれている元素は大勢いるようだ。
「急に何があったしー」
「…さて、皆さん揃いましたのでご説明いたします」
険しい顔つきで、フェルニーは話し始める。
「緊急の依頼とのこと。場所はハーミ近くの森の中。ハーミの方々より、近くで怪しい動きをしている奴がいるという情報が入っております。これは前にもあった事で、その時は何者かもわからない集団によりハーミは壊滅状態になったそうで、今回も同一集団ではないかと考えておられるそうです」
ハーミ。ビアンカを海沿いに南へ行った辺りにある、辺境の里。
「キュオル、エイン、スィエル、シータス、オウカ、チエ、エヌーゼ、あと…エルシー達」
「「どうして私達一括りなの(ですか)?」」
エルシーとスイジーは素早く抗議する。
「…」
フェルニーは沈黙する。そしてやっと口を開いたかと思うと、
「それでは皆様、準備が出来しだい出発なさってください」
「「間を空けておいて無視するな!」」
「い い か ら ど う ぞ ご 準 備 を ?」
「ひい!」
物凄い圧に負け、その場にいた全員はほとんど逃げるように部屋をあとにした。
「…ふふ、この私をそう簡単に欺けると思いまして?」
パタンとファイルを閉じる。それは、昔の書類。
目を光らせながら、少女はにやりと笑った。




