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初めての言葉

意見やアドバイス等ありましたら言って下さると嬉しいです!しるばでした!

イルートは朝から手早く準備してミノタウロスを探しに行こうと思い、行動を開始する。


昨日は、コボルトの血の臭いで魔物が寄ってきたせいで寝れず、道を引き返し街道近くで寝た。


それから暫く歩いていると、前方を弓を持った子供が歩いてくる。村を通り過ぎていたため木馬ゴーレムを呼ぼうとしていたが、出さなくてよかった。


「おーい!」

子供が駆け足で此方に来る。


「なんでしょうか?」


「何で1人で歩いているかしらないけど、この先はやめた方がいいぞ?今はあっちにミノタウロスが出る事があるからな。」


「ご忠告有り難う御座います。では。」


「ま、待ってくれよ!出来ればシバイアの街に行く道を教えてくれないか?ギルドにミノタウロスのことで伝えたいことがあるんだけどさ。道が分からなくてな。」 


「ミノタウロスのこと?どのような内容ですか?」


「あぁ、実はミノタウロスをこの前、見掛けたんだけど、その時ミノタウロスは2体いたんだ!早くギルドに伝えなきゃ。」


「ミノタウロスが2体?そう言うことだったのか…」

イルートはやっと意見の食い違いの理由が分かったからかスッキリした顔をしている。


「証拠はないでしょうが、貴重な情報有り難う御座います。ですが、何故君がその情報をギルドに伝えに行くのですか?他にも村人がいるでしょうに…」


「村の人達は信じてくれなかったんだ!村長は話しすら聞いてくれなかったし!だから俺がギルドに伝えるんだ!」


「親御さんは?村人に説明はしても親御さんには話してないの?」


「父ちゃんと母ちゃんは、四年前に魔物に…な。だから今は1人なんだ。」


「そう、ですか。ただ、村長、もしくは村長の息子が行かなければ、話しを聞いてもらえないでしょう。」


──カサカサッ


「そんなの言って見なきゃわからないじゃないか!それより、早く道を教えてくれよ。ミノタウロスが2体いるって伝えなきゃ。」


ん?この子は音に気が付いていないようだ。


「因みに道なら反対ですよ。それに、今から行く必要はないかと…」



「ん?どういう──」


──ドンッ!バキバキ


「だって、もうそこにいますし。」

そう言ってイルートは指を指す。


そこには、木をなぎ倒しながらこちらに来る2体のミノタウロスの姿があった。


「え?うぇー!?」

驚き過ぎて口が塞がらないといった表情だ。


「っ!こうなったら!おい!俺が時間を稼ぐから逃げろ!」

驚きから直ぐに立ち直り、そう言って弓を構える。


「えーと…」

きっと、俺とこの子2人じゃ勝てないだろう。この子だって弱そうではない。ただ、子供の範囲内だろう。


…仕方ないこの子がいるけど闇騎士を使うか。

本当なら周りに人がいない状況でミノタウロスを闇騎士に倒してもらう予定だった。


「君は下がっていて。闇騎士!角ありに1号~3号が当たれ!素早さを生かして攻撃しろ!角なしには4号~5号が当たれ!1号~3号が角ありを倒すまで引きつけろ!倒せそうなら倒せ!」


──ッ!ッ!ッ!ッ!ッ!

五体の闇騎士は一体づつミノタウロスに飛びかかって行く。


「え?」

弓を構えたまま唖然とした表情になる。


「君は下がってて、ミノタウロスは突進もしてくる。いつこちらに来るか分からない。」


「う、うん。」


角ありの相手をしている闇騎士は影を上手く使いながら隙を突き攻撃している。徐々に風属性が付与された片手剣によって切り刻まれていく。


角なしの相手をしている闇騎士は無理な攻撃はしないで、細かい攻撃をしていき、相手を苛つかせ気を引いている。


その間に俺は白鉄ゴーレムと黒鉄ゴーレムを一体づつ出す。


────ゴーレム作成


ゴーレムに魔力を込めて、心臓部に魔石をはめる。


「2体共!角ありにとどめを刺せ!」


ゴンッ!ゴンッ!

─了解─とでも言うように鉄で出来た拳をぶつけ、首を鳴らす動作をする。


ドスン!ドスン!ドスン!


重い体を動かし角ありに突撃していく。


「ヴゥモォォー!!!」

ミノタウロスは闇騎士に苛つき、木を右から左へと大きく振る。


バキッッ!!!


「あ…」

ただ、その攻撃は闇騎士ではなく、近づいて来ていた白鉄の顔に当たる。

その衝撃で白鉄の顔が吹き飛び、同時に木も折れた。


ただ、白鉄は顔がなくなった為か両手と両膝を地面につけ、まるでショックだと言いたそうな雰囲気を醸し出す。


木が折れた角ありは突進のモーションに入る。

だが、黒鉄が角ありの顎にアッパーを入れ、角ありは吹き飛ばされる。


吹き飛ばされた角ありを闇騎士がとどめを刺していた。


なんか、個性豊かなゴーレム2体だな…


そう思っていたら顔のない白鉄が立ち上がり、まだ生きている角なしに突進していった。



「ヴゥモォォー!!!」

だが、白鉄が近づいて来ることに気が付いた角なしは、十分距離がある状態から突進のモーションに入り、ゴーレムに向かい走って行った。


白鉄はそんな事気にせず右手を振りかぶるが角なしに吹き飛ばされ、宙を舞った。


ドーンッ!


白鉄が地面に落ちた所はクレーターが出来ている。


闇騎士は白鉄が吹き飛ばされたのと同時に、角なしの隙を突き首を刈り取っていた。





「おい!あれは何なんだよ!」

今まで、唖然としていたがようやく立ち直ったようだ。


「あれは…」

ゴーレムのことをこの子に教えていいのか分からない。

多分だが、この子が言いふらそうとしても誰も信じないだろう。

けど、この子は俺のことをどう思うだろう。

いや、見られている以上言うしかない。


「格好いいな!あの黒い岩の固まりと鎧!」


「え?」

イルートはそんな事を言われるとは思っていなかった。


───格好いい、か。


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