表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/5

アタシはリーダー!!

はぁい。ジャスティンよ、もうすぐ2年生になるわ。

あれから更に身長も伸びて、ジャスティン様のキャラ設定に載っていた身長を超えたわ。ヒール無しで200㎝超えよ。もちろんヒールは履き続けるけど。

まぁ、大は小をかねるって言うから問題は無いわよね。


この学院は2年制だから、ゲームで言う折り返し地点にきているわね。


あれからの派閥争いなんだけど・・・。どんどん酷くなってきているわ。

第二王子派と公爵令嬢派。両派閥の争いのあおりを受けながらも色々乗り越えて、中立派の情報収集能力が上がって来たのは良い事かしら。最低でも見習い諜報員くらいの能力を手に入れてるわ。

凄い子だと、屋根裏で2~3日潜んでたの? って言いたくなるような、どうやって手に入れたのか分からないような裏情報を持って来るのよねぇ。その内どこからか、スカウトが来るんじゃないかしら。

中立派の子達には、あまり危険な職業について欲しくないわぁ。ワンコ属性の子達が多くて、憎めない性格の子ばかりだから、余計に心配よ。


何だかんだで、この一年の内に仲間意識というか、絆が生まれてるのよねぇ。

この繋がりを持って卒業したら、きっと中立派は社交界で上手く渡っていけるわ。


さて、この一年で派閥争いが酷くなっている原因なんだけど、悪役令嬢の取り巻き達がかなり大きな要因になっているわね。

いるのよねぇ。ドラマとかで、やたら人間関係を引っ掻き回す系の女キャラ。後宮物ドラマとかで出現率高いのよね。苦手だわ、関わりたくないわね。

どうせ野心や虚栄心で、家格や権力の高い第二王子派の子息に、いい顔したいんでしょうね。

彼ら顔も良いし、頭は空っぽなのに才能は人一倍持っているせいで、結婚相手の候補から外すには微妙に惜しいから、厄介なのよねぇ。性格にさえ目をつぶれば、玉の輿には間違いないもの。


結婚相手に選ぶなら、中立派の子達がおススメなんだけど。アタシとしては。

見た目は地味かもしれないけど、優しくて賢い子達よ。男子も女子も。

この学院の装飾過剰な制服に負けて、微妙に見えるけど、実はよく見れば整った顔立ちって子もいるのよねぇ。やっぱり害悪よこの制服。どうあがいても一般人には着こなせないタイプの服ってあるのよ。


おっと、話が脱線してるわね。これアタシの悪い癖ね。

公爵令嬢サイドも、取り巻きの彼女達を早く切り捨てちゃえば良いのに、上手く立ち回っているから切り捨てる理由づけが出来ないみたいね。

取り巻き達ったら、相手に変に罪悪感を持たせてコントロールするのが上手だし。

これ、一種の才能だと思うわ。アタシ嫌いだけど。


アタシだったら、現在のオネェキャラを武器の一つにして『うるさい。あんたの性根が嫌いなのよ!』って切り捨てちゃえるけど、家の繋がりとか考えちゃうと、ちゃんとした理由がないと遠ざけられないのね。

多分、現在の性別が女だったらアタシも出来ないもの。


「で、最近は家格の低い家の子達が、その取り巻きや、第二王子派から被害を受けて、学校に来なくなる事が多いのよぉ」


「そろそろ毎週末に、父さんの職場に入り浸るの止めないか?」


「やだぁ。報告もかねてるのよぉ。遊びに来てるだけじゃないんだから」


「まぁ、それは助かっているんだがな。陛下も第二王子の事は、なんとかしなくてはと思っているらしくてな。色々計画はしているらしいぞ」


「そうなの? 例えば? って、これ聞いても良いのかしら?」


「隠されていない内容なら、まぁ良いんじゃないか? どうも婚約者候補を正式に婚約者にして、第二王子に忠言してもらって悪さしないように見てもらうとか」


「婚約者に選ばれた子からしたら、とんだ迷惑な話よそれ。教育係が付いていながら頭空っぽに育ったものを、婚約者の小娘程度が軌道修正出来るわけないじゃない」


アタシの発言に、お父様は遠い目をしながら話を続けた。


「で、その婚約者に例の公爵令嬢を持ってこようと」


「逃げてっ!! ツンデレ令嬢逃げるのよっ!! 馬鹿じゃないの? その計画の発案者。争いあってる派閥のトップ同士じゃないのよ!!」


「だからこそ、この正式な婚約をもって仲直りして、争いを止めさせようとしたんじゃないか?」


「効果あると思う?」


「無理だなぁ。争いあってる当人同士だからなぁ。これが互いの親兄弟の争いと言うなら縁談も分かるんだが、当人同士じゃなぁ・・・どこまで効果があるか」


「そうよぉ。幼児の喧嘩じゃないんだから、お手て繋いだら仲直りなんて簡単な話じゃないわよ。まずはボンボンの矯正が先でしょう?」


婚約する当人同士じゃなくて、身内が敵対してるならロミジュリで良いかもしれないけど、今回の件だと無理があるわよ・・・。本当に発案者何考えてるんだか。


「だけどなぁ。王子を今から矯正って言ってもな。あまり手荒なことも出来んし、どこに落としどころを持って行けばいいのか、誰もが悩んでいるんだよ」


「父親である陛下が責任持って、息子をどこかに放り込んで来なさいよ。既に色々被害も出てきてるんだし、王太子殿下も第三王子だっているでしょ? 問題児の第二王子をそこまで過保護にしてあげる必要は無いわよ」


第二王子が王族だから強硬な矯正教育が出来ないなら、それより権力がある人間がどうにかするべきだわ。


「放り込むって言ってもどこに?」


「自国に居るから我がまま放題なんじゃないの? 周りが何でも言う事聞くから。他国に留学でもさせたら良いんじゃないかしら。規律の厳しい学校の有るところとか」


「他国に留学なんかさせたら、あの第二王子なら外交問題に発展するような行動を起こしかねんぞ」


そこまでなのね・・・。そこまで駄目王子なのね。なら公爵令嬢が婚約者になったくらいじゃ無理よ。


困ったわね。これ以上学校に来ない生徒が増えると、授業にならないわよ。ただでさえ生徒数が少ないのに。

貴族学校で、国中の貴族の子女が集まっているとはいえ、同年代の貴族子女がそんなに大勢いるわけでもないのよねぇ。一応義務だから地方の末端貴族や、爵位は無い領主の子とかも集まって居るとはいえ、一学年100人程度よ。それも従者を含めて。


とにかく、第二王子とその側近達に手荒じゃないけど、下級貴族に横暴な振る舞いをさせないようにしないといけないわねぇ。


何かないかしら?

と、いうことで学校で中立派の子達で作戦会議よ。


題材は、いかに第二王子派を大人しくさせるか。

取り巻き令嬢達は、第二王子派が大人しくなれば、後は何とかなるんじゃないかっていう希望をこめて、置いておくことにするわ。女子の事は仲間内で解決してもらいましょう。変に外野が出張るとややこしくなりそうだし。


だから、片付けるべきは第二王子と側近達、つまり攻略対象ズと、甘い汁吸おうと集まったボンボン達ね。

ゲームの中で攻略対象達は、それぞれ悩みや心の傷を抱えているという設定があったけれど、だからって自分より弱い立場の子に酷い事しちゃ駄目よねぇ。

そうしたからって、心の傷や悩みが解決するわけでは無いんだし。

今の第二王子達攻略対象に、心に悩みがって言われても同情できないわねぇ。ただ頭空っぽの小悪党のボンボンにしか見えないわ。まぁ、第二王子達の一面しか見えてないのかもしれないけど。


そして中立派の作戦会議の中で出た提案が、『取り巻き令嬢達という悪女に学ぶ、罪悪感植え付け作戦』


提案の意味が分からなかったのだけど、つまる話が、彼らは劣等感を抱えども、何だかんだと家柄、外見、才能といった物に恵まれている強者側であるがゆえの、万能感や傲慢さを発揮して、立場の弱い人間に横暴にふるまい憂さを晴らしているのではないかという事。


だから、立場の弱い人間に横暴にふるまえないような、何かしらの引け目を持てば、弱者の立場が少しでもわかり、優しくてまでは行かなくても、横暴さは多少抑えられるのではないかというものだった。


分かるような、分からないような。

つまり、どうするのよ?

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ