○○○○さんは見てる
( (≪●≫) )Д( (≪●≫) )
見てる
「あ、あっちに開けた場所がありそうよ」
木々の隙間にできた細い道を歩き続けていると、エインが突然言った。
「…川」
耳を澄ますと、水が流れるような音がする。
深呼吸をしてから、スイジーはそちらへと向かう。
足元に気をつけながら、少し下り坂になっている道を進む。やがて地面には小石が散らばり、さらに進むと小石で満たされた。
水は穏やかで、そこまで深くはなさそうだ。
しかし念の為警戒して、あまり近づかないでおく。
「上流の方まで見えるわねー」
そんなスイジーを気にすること無く、エインは川辺に寄る。
「あ」
いきなり声を上げたかと思うと、ガバッとこちらに振り返って
「橋みたいのが見えるわ!」
「橋?」
「そ。あんた、水には入れないでしょ?」
「…そ、それ、は」
確かにその通りだ。しかし、そのようなことをエインに告げたことは一度ももないはずだ。どうして知っているのかと少し困惑する。
(入れたらぶちのめすって言われてるから…)
エインが誰かに、脅される勢いで言われているなど想像もせず。
「まああたしも濡れたくないし、川辺に沿っていきましょ」
「…ええ」
川の中には、小さな魚が泳いでいる。
この川が生きている何よりの証拠であり、そしてそれを侵してはならないということを訴えかけられているように感じた。
元素は、死なない。自然が全て滅ぼうと、生命が全て絶えようと、死ぬ事は出来ない。そう、生きてなどいないから。
だからこそ、今ある美しき生を無闇に脅かしてはならないのだ。
「階段だわ、あそこから上がれそう」
橋の横には、恐らくこの川辺へ降りるためであろう石の階段がある。
綺麗に整えられた階段を登り、橋の向こうに目を向ける。
するとそこには、
「…あ」
目的地へと着いたことを示す光景が広がっていた。




