地球との別れ
下手くそかもしれませんが、どうぞ最後までお付き合いください。
、俺の名前は、中川 芯強だ。
俺は自分をクソの一歩手前にいると思っている。
尊敬する親父には、クソ以下にはなるなと言われている。それは生きる屍だからだと。
……そして今、俺は目の前にいるクソをどう殺そうか考えてるところだ。
時は数時間前に戻る。
俺は妹の中川 怜子と学校から帰るところだ。今は妹を待っている。あっ、俺は中学三年生で、妹は今年から入学してきた一年生だ。妹は頭の回転が良く、知的であり、友達からの信頼も厚い。また、みんなはあまり知らないがとても小さな事でもすぐ気配りのできる俺の妹とは思えない素晴らしい人間だ。あと、凄く可愛らしい。男からは、まぁ察してくれ。それに比べて俺は…髪は中央部分の髪を長くして、中央からサイドに向かって滑らかに髪を被せる。いわゆるソフトモヒカンってやつだ。それに、中学生なのに2m近くまである身長と、クマのようなゴツい体、恐ろしい顔、大きめの服、それに加えて頭は妹と比べて、クソ悪い。はぁ、改めて考えると駄目だなぁ。完全にヤンキーだ。
あ、またこっちを見ていた女の子が慌てて、顔を隠しながら逃げてった。はぁ、結構、胸にくるものがある。しくしく、泣いてなんかないからな!
「何してるの、お兄ちゃん。」
後ろから妹の声が聞こえた。
お、来たか。
声が聞こえた方に顔を向ける。
そこには満面の笑みを浮かべながらこっちを見ている妹の姿と、遠巻きにそれを眺めている男達の姿があった。
そんな男達を見て、ため息をつきながら振り向く。
全く…顔が全然締まってないじゃないか。
「別に何もしてないぞ。」
妹の方を向きそう言う。あれ?妹が不機嫌そうな顔で
こっちを見てる。
ん?どうした?
「お兄ちゃん、またこっち見ながらため息ついた。」
あぁ、そう言うことか。
「別にお前を見てやったんじゃねぇよ。」
「じゃあ、なんでよ?」
うーん、これ以上言うと男の威厳に関わる。それは可哀想だ。うん、誤魔化そう。妹なら分かってくれるだろう。
「なんでもいいだろ。行くぞ。」
あっ、そうそう。なんで妹と帰るんだ?と思った奴 、 言っておくが俺はシスコンじゃない。これは、妹の衛生守護だ。ここは田舎だ。だから、と言うわけでもないが警察が少ない。まぉ、いる(三人)が働かない。まぁ、クソだ。それに従って、ヤンキーなどの、要に言う悪人が沢山いるのだ。それに、妹は可愛い。それはもう喉から手が出るくらいに。つまり、妹はよく襲われるのだ。だから、俺が守っている。妹には過保護だって言われるが、心配なのだ。学校内は何故か学校の男子は襲わない。まあ、俺がいるからだと思うが。
俺は先に歩くと、妹は慌てて、隣に来る。妹が文句を言って来るが、無視だ。無視。
さて、我が家まであともう少しという所まで来たんだが、俺とした事が忘れ物をしてしまった。因みに金属バットだ。おいおいどこまでヤンキーなんだ、だって?違うぞ!
俺は今まで率先して悪事を働いた事はない。俺は野球部なんだ。顔が怖いだけだ。あと体と。まあ、確かに人を完治半年までの怪我をさせたことは何回かあるさ。だか、それは理由があってのことであり、楽しんで殴ってたわけではない。断じて無い。うん…無いよ?多分。
ま、まあ取り敢えず取りに行ってこよう。
「なぁ、ちょっと忘れ物しちまったから、ちょっとだけ行って来るわ。ちょっと待っといてくれ。」
「うーん、良いよ。ここで待っとくね。」
「すまんな。危ない奴が来たら逃げるんだぞ。」
「大丈夫だよ。全く、お兄ちゃんは心配し過ぎだよ。もっと信じてよ。」
妹があからさまに頬を膨らませ、プンプンと言う。
ちょっと可愛い。……。はっ!俺はシスコンじゃないからな!
「お、おう。じゃあ、行って来るわ。」
「うん。あとでね。」
なんか恥ずかしくてダッシュで行っちゃった。
ふぅ、学校に着いたぞ。
結局、学校まで走って来ちゃったよ。
ん?あいつなにしてんだ?あれ?あいつは、同じクラスの奴じゃねぇか。確か名前は島崎久美だったな。あいつは軽快で、活気に溢れるクラスのムードメーカーな奴だったな。あと、顔も可愛くスタイルも良い。勿論、よくモテる。なんで襲われねぇんだ?と聞かれると、分からないとしか答えられない。ちょっと不思議な子でもあるのだ。因みに生徒会長だ。
そんな奴がいったいずっと上ばっかり見てどうしたんだ?
首つるぞ?
久美の目線を追って見るとそこには全身金色に近い黄色で毛並みが気持ち良さそうな猫が木の上で震えていた。
あぁ、なるほど。あいつらしい。でもざっと、高さ5m以上はあるからなあいつにはとどかないだろう。たっく、手伝ってやるかぁ。あ、でも声をかけたら逃げられそうだ。猫にじゃなくて、島崎に。しくしく、自分で言ってても胸が痛いぜ。
こっそり木に登る。木登りは得意なのだ。
あ、島崎と目が合った。まぁ、こんな巨体、分からない方がおかしいが。あぁ、体を小さくしたい。島崎が驚いている。まぁ、いっか。さぁ、こっちおいで、猫ちゃん。
手を猫へ差し伸ばす。
「ニャー…」
猫がゆっくりこっちに来る。中々根性がある猫のようだ。
やがて、猫が俺のデカい手に収まる。俺は金色の猫を抱きしめて、そこから跳んで降りた。
「……」
「……」
うーん、気まずい。
「ほら、……。どうした?助けちゃダメだったか?」
「え⁈うん!あっ、違う違う。助けてあげて、ありがとう。じゃあ、また明日!」
「え?猫は…」
島崎は猫を受け取らずに行ってしまった。
むっちゃ速いな‼︎
やっぱ俺、怖がれているんだろうか。はぁ、今更か…。 おっと、こんなことしてる暇は無いんだった。はやく行かないと。
そう言いながら部室に向かって走る。
野球部の部室だ。
「アニキ、どうしたんですか?」
ランニングしている後輩達が挨拶してくる。なんでアニキなんだよ!って突っ込んだ奴。わかるよ。俺も分かんないから!多分俺がキャプテンだからだろうな。
「おう、バットをわすれてな。」
「そうですか。では。」
そう言いながらランニングに戻って行った。野球部の奴らだけ俺を慕ってくれるんだ。オラァ、嬉しいぞ!
部室は特に変わったとこが無い普通の部室だ。アルミニウム製(多分)の扉を開ける。
うん、綺麗だな。あ、あったあった、俺のバット 。
あ、因みに猫はもう逃している。よし、行くか。
俺はさっきと同じように走って行った。
ん?あいつ、どこいった?さっきの場所まで来たんだが…。おいおい、まさか襲わたんじゃないだろおな。
あり得る。たいへんあり得る。もう1年間も襲って来ないから、全員 諦めたんだろと思ってたのに…クソッ!言い訳してんじゃねぇよ!どこ行った!
周りを見渡す。
しかし、特に変わった所は……あった。あれは妹のカバンだろう。誘ってんのか。カバンが不自然な感じで立っている。まぁ、行ってやる。今回はいったい誰だ。
しばらく、カバンが置いてあった方にバットを持って走る。
ここだな。あぁ、全てを見える目が欲しい。それならもっと早く見つけれるのに。まぁ、そんなことはどうでもいい。ここは裏路地であり、クソの集合場所だ。怪しいな。俺は迷わずその裏路地に突っ走って行った。
いた。
俺は物陰に隠れる。人影は三つだ。真ん中にいんのは妹だ。
それにあれは、ポリ公たちじゃねぇか。堕ちるとこまで堕ちたか、あいつら。早く助けてやらねぇと。あれ?ポリ公たちは全員で三人だったはずだ。あと一人いねぇな。
ゾワ
全身が嫌な予感を察知した。その時にはもう体が咄嗟に物陰から右側に跳んでいた。
次の瞬間、
ドォン!
腹の奥まで響きそうな音と左腕に強い衝撃が走る。
「ぐあっ!」
衝撃で地面に顔から落ちる。
いてぇ。俺は落ち着いて、音の発生地に顔を向ける。そこには案の定、歪んだ笑みを浮かべるポリ公がいた。
もし、避けてなかったら心臓に刺さっていただろう。本気で殺しにきてる。
そう考えると恐怖で体が震えた。
「お兄ちゃん‼︎」
妹が悲壮な顔をしながら叫んだ。
「テメェに素晴らしい時間をプレゼントしてから、じっくりと殺してやる。クックック」
妹の右側にいるポリ公の一人が笑いながら言った。
「何をするつもりだ。…………。おい!何をしている!」
クズは笑みを浮かべながら妹にゆっくり銃口を向けた。
そして、
ドン!
あまりにも無慈悲で無機質な音があたりに響く。
「お、にい、ちゃ…ん、ごめん、ね。」
「ッッ!!!」
妹が静かに目を閉じる。
え???
う、嘘だ!ありえない!
しかし、現実は芯強の受け入れたくないという願いを蹴り捨て、無理矢理、目にねじ込み、現実を受け入れさせた。
どうして、どうしてこうなった。分からない分からない。わからなー(&@!;(&!,/」:-・=〆!!!
頭に限界が来た。頭が真っ白になる。そこに文字が浮かぶ
Q なんで?なんでこうなった?
A こいつらが妹を連れて行ったからだ。
Q どうして?どうして止めれなかった?
A 俺が油断たからだ。
Q なんで? なんで? なんで? なんで? なんで? なんで? なんで? なんで? なんで? なんで? なんで?
な、ん、で、?、
A 敵は殺す。
その時、親父の口癖の言葉の一部が頭を横切る。
どんな形の愛であれ、愛する者を誰かに殺された時、人の中に鬼と悪魔が生まれる。そして、その鬼と悪魔を従えた時、そいつは初めて真の人になる。
すると、
潰せ、潰せ、潰せ、潰せ、潰せ、と頭の中に何かがガンガンと訴える。
また、もう一方では、殺せ、殺せ、殺せ、殺せ、殺せ、と何かが叫ぶ。
私に、俺様に、体の支配権を寄越せ、と。
私に、俺様に、寄越したら楽にしてやる、と。
あいつらを殺したいのだろう?
なら、俺様たちを好きにさせろ、と。
そうだ。
あいつらを殺したい。痛い。痛いと痛めたい。奴らに絶望を与えたい…。
しかし、突如、妹の笑顔を思い出し、こいつらが暴れたら妹は喜ばないと思った。これは俺の直感でしかない。しかし、何故か確信があった。
最期ぐらい、妹が喜ぶと思う意見を尊重したい!
だから、心の中で俺はこう言った。
これは俺のケンカだ。邪魔すんじゃねぇ‼︎‼︎ と、
すると、うるさかった鼓動もさっきの声も静まっていった。
俺は立ち上がった。大声で笑う足を嘲笑う敵へと運ぶ。使えねぇ左腕を飾りのようにぶらさけて、右手に金属バットを持ち、敵に死を届けるために。
俺は走る。全力疾走で、力強く。
それは今までで一番速かっただろう。
敵が嘲笑いながら俺に銃口を向ける。恐怖は無い。あるのは敵を殺す殺気と妹を殺した怒りだけ。
奴らとの距離が近くなって行く。
前方に二人、後半に一人で、全員銃を所持している。
妹は前方の二人の間に横たわっている。
まず、妹を撃った敵A(前方の右側)に標的を定める。
ドン!ドドン‼︎
俺の腹と胸と背中に銃弾がめり込む。
それでも俺は止まらない。敵の奴らも驚いているようだ。自然と笑みがこぼれる。
敵Aはリーダーのようだ。
速く次の用意をしろと叫んでいる。
そうはさせるかとバットを思いっきり投げる。
それはくるくる回りながら、敵Aの顔面に当たった。すると敵Aは首をあらぬ方向へ曲げ、倒れた。死んだかどうかは分からない。まぁ、十中八九死んでるとおもうが。
次は敵B(前方の左側)だ。もう銃口をこっちに向けている。俺は止まらない。死んでもいいと考えてるからかもしれない。
ドン!ドン!
左右の肩に銃弾が刺さる。俺は歯をくいしばる。痛い。苦しい。妹も、こんな感じだったのだろうか?
だったら絶対に許さねぇ!
俺は落ちついてきていた怒りがさっき以上の勢いで上り始める。
頭に血がのぼる。それと同時に全身が熱くなる。頭にスパークが走る。ここまで怒った人はどこにもいないだろう。
その時、
(大罪スキル 憤怒 を入手しました。)
と、聞こえた。何のことか分からなかった。だから無視した。
冷静さを失っていたこともその要因だろう。
いつの間にか敵Bの目の前にいた。
両手が動かない。さっき、撃たれたからだろう。
なら、足だ。敵Bの腹に蹴り放つ。
敵Bは体をくの字にして、吹っ飛ぶ。
その反動で、敵C(後ろの敵)の目の前まで行く。
敵Cはまるで化け物を見るような目でこっちを見る。俺は怒りの形相をしているであろう自分の顔でそいつを見た。
敵Cは腰を抜かして、失禁したようだ。
俺は敵Cの顔面を思いっきり踏み付けた。
そして、やつの頭は汚い赤い花となった。
ドン!
俺の心臓に何かが突き通る。
俺は後ろを見る。そこには、敵Bが倒れながら俺に銃口を向ける姿があった。
まだ死んでなかったようだ。そして悟った。あそこに行って、あいつを殺す前に俺は生き絶えるだろうと、
だから俺は敵Cが持っていた銃を手に取り、敵Bの頭に向けて撃った。
ドン!
敵Bはあっさり死んだ。
敵は全員死んだ。
俺はゆっくりと妹に近づく。
そして、ついに妹の隣で倒れた。最後の力を振り絞り、物を言わぬ人形と化した妹と手を繋ぎながら目を静かに閉じた。
最後に、これならもっと妹に勉強を教えてもらったら良かったな。
初めてそう思った。
(スキル たす 引く かける 割る を入手しました。)
なにがよ…。
こうして、中川 芯強の人生は幕を閉じた。
どうでしたか?
面白いと思ってくれたのなら幸いです。