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Elements  作者: まそほ
希之女神編
20/81

そんな事したら海王様に怒られるんじゃ…

山の隙間から、太陽が顔を覗かせる頃。

船着場には五つの影があった。

「調査するぞー!」

「朝早くから元気ね…」

元素5人組は、まさに今海底洞窟の調査に出かけようとしている。

「お嬢ちゃんたち、準備はOKだぜ!」

小型船に乗った男が手を振る。

5人は船に乗る。途中までは船で行き、潜る時には…驚きの方法を使う予定だ。

「それじゃあ出発すんぜ!」

エンジンが動き出し、飛沫をあげながら船は進んでいく…。



「最近ここら辺は人が多いなー」

海のど真ん中に、ぶかぷか浮かんでいる少女がいた。

彼女が身につけているものと言えば、小さなクラウンとビキニ、そして浮き輪だけである。

浮き輪の上に仰向けになって身を預け、空を仰いでいる。

青緑のツーサイドアップの髪はふんわりと広がり、濡れた白い肌は朝日に照らされ輝いているように見える。

「何か事件でもあったのかー…?」

大して興味もなさそうに呟く。

実際、どうでもいいのだ。自分に危害がないのなら。

「…」

しかし、今回ばかりは事情が違いそうだ。

「…あの船」

指を鳴らすと、浮き輪は貝のボートに姿を変えた。

少女はその上にまたがり、目標を目指す。



「今日はよく晴れてますねえ…」

ホウコは空を見上げながら、のんびりと言う。

「こういう時こそ、何かしら起こるかもしれないしー」

「縁起でもないこと言うんじゃありません!めっ!」

スィエルの切れのいいチョップがシータスに命中する。

「ほらほら、あんまりはっちゃけ過ぎないの。落ちちゃっても知らないわよ」

良かった、オウカはまだまともだった。チエはほっと一息つく。

「もし落ちて、サメに会ったら殴る。シャチに会ったら殴る。とりあえず殴るのよ」

…まだまともだ。きっと他と比べると。

「で、結局どこまで行くわけ?」

「んー、船長さん、あとどれ位かわかります?」

「そうだな…もう少しだ」

船で途中までは行く…と書いたが、その理由を説明しよう。

単純に、海底洞窟が見つかったあたりは何故か風が強く波も荒いからだ。その理由も調査中らしい。何故かっていう魔法の言葉。

チエは、ずっと手に持っていたあるものを耳に取り付ける。

ケイが作ってくれた、通信機である。

スイッチを入れると、ある場所に繋がる。

「誘導は頼むぞ」

『了解致しました』

小型通信機から聞こえるのは、フェルニーの声。

「そろそろだな…ここら辺で船を止めるぜ」

船があげる飛沫はどんどん小さくなる。

やがて船は完全に停止する。

「フェルニー、よろしく」

『そこから…南西、ちょうど7時の方向でございます。距離は1,4kmほど』

「OK、任せて!」

スィエルは元気よく立ち上がる。目が輝いており、とても活き活きしている。

「…本当にやるのか」

「え?そうだよ?」

けろりとした顔で振り向くスィエル。

「じゃあ、行きまーす。ぱっかーん!!」

その擬音通りに、海が割れた。

割れたのだ。

モーゼ(物理?)である。

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