よくわからない馬の危機感
こんにちは、読んでくださってありがとうございます。
「○○ちゃん、頑張ってきてね。遠い試合なんて初めてだから心配やわ~」
と、新馬を遠くの試合に送り出した。
初めての新馬調教の馬だった。とてもずぶと(げふっ)肝の据わった女の子だったからなんの心配もしていなかったのだが、帰ってきたスタッフに「どうだった?」と聞いたら、「空気のいい山を散歩してきました」という。
どうやら試合なんてなれてないし、長距離の移動も慣れていなかったために、緊張のあまり疝痛になったらしい・・・・・・。そして、疝痛の回復のために綺麗な山の景色をみつつ散歩してきたようだ。
「○○ちゃん、そんなタイプに見えないないのにね」
うん、まったく見えない。障害は跳ぶものじゃなく落とすものと思っているのだろうかと思うほどだし、力強さは類を見ない馬だった。
障害の馬というのは、ある意味繊細さも必要なようで、障害に脚をひっかけないように気を付けて走り、跳ぶということが必要なのだ。だからビビりの馬は案外向いていると言える。
ただ、限度がありますが・・・・・・。
この仔は、障害ではなく、そのうち総合という野外という競技のある方向に進んだ。でも総合には馬場競技があって、そんなことをやっていなかったせいか向いていなかったからか駄目だったようで、また障害に戻っていったらしい。らしいというのは、転勤してしまったからである・・・・・・。大きな乗馬クラブなので、馬の移動もまぁまぁあることなのだけれど・・・・・・。
元気かなぁ。
三番目に調教した仔は、障害どころか、横木と呼ばれる丸太(細いです)すら嫌がります。地面に置いているのですが、脚にあたって動くのが我慢できないようです。
『今、動いた! 襲ってくる!!』
とパニックになります。どんなにいかそうとしてもいきません・・・・・・。
嫌がりすぎるので、跳ばすことは諦めました。
でももう見えるのもいやみたいで、馬場の横に置いているだけで横っ飛びしたりもします。一度は、その横木をどかして、もうないというのに、地面がしめっていたせいか置いていた形だけ残っていたのです。
それに驚くとか、こっちが驚くわということもあります。
じゃあこの馬は、凄い怖がりなのかというとそうでもないんですよね。建築資材の置き場が側にあって、時折凄い音が聞こえてくるんですよ。ドラム缶が高いところから落ちて転がっていくような音。
『キャー!!』
と大体の馬は驚きます。逃げて走っていく馬もいれば、暴走する馬だっていますが、この横木の大嫌いな馬は『え、なんか音したかも~』という感じで特に走っていく気配も驚く気配もありません。
うん、君らの怖いのツボがわからないよ・・・・・・。
まぁいつものことですが――。
では、『バイバイヒヒーン』。
そろそろマジで時間がなくなってきました(笑)。気が向いた時の更新になると思います。よろしくお願いします。