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21 首が変だよ

こんにちは。いつも読んでくださってありがとうございます。

 うわぁ・・・・・・と声を上げたくなることがある。


 私は馬に乗る前にある程度身体のあちこちを触るようにしている。勿論体温だって測ります。今は寒いので六度台の仔が多いですが、夏場はもっぱら七度オーバー、八度オーバーが標準の仔だっています。個体差ですね。


 乗る前に一番気にしているのは騎甲。背中の一番盛り上がっているところで首の付け根の後ろあたりです。鞍がしっかり止められていないとこすれて怪我をするのです。後は脚に傷が出来ていないか、熱感がないか触ります。


 で、今日のお話しは首です。


 馬の首って長いんですよね。たまに短い仔もいますが、それを支える筋肉って凄いんです。

 クラブでは、左手前が多いんですよ。時計と反対まわりのことなんですが。左ばっかりみて(中心に指導員がいますから)いるせいか、傾いている仔もいるのです。

 だから朝の準備運動では、右を多めにしているのですが・・・・・・それでも触ったらわかる右の強烈な凝り。人間だって凝ると硬くなって、血行が悪くなって冷たくなるじゃないですか。私はなります。


 だから乗る前に、「今からここをほぐすんだよ」と何度も撫でてマッサージします。だから、私は乗る前の準備時間が長いです。



 私はコリが酷いのと馬に乗るための最低限の筋肉をつけたいと色々本を読んだのですが(え、本じゃなくて動けよって? まぁそこは頭から入るのが私です)意識するっていうことは大事なことなんです。よく腹筋するときに反動を使っちゃ駄目とかいうでしょ? 反動を使うと、本当に鍛えたい、鍛えにくい場所が使えずに違う場所が鍛えられるんですよ。人間の身体ってうまく出来ていて、そこが使えないなら他の場所で代用するんです、無意識に。だから、鍛えたい場所って基本使いにくい場所になっているんですね。意識すると反動を使わずに鍛えることが出来るんです。


 右にカバンを掛けていると右肩が下がります。腰を見てください。右の脇腹はへこんで、左は伸びているでしょう。左はこれ以上伸びないように頑張って、凝り、冷たくなり、左の肩甲骨なんかが痛くなるんですよね。でも無意識だから、何故左の肩甲骨が痛いのかわからないわけです。もう、地味にずっと骨盤を歪めているわけですが・・・・・・。あれ、話が逸れてしまった。


 つまり、地味にずっと左を向いて走っている馬は右の首がずっと伸びていて、これ以上伸びないようにがんばっているせいで凝り、血流が悪くなり、固まってしまうわけです。反対に伸ばすと、痛いから、ずっとその体勢でいるわけです。そうすると、腰が歪み脚が痛くなったりするわけですね。繋がった・・・・・・。


 人間も硬いところをどんなけ揉んでも一過性でしかほぐれない。馬も一生懸命伸ばしてストレッチしても、それが気持ちのいいことだ、楽になったと思わないと治らないんですね。だから、まずリラックスするところから始めないといけないようなのです。


 私の乗るH君、私では中々力を抜かせることが出来ない。ので、ちょっと指導員に聞いてみた。


「H君について聞きたいのだけど」


 もはや何を聞いていいのかもわからなかったので、そう聞いてみた。忙しそうだったので返事はないかなと思っていたら返って来た。


「Hは、変なところに力が入って、いるところに力が入らないんだよね」


 そう言って、去っていった――。


 そうなんだよ、そう。まさにそうなんだよ。おかしい、あいつはおかしい。


 常歩を沢山させたらいいというのでさせたが、全く変化がなく、馬銜受けさせたらいいと言うのでやってみたら、馬銜受けとかいう問題までたどり着けない。筋肉がね、おかしいところについてるんだよ。


 ・・・・・・失礼――。取り乱してしまった。


 首の筋肉がねおかしいんです。右凝りすぎてて、右に向きたくないんだよね。

 よしよし、マッサージしてあげるよ。

 うんうん、とりあえず馬銜受け練習しようか。嫌なことしてごめんね、でもその後でたっぷり遊ぼうね。


 凄く迷うことがある。


 例えば朝の準備運動。私は、あまり元気一杯の仔に乗ることはない。だから、一番大事にしているのは馬をまっすぐに整えてあげること。けれど人によったら、朝くらい元気一杯楽しく走らせてあげようよと言う。勿論それがいい。いいとは思うんだけど、それだと確実に馬は伸びていく。伸びていくと背中を痛めたり、脚がうまく使えなくなったりしてくる。三日くらいで指導員が乗ってくれる馬はいい。でもそんな上手でもない私が乗ると、三日ももたないと思うのです。


 迷うのは、自分がしていることがいいことなのか悪いことなのかわからないということ。時間をかけて、合っていたんだ、間違っていたんだということはわかるんだけど、相手は生き物ですから。今間違えたことで、この仔に大きなリスクを負わしてしまうんではないかと思うのです。


 まだまだ引き出しが少なくて、自分の精一杯を見つけることが出来ないのがもどかしいです。


 では、今日はここまで「バイバイヒヒーン!」。

最近、書くと愚痴ぽくなってますが、楽しく乗馬しております。頭を悩ませているH君ですが、最近は本当に慣れてきたようで、可愛いです。T君は調子よすぎて恐ろしいくらいです。

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