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神界で 2

「なんだこれりゃぁぁぁぁああ!!!」


「うるさぁぁぁぁぁぁい!!!」


「ぎゃああああぁぁぁ!!!」


いつの間にか考え事が終わっていた神に耳元で叫ばれた。耳がジンジンする。あぁ、痛い。そのせいで何か大事なことを忘れてしまった気がする。


「いきなりなにすんだよ!」


俺は耳を押さえながら文句を言う。


「神が考え事をし終わった瞬間に叫ぶからだ!」


「あっ、そういやあんた神だったな。」


「ムッキィィィーーー!!!」


いや普通、猫ならニャァァァァアア!!とかだろ。それは猿だよ。だから人間は言うんだから。


「我は猫ではないわ!!」


「はいはい。わかってますよ。……?え?」


俺、さっき話したっけ?


「話してないぞ。」


「は?じゃ、じゃあなんでわかんだよ。」


「お主ならわかると思うがな。」


神がニヤニヤ笑ってくる。うざい。


ま、まさか…あれか。小説でおなじみの心を読むあれか! なんかムカつく!


「なんでだよ!さっきまでできてなかっただろ!」


「さっきお主の全ての記憶を見てな、何故か最後のシーンだけ見れなかったが…,それでもお主が考えてることぐらいお見通しだ!」


神がコ○ンみたいにこっちに指を指す。


「うっ、き、記憶を見ただけで俺の気持ちが分かるわけないだろ!」


声が震えそうだったから語尾を強めに言う。


「ふっふっふっ、そこはほれ我は神様だからかのぉー!」


化け猫のニヤニヤ度が大幅にアップ!

中川の怒りが頂点を突破!!しかしあーんなことやこーんなことをしたことを思い出し羞恥心が込み上げる。怒りは羞恥心に潰された。その事とは男なら誰でも分かる事だ。まぁ、想像にお任せしよう。 一応言っておくが中川はノーマルである。



「そ、そんな事よりなんで俺はここにいるんだ。」


この事はさっき言われたのだが、なんでもいいので話を変えたかったのだ。しかし、それは意外にも効果はあったようで…


「あ…。こ、こんな事している場合では無かったわ!速く準備をしろ!つい癖で遊んでもうた。」


「大丈夫かよ…この神様…。」


「もう一度確認するぞ。これからお前を異世界に送る。いきなり人街に送ると騒ぎが起こるからちょっと離れた場所に送るぞ。質問はあるか!」


「お、おう。じゃあ、なんで俺なんだ?」


いきなりの急展開に引き気味になったがずっと気になっていたことを聞く。

そうなのだ。ずっと気になっていたのだ。なぜ俺が異世界転生するのか分からなかった。別に他の人でも良かったはずだと、妹すら守り抜けない俺がどうしてまた生をいただくのか、それなら別の人の方がいいはずだ、と。


神界ではいるだけである程度の心は自然と開ける。だからいつもは冷静な中川も明るく振る舞えたのだろう。しかし、ある程度であって全てではない。中川は俺が転生するんだと悟ってから不安で頭の隅でこのことをずっと考えていた。

そして今その答えを教えてもらう時が来た。

その答えは…


「お主は今日、猫を助けただろ。そのお返しだ。

それだな…。あと、強いて言うなら、お主は世界を救うからじゃな。」


「え?最後なんてーーー」


次の瞬間、俺を中心に複雑そうな文字が書いてある円が現れる。いわゆる魔法陣だ。


ピカッ!


魔法陣の光が中川を包み込む。中川はおどろいて自分の体を見る。自分の体はいつもどうりの熊のような、でも一応()()原型を保っており、光っていた。それはもう神々しく。

中川は聞き直す前に惜しくも闇に落ちてしまった。

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