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Elements  作者: まそほ
序っていうのはどこの小説にもあるんだよ。
3/81

美しい元素には毒がある

絹のように滑らかな、ウェーブがかった白い髪。洗いたての陶器のように、白い肌。力を込めれば折れそうな桃の枝のように、華奢な身体。洞窟の奥の泉のような、無垢な瞳。

魅せられぬ者はほとんどいないであろう、見目麗しゅうお嬢様。

そんなわけなので。

「お茶だけでも、ね?」

「そ、その…けっ、け…結構、です…」

銀のように澄み渡った声で答える。

絶賛ナンパされ中である。

「そんなこと言わずにさ~」

引き下がらない、しつこい男。嫌われるよ。

しかし、美しい金属には毒がある。

「…うぅ」

「ちぇいやー!」

涙目になっていた少女の後ろから、何かが飛んでくる。

毒ではなさそうだ。

「うちのスイジーに何してんのよ、某ハロゲンに殺されるぞ!」

銀髪ポニーテールの小柄な少女。青銀の瞳で、吹っ飛ばされて倒れたモブ男を見下ろす。

彼女はエイン、銀である。

そして、スイジーもまた元素であり、水銀。

「………あの、エイン。気絶…しちゃったみたい」

「え、嘘ぉー!ドロップキックは強すぎたかー」

てへぺろっ★と、明らかに故意であることを全面に押し出す。

「それは置いといて、スイジー!」

「ひゃいっ…!」

スイジーよりも少し背丈の低いエインは、ずいっと詰め寄って見上げる。

「あんたももう少しはっきり言うこと!ダメそうなら殴る!」

「…はい」

「で?こんな一通りの少ない住宅街で何やってたの?」

「…ひ、人の少ない道からElementsに行こうと」

「ふーん…じゃあいいわ」

エインは、しょんぼりするスイジーを引っ張って歩き出す。

「仕方ない、心の広いこのあたしが一緒に行ってあげるわ!」

得意げに言いながら、ウィンク。

カラフルな家の間を歩いていく。

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