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王女様

「よくおいでくださいました。勇者様」

前から声が聞こえたので目を開ける。

そこには明らかにお姫様といった感じのかわいらしい少女がたっていた。

「勇者様、お初にお目にかかります。グランデ王国第二王女シルフィア・グランデと申します。勇者様のお名前をおきかせしてもらってもいいですか?」

恭しくドレスの裾を軽く持ち上げこちらに挨拶する姿に見とれるとともにあっけにとられ頭がフリーズしていた。

「勇者様、召喚酔いでしょうか?大丈夫ですか?」

王女様が心配そうに見つめてきた。やっと頭の再起動が終わり、

「は、初めまして、石動 仁といいます。勇者?状況がよくわからないのですが、お教えいただけますか?」

無反応であった俺が反応してくれてうれしそうに王女様はほほ笑んだ。

「そうですね、まず、簡単に状況を説明せねばなりませんね。ゆっくりお茶でもいただきながらお話ししましょう」

少女が手を叩くと部屋の後ろに控えていたメイドさんが王女様のもとに来て何やら話すと一礼して足早に部屋を出て行った。

今さらゆっくりと部屋を見渡すといかにも中世の地下室といった前面石の部屋で、王女様に導かれるままその部屋を出るとそこも中世を感じさせるいかにもお城の廊下であった。

俺の前を行く王女様の後をついていくが右に左にどこをどう歩いたのかもわからないくらい歩いたところで一つの部屋に入る。

いかにも来客用と思われる豪華な椅子と机が置かれており、先ほど先に行ったメイドさんがお茶を準備して待っていた。

促されるままに椅子に座り差し出された紅茶?と思しきものを飲む、お茶は詳しくないが多分紅茶だと思う。

静かにカップを置くさまをまるで手品を見破ろうと凝視する観客のように王女様に見つめられた。

「何かおかしかったか?」

そう問われ慌てて王女様は、

「いえいえ、そんなことはありません。ただ、過去の勇者様は新しく得たステータスに力加減がわからず、こけたり、ものを壊したり加減を覚えるまで少し苦労されるのですが、そう思って」

王女様が指差した先のお茶の乗った台の下には山のようにカップが置かれていた。


”つまんないの”


ふと、王女様の方からそう聞こえた気がした。いや、伝わったというのが正しいのだと思う。

でも目の前のあったばかりである少女がそんなことを言うはずがないと空耳として聞き流す。

「過去に一人だけ力加減のうまい方がいらっしゃいました。その勇者様はスキル’力加減’を習得されていました」

傍に控えていたメイドさんが補足するように告げた。

「そうですか、では勇者様も習得されてたのですか?」

チートして全スキルを作業的に習得したので、一つ一つのスキルは覚えていないが、多分そんなスキルがあったような気がするので、小さくうなずいた。

「では、そろそろ本題に入りましょう。改めまして、我々グランデ王国の勇者召喚に答えていただきありがとうございます。現在、我々は魔王の侵略という危機にさらされています。そこで異世界の勇者様にお助けいただこうとお呼びした次第でございます。どうかご助力お願いできないでしょうか」

こんな美少女に深々と頭を下げられ懇願されたので断るわけにはいかないが、

「勇者召喚に応じた覚えなんかないんだけど、転生はしたけど」

「それは召喚のお誘いのお手紙を送らせていただいたときに、

精霊が文章を自動翻訳してくれるのですが、意訳が多く…」

手紙という言葉にピンと来た。転生のお誘いはメールで届いた。

あの文章はどうやら元は勇者召喚のお誘いのメールだったようだ。

「’灯台下暗し’ってなんて聞こえる?」

「’身近なことは分りにくい’です」

異世界で会話が通じるので不思議に思って試してみるとどうやら会話も精霊が翻訳してくれるようであった。

「ご助力お願いできますか?」

再度問われたその願い、あのプログラムで入力したステータスが現実になっているのであれば、魔王を倒すなどたやすいことであろう。

しかし、いくらこんな美少女の願いで受けると決めていてもただというわけには、

「わかった、けどいくつか条件を設けさせてもらっていもいいかな?」

「わかりました。私には決定権がないので詳しいことは私の父、グランデ国王の謁見の間でしましょう」

仮にすべてのスキルを習得したら絶対矛盾が出てくると思うけど気にしな~い。


登場スキル

読心

聴きたい相手の心の声を聴くことができる


力加減

敵にとどめを刺さずにHPを(ry

力を抑えるだけの能力


2016/02/28

冗談でてかげんの効果を書いたら

力加減を手加減で書いてたので修正

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