これがエクストラ道中ってやつですかー
そーなのかー
「ひぇえええええええう!!!!」
「はしれえええぇぇぇえ!!!!!」
絶叫が通路を埋め尽くす。
というのも、少し進むと、なんと後ろから矢やら光線やらがこちらを追いかけてきたのだ。
その数が尋常じゃない。
「素数を数えよう!いちにいさんご!」
「1は素数じゃないしー!」
「だいたい何故この状況で数える!?」
「こいつはそんな奴さー!」
「なるほど、追っかけがキツいというのも大変なのですね!!さすがアイドル!!!偶像!!」
「間違ってないけどていうか大正解だけど偶像とか叫ぶなアイドルが泣く!!あと追っかけとは割と違う気がする!!」
「こいつはそんな奴さあー!!!」
「最近の口癖なのそれ!?」
高速ダッシュ、早口でのんびり会話を繰り広げる。
元素って…器用。
「たいちょー!上から岩が落ちてくるでありますしー!」
「避けろぉぉぉぉ!!!!」
軽い身のこなしで、ぴょこぴょこと、どこから来たかもわからない岩を避ける。
「これ…帰れるの!?」
「海に穴を開けよう!!!!!」
「海王が怒るぞ!!」
「なるほどー!!それは名案だぞー!!!」
「はい海王様の許可いただきましたー!」
「ええ…いいのかよ」
「たいちょー!今度は前から蛇がー!」
広いところに出ると、一旦矢などのトラップは停止した。しかし、先への道は大蛇によって塞がれていた。
噛み付こうと寄ってくる大蛇に、チエは無表情で冷気を吹き付ける。
すると、なんとも呆気なく倒れてしまう。
「アブソリュートゼロってやつだなー」
「変温動物だからな、仕方ないな」
「チエあなた憑かれてるのよ」
「何か違う気がするけど文字だか……デジャヴだしー!」
「ふう…ちょっと休憩しまし」
「たいちょー!早く行かないと、今度は壁が崩れてくよー!」
「さっきから気になってるけど隊長って誰なの」
「知りません!行きましょう!潰される!!!」
「うおおおおおおお!!!!」
再び全力疾走。休みなど与えてくれないようだ。
次の通路は、下り坂だった。
「あっ…ああ…走らなきゃ行けない気がします…」
「んえ?」
ホウコの予感は的中する。後ろからガコンという音がした。
丸い岩だ。
「にげろおおおおおおおお!!!!!!」
「うわあああああああああぁ!?」
おそらく螺旋状になっている坂道を、ぐるぐる下っていく。
壁がところどころでこぼこしていて、岩が減速するのが救いだった。
「な、なんだってこんな仕掛けがあるしー!!!」
「き、鬼畜すぎぃぃいい!!!!」
「休息をくれないだなんて、本当にブラックな遺跡よね!!」
「最後の良心、岩肌ですね!!!」
「岩肌…お前、良い奴だったよ…」
「字面だけ見ると現実世界に居そうですけど会話だか…デジャヴ!!!」
「乱用しすぎだよ!!」
焦ってるからね。仕方ないんだね。
ゲームをやる我々と同じなんだよ。
「あっ、でっかい水溜まり!うぃず開けた場所!!!」
「勝利だ!脇に逸れろ!!」
「…ん?」
「やったしー…誰一人として欠かさず…」
「あのさ、これって岩だよね」
「うっ、感極まってしまいます」
「そしたらさ…」
「泣くな!まだ泣くな!戦いは終わっていないよ!」
「あの、感動してるとこ悪いけど」
「そうだぞー、皆で帰るんだぞー」
「……壊せばよくない?」
全員がその場に立ち尽くす。時空が静止する。
…あ、べつに作者も今まで壊すという発想がなかったなんてことは断じてありません。今思いついたとかそのような事は一切ありません。
「…壊そうか、シータス」
「了解たいちょーだしー!」
シータスが向かってくる岩にドロップキックを喰らわす。
炭素の力で強化された足に痛みはない。
岩だけが、木っ端微塵に砕け散る。
「隊長ってチエだったのね」
「たいちょー!たいちょー!ターゲットクリアだしー!」
「…まあ、うん。じゃあ進もうか」
「さーいぇっさー!」
しかし、先へ進む道は、見たところ見つからない。
「あるえー…?」
「まさか、でっかい水溜まりを割れっていうの…?」
「湖でいいだろ。あと割るな」
そんなやり取りをしていると、どこからか地響きがする。
警戒していると、地響きはさらに大きくなり、そして、湖の底から四角い石が姿を現した。
「…えっと」
「どうやら橋のようだが…」
「先が見えにくいしー」
「まあでも、ここしか道はないのだから進みましょう。最悪洞窟に穴を開けるわ」
「おいおい怒られるぞ王国に」
「元素は人権ないから裁かれないもーん!」
「…涙拭けよ」
「うぇぶ、ひっくひっく」
橋の上に乗っかってみる。沈んだり矢が飛んできたりということはなさそうだ。
しかし、気を抜かずに慎重確実に進んでいく。




