表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
30/41

T君と一緒

こんにちは。お久しぶりです。暑いですが、お元気ですか。

 久しぶりに思い知ったこと――を書いて残して、また行き詰った時に読もうかなと思いました。


 そう、いつも何度も思い知るんだけどね、馬は生き物だってことを。


 私のよく乗るT君は、とても難しい馬だと言われています。けれど、こんな簡単な馬はいないとも言われます。矛盾が凄くあるんですが、その通りなんです。


 馬は手綱で操るものではないといいます。前は、手綱で操るどころか手綱を支えにして立っていました。その頃は、本当に馬には乗せてもらっている感じがありありでした。勿論、馬は思った通りになんて動いてくれません。


「常歩」「速歩」「駈歩」は馬の気分で速さもかわり、移行(「常歩」から「駈歩」など歩様を変えることを移行といいます)も指導員の言葉や雰囲気でやっていました。


 私は、とてもバランスが悪くて、太くて筋肉がなくて、体幹て何?みたいな人間です。そんな人間を乗せて走る馬って、凄いなと思いませんか。 

 今、初心者の方のレッスンを見ていたら『馬が可哀想』だと思ったりもしますが、私だって同じだったんですよね。手は中華鍋を振るようだし、ドンドンと背中に体重を乗せていました。

 未だに筋肉はつかないし、バランスも悪いんですが、前よりは馬の邪魔をしないように乗っていられるようになりました。それでも障害や馬場を真剣にやっている人から見たら鼻で哂う程度なんですけどね(これは謙遜ではなく事実です(笑))。


 このバランスがT君には大事なことなんです。腰を痛めて庇っている時、具合が悪くて前かがみになっているとき、T君は走りたくないと言います。どれだけ行けと号令を送っても、それこそ鞭で叩いても直ぐに止まってしまいます。

 でもT君の場合は、自分が行きたくないと思ったら、いかないという我儘なところも多くて、私は今の反抗は自分が悪いんだろうか、それとも我儘なのだろうかと迷います。


 T君に乗るために、私は考えながら乗ることを覚えました。


 T君も前に比べて随分出来る事がふえました。

 今の私は、朝の運動以外で乗るのは二課目経路会というレッスンだけです。最初の頃は、曲がりたいところで曲がれず、直進したいところで内によれる、駈歩の輪乗りは膨れて、速歩を出したいところで駈歩が出て、右の駈歩は何度踏歩変換するんだというくらいの情けないものでした。もちろん馬銜も受けてなかったし、下手したら敬礼の後下がっていくという・・・・・・よく私諦めなかったねと褒めてやりたいくらいのできでした。


 でもこれが出来るようになってくると、欲がでるものです。


 馬銜受け、まだまだ中途半端なところにありまして(何度か書いたとおもうのですが、馬銜受けにはそのレベルに応じた「出来た!」があるんですよ)、それが迷いに通じるというか・・・・・・。


 セルフキャリッジが出来ていないのは馬銜受けではないと言われるとそれまでなので、そういう方はこのエッセイ(日記)を読んでいないと信じております。


 保険をかけながら何を書きたいかと言いますと・・・・・・。


 馬銜に出てこないと手綱を使えないんです。でもT君は最初に馬銜をがっちり持つと動けなくなってストライキを始めるために、手綱はブラブラで乗ってねと言われる馬なんです。受けさせているぽい動きをさせるくらいならば、なんとか私でもすぐに出来るようになってきたのですが、その状態だといつにもまして前に出なくなる馬が出来上がるわけです。脚に鈍く、ただでさえ小股で走るT君が前に出ないとなると・・・・・・。レッスンにならないわけです。


 ええ、これが失敗ということはわかっているのです。私は一月に一回くらいしか出来ないのですが、その次の状態は知っているのです。

 直進性というのでしょうか、おそろしく気持ちのいい状態で前に出るというか、全てが繋がった感じというのでしょうか(語彙が少なすぎで笑える)。どこにも詰まった感じがなくて、筋肉が素直に動いているような感じがします。それでいて、詰めても止まる気配もなく、まるで天馬に跨って雲の上を走っているようなそんな感覚です。


 ええ、一月に一回です。指導員にそれをいうと、それが段々簡単になってくるというのです。


 でもこれを求めると、月に一回以外はずっと失敗した状態なわけです。それでもやっていいのかと訊ねると、「やり切ることです」と言われました。後押ししてもらったようで、嬉しかったです。

 ただ、他の指導員には『競技馬』と『練習馬』は違うからと言われました。『練習馬』は踏み込みなどいらないのです。ペタペタした揺れの少ない走りをするのがいいのだそうです。

 

 一月に一回しか成功しないとはいえ、それなりにレッスンを頑張っていたT君が突然酷い状態になりました。乗っていたのが慣れていない人だったというのもあるとは思いますが、見ていても目を覆いたくなるような状態でした。

 運動が少なかったのかと(夏場で暑いので軽く乗る指示がでていたので)思ったりもしたので、次の日はがっつり乗りましたが、マシな程度。

 何があったのかと身体を触っていたら、首の付け根あたりに凝りがあるのです。あれ、こんな酷い凝りあったかな?と揉みほぐした次の日から、酷い状態はなくなりました・・・・・・。凝りが辛かったのかと、反省しました。T君、夏場は皮膚病になるのでそちらの予防に時間をかけていて、マッサージは腰しかやってなかったです。突然、凶暴になったりするこには、もしかして首の凝りがありませんか? 頭を上げて走る子は首の上部に凝りが出来やすいです。全然そんな感じがなかったのに、噛んだり、人間を攻撃したりするこは、ここが凝っていることが多いように感じます。

 気のせいかもしれませんが、人間も肩こりが酷い時って気が短くなったりしません?(私だけでしょうか)。


 あれ、今日書こうと思っていたことがまだ書かれていません。おかしいな。


 昨日は、何故か乗る準備にいつもの倍の時間がかかり、乗っても全然T君は走る気がなさそうです。私はお腹が痛くて(内臓が地味に痛い感じ)ぼんやりした常歩を随分続けました。常歩自体は、私は長めにとるようにしているのですが、この日は元気な常歩にもっていけなかったのです。


「なんや、馬寝てるんちゃう?」

「うん、私も寝てるー」


 そんな会話を交わし、色んな馬が走って行くのを見ながら、歩いていく。そろそろ動かさないと・・・・・・と思うが走る気にならず、鐙のバランスを確かめながら馬銜をいじってみた。あれ、いつもより素直な口だ・・・・・・と気付いた。

 T君、馬銜を掛けると実は手綱が重くなるのです。T君の手綱が軽いという人は、確実に前に出せていないとわかるくらいに違うのです。私も馬銜をかけて走れるようになって半年くらいは重すぎて、背中と肩と腕がパンパンになっていました。それがリラックスして走ってくれるようになってからは、マシになりました。

 

 今日は、首の緊張がなくてその分馬銜に素直なのかもしれない。


 そのまま、速歩、駈歩――、一月に一回の特別まではいかないものの、それに近い感覚。自分がしんどいのでそこまで感じれなかったのかもしれない。

 それからは夢中で走りました。お腹の痛みもとんで、十分くらいは真剣にコンタクトをとりました。


 やっと気付いた――。私はいつも焦っていたんです。


 朝の運動の時間は、それほど長くない。三十分も乗れば長いほう。だから、時間を掛けたい段階にもっていくまで、私は必死になっていました。

 T君はバランスにうるさいけれど、バランスさえよければ走る馬だと言われています。つまり、バランスが悪い人が乗ればそのバランスが許せないと駄々をこねる。怒れる人間が怒ったり、譲ったりすれば折れてくれるけれど、そうでなければレッスンの真ん中で立ちんぼ状態になる。


 私が心掛けているのは、ちゃんと背中や首を伸ばして運動したあとは、少し我慢をさせるようにすること。きつく馬銜をかけ、バランスを左右に揺すって走る。手もブラブラさせて馬銜を安定させない。それでも走れるようなら、レッスンでも我慢できるからです。バランスを左右に交互にかけたり、前後ろにかけると、馬は自分でバランスをとろうとするようです。もちろんその前にちゃんとほぐしてあげてくださいね。


 T君は、バランスを崩せば止まってしまう馬です。たまにいるバランスを崩せば走って行く馬とは違って、ある意味安全です。でも出来れば、上の人間がバランスを崩しても自分でバランスをとって安定感をみせる馬になってほしいと思うのは、欲張りすぎでしょうか――。


 家に帰ってふと気付く。「あれ、このお腹痛・・・・・・覚えがある」と。そう熱が出た時に関節が痛くなることがあるんですが、あれの別バージョンにこのお腹の痛みがあったことを思い出して、熱を測りました。


「道理で朝、動けなかったわけだ」


 テンションは高かったため、しんどいことに気付てませんでした。身体は正直なものです。


バイバイヒヒーン☆

いつも読んでくださってありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ