出発
訓練が中止になったので自室待機となった。
この際なので自分が習得しているスキルを確認していた。
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・鑑定 LV.MAX
・剣術 LV.MAX
・槍術 LV.MAX
・弓術 LV.MAX
・杖術 LV.MAX
・格闘術 LV.MAX
・錬金術 LV.MAX
・魔術(火) LV.MAX
・魔術(水) LV.MAX
・魔術(土) LV.MAX
・魔術(木) LV.MAX
・魔術(光) LV.MAX
・魔術(闇) LV.MAX
・魔術(無) LV.MAX
・
・
・
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たくさんありすぎで見るのもつらいというか確認するのも面倒だ。
確認するのは諦めて異世界召喚の定番の「鑑定」を目の前の机に使ってみる。
”王宮御用達高級机:耐久値500、材質:王樹”
ご丁寧な名前と耐久値、材質が表示された。
部屋の色々なものに使ってみたが似たような結果、名前、耐久値、材質が表示された。
今度はド定番のスキル一覧を表示させてそれに対して発動させる。
”鑑定 LV.MAX:万物のあらゆることを調べることができる”
定番通りスキルを発動させることができた。
鏡に映った自分に対して発動させてみた
”ジン・イスルギ:勇者 異世界人種族 Level.1(さらに詳細な鑑定を行いますか?)”
詳細な鑑定も行ってみる。
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Level.1
ステータス
HP 16777215
MP 16777215
STR 16777215
DEX 16777215
VIT 16777215
INT 16777215
AGI 16777215
MND 16777215
LUK 16777215
スキルリスト
・鑑定 LV.MAX
・剣術 LV.MAX
・槍術 LV.MAX
・弓術 LV.MAX
・杖術 LV.MAX
・格闘術 LV.MAX
・錬金術 LV.MAX
・魔術(火) LV.MAX
・魔術(水) LV.MAX
・魔術(土) LV.MAX
・魔術(木) LV.MAX
・魔術(光) LV.MAX
・魔術(闇) LV.MAX
・魔術(無) LV.MAX
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(表示しきれません、希望の際は別途表示いたします)
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大変なことになりそうなのでそれ以上は表示させなかったが職業、種族、レベル、詳細鑑定でステータス、スキルが確認できるようであった。
問題は訓練場でのあの一撃の原因だ。
スラッシュのように武技の類かと思ったが感覚的に違う感じがする。
スキルの可能性だが、今まではこれしたい、あれしたいと思って発動していた。
今回も鎧を破壊したいと思って破壊したのだと思われるが、破壊魔法?、それも洗脳魔法を使った感覚と違う気がする。
さっきから可能性から排除しているが純粋なステータスによる破壊の可能性もある。
しかし、ペンを折ろうとしたときの感覚では力は多少増えただけであのようなことはできそうにもなかった。
そこでメイドさんの言葉を思い出す。
”「過去に一人だけ力加減のうまい方がいらっしゃいました。その勇者様はスキル’力加減’を習得されていました」”
俺はスキルをすべて最大レベルで習得している、件の勇者のスキルのレベル1(推定)で力加減がうまいもしくは大きく力が制限されていた。
鑑定スキルを使って’力加減 LV.MAX’を鑑定してみる。
”力加減 LV.MAX:力を完全に抑える能力”
’完全に’というワードがひっかかる。
もし仮にこの能力で常時ステータスにリミッターがかかっているのであれば今の状態も説明できる。
あの時は怒りでリミッターが外れて力の片鱗が現れたのだろう。
引き出しからペンを取り出し、スキル’力加減’を無効にするイメージをする。
すると手に持っていたペンが砕けた、慌ててスキル’力加減’を元に戻す。
これではっきりした今の力はスキルで制限されており、幸か不幸か本来の力はペンを握っているだけなのにまるでミキサーにかけたかのように砕ける。
「どうかしたか!勇者!」
俺の部屋のドアを勢いよく蹴破って臨戦態勢のエルカが部屋に入って、部屋の中を見回すと、
「ただならぬ力の気配を感じたのが、貴殿か?」
「ああ、俺だ、スキル’力加減’を無効化したのだが思った以上に力が抑えられていたようで…」
俺の説明にやや腑に落ちないところがあるようだが、
(あの気配、力を開放したでは…、それにしても元の力が弱すぎる、これが国王様が見張れといった理由?)
うん、納得してないらしいが、これ以上は追及しないようだしほっておこう。
「そうか、そうであるならあまり解放せぬ方がいい、あのような力無闇に放っていたら色々目をつけられるぞ」
スパイをしているとはいえ根はいいやつなのかもしれない。
翌日、俺は王女様と中庭でお茶をしていた。
「では、明日から修行の旅に出られるおつもりなのですね」
「ええ、俺は訓練場で剣を振るより、実際に戦って経験を積みたいと思います」
昨日、去りゆくエルカにも確認を取ったが実地訓練で経験を積んでいくことになった。
とは言いつつも、国王が利用できるうちに利用して、観光をしつつ、たまに世の中を知っていこうと思う。
「そうですか、私は勇者様にこの世界を教える役目を帯びていますし、こう見えて回復魔法は得意なので、是非ともご一緒にお供させていただきます」
そういう王女様の顔は今までで一番うれしそうであった。
(やった~~、窮屈なお城から抜け出せる~~♪、あとはパパをうまく丸め込めば♪)
年相応な少女な上にお転婆なようだ、増々もってかわいらしいな。
「では、国王にご報告に行きましょう。急なことですが、勇者が成長のために旅立つのです、後押しすることはあっても止めることはありません」
意気揚々と語る彼女からは絶対に抜け出してやろうという気合を感じた。
(初めにこの時期ですからユースカ平原の花畑が見頃ですね、モラナ港でフーナが食べごろ、食べ物でいえばほかにもリリユも…)
どうやら彼女も観光旅行をするつもりらしい、これならあとはエルカを丸め込めば…
彼女が旅行計画を練っている間に彼女の鑑定を行う。
”シルフィア・グランデ:グランデ王国王女 人種族 Level.15”
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Level.15
ステータス
HP 343
MP 182
STR 131
DEX 152
VIT 120
INT 196
AGI 155
MND 231
LUK 75
スキルリスト
・魔術(光) LV.3
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この世界の平均がわからないが今の俺より明らかに強い、回復魔法が使えるといっていたが’魔術(光) LV.3’がそうなのであろう、ということは俺も使おうと思えば使えるのかもしれない。
あれだけスキルを取ったのだ、出来ないことはないはず、これからのりょ、修行でいろいろ試さなければならない。
王女様と意気込んで執務室の国王のもとに行くとむしろ待ってました言わんばかりすぐに受け入れてくれた。
「うむ、よく来た、エルカ上級騎士から報告があったが、実地にて修行を行いたいそうであるな」
大量の書類に埋もれて見えるその姿は止まることなく書類をさばいていた。
「はい、訓練場で剣をふるうよりも外に出て、世の中を学びつつ強くなりたいと思います」
俺の返答に少し考えこむように動きが止まり、書類の山から体が生えたように出てきてこちらに来て、俺に小さな袋を渡してきた。
「うむ、支度金の白金貨1枚である。市井に出て人々と出会い色々と学んでくるがよい、シルフィアも同行するのであろう勇者殿を助けてやるのだぞ、そして一刻も早い魔王討伐をよろしく頼むぞ」
強く手を握りしめられる。あまりにも簡単に認めてくれた上に支度金までくれていい王様に思うがそんなはずはないと心の声を読む。
(一旦王都から離し、その間に手はずを整え今度こそは完璧に洗脳してくれよう)
やはり国王は国王だった、魔法や状態異常が効かないと知ったらどうするのであろうか、気になるが利用できるうちは利用させてもらおう。
「ありがとうございます。陛下のご期待に沿えるように精進いたします」
国王は満足げにうなずき、王女の肩を叩き「頑張るのだぞ」と激励するととまた書類の山へと戻って行った。
それを見届け、一礼してから部屋を出て行く。
ついに異世界観光旅行の始まりだ、まずは定番イベント、冒険者ギルド加入だ、弱いフリをするか、叩きのめすか悩むところだ。
王女様も自分の随行が認められずっと旅行計画練っている、考え過ぎて時々口から洩れてしまっているのに本人は気付いていない。
もっと気付いていないのはこれが修行の旅ということだ。
使用したスキル
鑑定
あらゆるものの情報を調べることができる