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20 甘えとガブリの間で

こんにちは。いつもありがとうございます。今日は心あったまった(自分が)日記です(笑)。

 馬、馬、馬。洗い場には沢山の馬がレッスン前に準備されて待っている。その間を歩いていると視線を感じる。


「あ、アちゃん(仮名)いたの、そこに。めちゃ視線感じたよ」

 持っていた黒糖をあげる。


 なんだろう、右から視線が――。


「ああ、ロくん(仮名)いたの、そう――」


 君たちの目力は凄いわ~。背中に刺して来るからね。もしかしてそんな力を持ってるの?


「うお、サ君(仮名)、だよね~、だよね。そこにいたよね、ごめんね。気付いてたよ気付いてた――」


 もう、なんていうのか、凄い見られている感が半端ない。そこらへんは、私が良く上げている仔たちで、そりゃ見つけたら見てきますよ。足音だけで「ブブブッ」っておねだりされるしね。


 なんか人気者になった気分だ――。ええ、わかってますよ、もちろん私がじゃなくて黒糖とかニンジンとかが出てくるから見てるってことはね。


 馬達は、この人は自分のことが好きなんだなってわかるんですよ。そしてどこまで許されるかっていつも試してきますね。


 同じ馬でもここまで態度違うかっていうくらい、人によって態度を変えます。180度豹変って言葉がぴったりです。



 今日の日記は、甘えと遊びと躾のこと。



 甘えてきているのに、怒ってしまったりすることがあります。後で、あれは甘噛みだったのではないかと気付いて反省します。実際には歯が当たる前に怒ってしまっているのですが。

 甘噛みっていうのは犬を飼ったりしている人ならわかると思うのですが、甘えて遊びの延長で歯をあてたりしているのですが、それを放置しているとアルファ(権威症候群でしたっけ?)になります。人間が下だと思ってしまうのです。馬も同じで、遊んでハムハムしているのを全て許していると上下関係が崩れます。のんびりしている馬は違うのかもしれませんが、全面的に甘えているような雰囲気の中で試してきたりもします。が、甘えを全く許さないと気を許した関係にはなりにくいと思うのです(私の場合ですので、環境によっても違うと思います)。


 どうやってそれを教えていけばいいのかなと、最近迷っていました。

 よく乗るT君は、調教期間が長かったし、一緒にいる時間がとてもとてもとても長かったため、そのあたりは自然と飴と鞭を正に使い分けて安心してハムハムしてくれる間柄になりました。たまに試しますけどね。


 最近よく乗るもう一頭のH君は、もう既にレッスン馬としてバリバリ働いているために、一緒に遊んでいる時間がとれません。考えた末に、洗い場では小さなお試しも、甘噛みかもしれないけれど噛むという行動も蹴るという行動も許さず、毎回放牧場(とても小さくて馬がなんとか転がれるくらいのものですが)ではハムハムもガブリでなければ許そうと決めました。

 そうしたら、洗い場では油断をさせてくれないH君が、放牧場では甘えてくるようになりました。スリスリしてきてニンジンをさがして脇をまさぐってくるのです。最初は脇腹にかぶりつかれたら痛いよなと緊張したものですが、今は「まぁ好きにしてくれ」と言えるようになってきました。寒い中ぼんやりと立つH君の横でスマホを取り出すと鼻面をつけてきます。

 帰ろうかと無口をとり、中に入ると緊張の欠片もない状態のアレが伸びきってます。


「そうか、そんなにリラックスしているなら寒いけど、もうちょっとここでぼんやりしようか」


 寒空の中、ぼんやりと佇む馬と私――。


 やっと少しだけ心を預けてくれる関係に近づけたかなと、ホッとした瞬間でした。

もう少し心を許してくれるようになったら乗りもきっと変わるだろうなと思って頑張ってます♪

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