嘘を食べたら、世界が美しくなった。
やっと、完成しました。初投稿です!
悲恋な物語をどうぞご覧下さい。
彼は私の秘密を知らない。私は彼の秘密を知っている。つまり私は彼が好き、彼は私に興味がない。
けど、彼は私を狂った愛情で縛りつける。
そう、彼はズルい男ということだ。私を愛していないくせに、手放さない。
私が嫌いなくせに、愛していると嘘をつく。
私、知っているのよ?
あなたは私を身代わりとしか思ってないことも。
―――だけど、そんな彼に恋をしている。
好きで、好きで、仕方がない。
この思いは自分でも抑えきれない――――。
だから、私は彼に嘘をつく。
「雅紀、別れよう。」
煙草をだるそうにくわえて、ベッドの端で座っている―――二宮 雅紀に一言告げた。
彼は驚く素振りも見せず、じっと上目遣いでこちらを見るだけだった。
「もう、分かってるでしょ?限界って事ぐらい。」
白いシーツで裸体を隠すようにくるみ、彼の目の前に立って淡々と話す私。
そんな私を嘲笑うかのように、口角をあげた。
「それで何?俺と別れるの?蓮はいつの間にバカになったんだ?」
「元からバカだよ、私。頭良かったら雅紀と付き合ってない。」
雅紀は、煙草を灰皿におしつけベッドから立ち上がった。私と距離を縮め、顎をクイッと上げられた。
悲しみに染まった瞳が私を捕らえた。
どうしてそんな瞳を私に向けるのだろう。
私を哀れんでる?それか悲しい女と同情してるの?
「いつ見ても綺麗な瞳だね、えぐりたいぐらいだ」
瞼に唇をおとし、手首を手にとった。そして吸いつくようにキスをしてきた。
赤い跡がくっきりと刻まれた。まるで手錠のように
「雅紀、もうやめよう?こんな事したって無駄な事くらい分かるでしょ?」
「蓮、明日誕生日だよね?プレゼント何がいい?」
「このままじゃ、私達壊れちゃうよ。」
「もう、いっそのこと結婚しちゃう?それか、子供作っちゃう?」
「知ってるでしょ?私は蓮じゃない……、」
言葉を遮るように唇を重ねてきた。
だから、私はあなたを騙してここにいる。
もう、限界だよ、私。――――別れて?
そう言いたいのに、彼は言わしてくれない。
やっと、言えたのは窓の外が暗くなってからだった
雅紀の顔が月の光で照らさて、とても綺麗だった。
そっと、頬を撫でた。
涙で濡れて、しっとりしていた。おかしくなって、私は小さく微笑んだ。
涙で彼の顔が滲む。そんな彼をギュッと抱きしめた
「大好きだったよ、雅兄。」
その言葉は、私達の世界を壊した。
壊したら、残酷なくらい美しい世界が私達を包みこんだ――――。
なんか、変な終わり方ですいません。
まぁ、簡潔に言ってしまえば、嘘な世界から現実の世界に戻ったということです。笑
次回作もぜひ見て下さい。