ゴブリンと根回し
「だああぁ! まったくっ! ゴブリン風情が調子に乗りやがって!」
スモークは焦っていた。
「スカーレットさまがこのありさまをご覧になったら、なんとおっしゃることか!」
彼のパートナーであるスカーレットは、あまり頻繁に箱庭を訪れない。
スカーレットが不在の間に、箱庭を取り巻く雰囲気はガラリと様変わりしていた。
バザウは頻繁にお茶会を開いた。
それもあえて型破りな形式のものばかりを。
スパイスをきかせたチャイを鍋で煮立ててみたり。
有名な童話の登場人物になりきってお茶の時間を楽しんだり。
東国の職人を招いて、甘い菓子と共に緑の苦いお茶を飲んだり。
さまざまな茶葉やハーブを用意して、各自が好きな風味のお茶を作ってみたり。
大勢が楽しめて興味をひけそうなことは、なんでも実行した。
最初、バザウの変わった試みに理解を示す者は少なかった。
が、じょじょに風向きは変わっていく。
ふわりと漂う、紅茶の香り。そこはかとなく、異国の空気。
箱庭の住人達は和やかに歓談を楽しんでいる。今日は晴天の中庭で気軽な野外パーティ。天候に恵まれすぎて、ちょっと暑いぐらいだ。
「おいっ! 何を企んでいる!? ゴブリン」
ことさら暑苦しい毛むくじゃらが近づいてきた。
「そう怖い顔をするな。冷たいものでもどうだ?」
目の前で吠える犬にバザウは飲みものを勧めた。
五種類の果物が使われたティーパンチだ。
給仕の仕事はあえて人間の男性に任せていた。
しり合い同士での集まりなら、バザウ自身が客人の世話をするのだが。
(プライドのお高い方は、衛生観念に過敏でいらっしゃるからな)
それでも最初はロコツだったゴブリンへの嫌悪も、和らいではきてはいる。
給仕の男性が、ガラスの器に銀のフォークを添えて見栄えも美しく盛りつける。
「ハッ! 不作法者め!」
スモークに受け取りを拒否されたガラスの器。
「紅茶を冷やすとは! ものごとの道理をしらぬ者のやることだ! そもそも紅茶とは……、とは……」
スモークが袖口から小さなメモを取り出して、必死に読んでいた。
バザウは何も気づかないフリをして、彼の話の続きを待つ。
「極東の大地で、温かくして飲まれていたものが起源である……。へー……。っ、であるから! 冷やして飲むのは邪道! ましてや果物を混ぜるなど、言語道断の所業!」
「茶の産地は、何も極東ばかりではないだろう?」
ごく基本的な知識である。
少しでも紅茶をたしなむ者であれば、しっていて当然の国だ。
「……」
スモークはおろおろと袖をまくりはじめた。
緊張のせいか、隠し持っていた紙切れを取り落とす。
「あっ……!」
気まずい沈黙が流れる。
「ぐわあああんっ! もうやだ、このゴブリンッ! スカーレットさま、助けてっ!」
「ちょっ……、待て! 泣きながら逃げるな! 俺は何もしてないだろ!」
スモークの逃走を阻止し、バザウは咳払いして薀蓄を披露する。
「ここより南東の豊かで広大な国でも……、良質の茶葉が採取される。暑さが過酷なかの国で、大王が考案したというのが、これだ」
食べやすいサイズに切られた果物が、水色鮮やかな紅茶のプールに浮いている。
ティーパンチ。冷たい紅茶に果物をふんだんに入れたもの。
リンゴやブドウといったこの土地でなじみ深い味に混ざって、珍しい南方のフルーツも入っている。
こういったものをたやすく用意できたのはジョンブリアンの父親のおかげだった。
彼女の父は異国との交易を指揮しており、珍妙な品々にはこと欠かない。
ふいに、辺りが騒がしくなる。
「おい! なっ、なんだ?」
おびえ気味の表情でスモークに尋ねられる。
と、いわれてもバザウにも心あたりがない。
(……一般の給仕では対応できないような、大きなトラブルでも起きたか?)
バザウがその場へむかう前に、騒ぎの元からやってきた。
人ごみをかきわけて、ドスドスと足音を響かせ、やたらと恰幅の良いオーガが現れる。
開口一番こう叫ぶ。
「この紅茶を作ったのは誰だっ!!」
スモークがバザウの背を突き飛ばした。
「っ……危ないだろ」
ジロリと背後を睨んだが、スモークの姿は消えていた。
テーブルクロスの下に灰色の尻尾がはみ出ている。
「……」
怒る気も消える。
オーガは、器から香りを慎重にかいだ。
怒涛の覇気を放ちながら、威圧的に問いかける。
「木の実だ……。木の実をもいで酒に漬けておいて、木の実の色と香りのついたその酒を紅茶の中に入れた!! そうだな!」
「……」
バザウは回想する。
(そういえば……風味付けに使おうと果実酒を少し入れたんだ。そのラベルに桑の実がどうとか……。ああ、そんなことが書いてあった、書いてあった)
回想終了。
真っ直ぐな眼差しでオーガにむき合う。
「はい」
「問題は木の実だ。木苺でもない。スグリでもない。サクランボでもない……。コケモモでもない……」
カッと両の目が開眼。
「桑の実だ!! そうだろう!!」
「あ、はい。そのとおりです」
この返事にオーガはたいそう気を良くする。
「このワシの味覚と嗅覚を試しおって。ナマイキな小僧だ」
(……そんなつもりは少しもないのだが……)
「気に入ったぞ! わあっ、はっはっはっ!」
満足そうに鬼は去っていく。
台風のような襲来だった。
「……いったい、なんだというんだ」
バザウが呆然としていると、スモークがテーブルクロスの下から這い出してきた。
同時に周りの人々も色めき立つ。
「お前、あのお方をご存じないのか!?」
「オーガのしり合いはいない」
「高名な美食家であると同時に、ひねくれ者で怒りやすい気難しい性格でも有名だ。あの方に一目置かれるとは……。貴様、ゴブリンの分際で侮れんヤツ!」
「ふーん……」
バザウは今になって大切なことを思い出す。
「っ! しまった! そういうことなら、聞いておくのだった!!」
珍しく大声を出したバザウに、スモークがビクッと反応した。
「な、なんだよーっ。ビックリするではないか! いったい何を聞き忘れたんだ?」
「ソーセージの正体だ! あの食べものが……、獣の肉なのか、木の実なのか、虫の体なのか……。明らかにする、またとないチャンスだったというのに!」
バザウが心から悔やんでいるとスモークは怒鳴った。
「バッカか、貴様は! そんな質問をあの方にしてみろ! どれほど激しいお怒りを買うことか!!」
「そ、そうなのか……?」
バザウは口元に指をあてて考え込んだ。
(そうか……。やはりソーセージの技法は、重大な秘密……。やすやすと、その真理には至れない……というわけか)
ほんの少しの偶然とすれ違い。バザウが食通から高く評価されたのは、幸運の産物だった。
だが、そんな裏話は周りの人間がしるよしもなく。
人々は自分の目ではなく、美食オーガの判断をとおしてバザウを見た。
突飛であるとか食べ慣れないという理由で、バザウのお茶会を忌避していた者すらもこれで態度を変えた。
スモークが毛嫌いしたティーパンチはもはや風変わりな一品ではなくなった。箱庭の彼らの価値観が変異した。
これは異国の高貴な王と縁のある食べもので、使われている素材は希少で質が良い。という情報を入力。
異国の文化に理解を示す自分は、なんて教養があるのだろう。という認識に改編。
これを美味しいと感じる自分も食通の一員である。という価値を付与。
(……味覚というのは、最も個人的な好みだと思うのだが……)
目論見どおりに進んだことは喜ばしいが、周りの評判で自分の好き嫌いまで変えているように見えて不気味さを感じた。
そんなことを思いつつ、バザウは流行に左右される者たちを眺める。
スカーレットにお茶会に呼び出されても、うろたえることはなかった。
「最近、この箱庭では妙な風習が流行っているようね。困ってしまうわ。バザウさんはどうお考えなのかしら?」
「ええ、そうですね。それだけ多くの方が妙な風習とやらに興味を持っているということでしょう。どなたもくつろぎ楽しんでおられる様子です」
しとやかな微笑みの裏で牙をむき出した猛獣に、バザウも同じように応じる。
「ゲストの方々の笑顔にはこちらも満足を覚えます。緊張で蒼白になっている方やストレスで胃を痛めている方もいらっしゃいませんし」
「あら、そう」
その短い一言には、スカーレットの敵意、憤慨、憎悪が濃縮されて詰め込まれていた。
外はうららかな天気だというのに、この部屋の空気だけ凍りついたように寒々としている。
「……あっ、あら。スモークさん。し、尻尾が丸まっていてよ?」
「わふっ……! お、お嬢さんも、腕に鳥肌が立っているようだが?」
ジョンブリアンとスモークは、大樹の陰に避難でもするように心なしか席をビアンキの方へ近づけている。
箱庭の主は険悪な空気に心乱されることもない。いつもの調子で愛するお人形にティースプーンでお茶をあげるマネ。ビアンキが持ち歩くお人形は日替わりで違う。
「私はこの現状を悲しみ危惧しているのよ。伝統的な格式に背をむけて、楽で奇矯な方に目を引かれて飛びつくなんて、とても軽薄な考えですよね?」
威嚇の笑みをはりつけた二人の会話。
「次のお茶会はあなたが好まれるオーソドックスな形式で開催しようと思っているんですよ。ゲストがホッとするような和やかな会になればと思っています」
これが伝統だから。格式とはこういうものだから。それらの理由でスカーレットはおこなっている嫌がらせを正当化している。
非があるのは、マナーを解さぬ下賤の者。勝手に失敗をしたそちらが悪い。それがスカーレットの理論。
同じ伝統に則ったお茶会をバザウが開き、今までスカーレットが嘲笑ってきた者がそこで楽しく過ごすこと。
肩ひじをはらない空気の中で、お茶会マナーの勉強会を開いても良さそうだ。
それがバザウの意趣返し。
「あなたの危惧について意見を申していませんでしたね。箱庭の者たちが本当に背をむけたのは伝統そのものではなく、伝統を守っていると自負している悪意ある誰かに対してでは?」
完璧に洗練された動作で、バザウはティーカップを置いた。
「良い茶器ですね」
バザウの部屋。
机の前で黙々と筆を進めるバザウ。
小さな淑女はそんな背中を見守るように、ちょこんとソファに腰かけている。
「すごいわね、バザウ! スカーレットはものすごい目であなたを睨んでいたわよ!」
ジョンブリアンは上機嫌だ。
「……それは喜ばしいことなのか?」
「いつも優雅ぶってるスカーレットからあんな表情を引き出したっていうのがすごいんだから! ワタクシはあの顔が見れただけで満足だわーっ!」
常に余裕の笑みをたたえている者から本性の顔を引き出した。
「おーっ、ほっほっほっほっ! スカーレットへの復讐は、これでもうバッチリ完了って感じよね!」
「ああ」
ペンを置いて振り返る。
「あなたの作戦はこうだったわね」
ジョンブリアンはしなやかな指をピピッと三本立てた。
「その一。彼女が重んじている伝統的な価値観への文化的なカウンター」
すでに伝統でがんじがらめになっている場所へ、新たな風をもたらすのは難しい。
長く続いているものには支持されるだけの理由がある。
やみくもに伝統を否定し、新しいものだけを称賛しても独りよがりで終わるだろう。
周囲から好まれそうなものを厳選し、興味をひくようにアピールした。賛同者が得られない文化は自然消滅するだけだ。
「その二。彼女の持つ権威におびえることのない、開放的な気風を作り出す」
スカーレットへ不満を持つ住人はもともと多かった。
それでも嫌がらせを受けた被害者はどこか委縮している様子なのだ。
箱庭での価値観の物差しが「伝統的な貴族の文化」しか存在していなかったからだと、バザウは原因を分析した。そして令嬢スカーレットはその頂点に君臨している。
異国の風習や貴族以外の文化を取り入れることで「伝統的な貴族の文化」の威光を弱めた。
「その三」
三つ目はバザウ自身が口にした。
「彼女が嫌っている俺が、毎日楽しくすごしている」
悪意を持つ相手に対しては結局これが一番の報復だ。
「新奇な趣向をこらして、ただ和やかにお茶会をする。俺はそれを楽しむ。それだけで最高の意趣返しになる」
バザウはククッと愉快そうにノドを鳴らす。
その嬉しそうな様子はイタズラが成功して喜ぶ他のゴブリンとほとんど変わらない。
ひとしきりジョンブリアンと復讐の成功を祝った後、バザウは机に向き直って今日の分の作業を再開する。
カリカリとペンの音。
「ねえ、聞いても良いかしら? いつもパーティの後で熱心に書いているようだけど……。それは何?」
「ああ……。これは……、記録だ」
彼女には見せてもかまわないだろう。
バザウは数々の情報を吸いこんで真っ黒になった紙の束を手渡す。
「あ、これは参加者の名前ね。種族も書いてある。パートナーも。それから……趣味、好みのお茶と食べもの、家族構成、健康状態……、その他もろもろがこと細かく書かれてる!?」
ジョンブリアンは驚愕して自分のパートナーを見た。
「バザウ! あなた、スパイ活動でもはじめる気!?」
「いや……? そんなつもりはないが」
彼女の手から優しく紙の束を取り戻す。
「……んん。俺は本来、人付き合いが得意ではないからな」
孤絶した漂泊者。
かつてバザウにそんなあだ名をつけたコボルトの娘がいた。
「これは、その欠点をおぎなうための……、俺なりの工夫だ」
ジョンブリアンは若干青ざめた顔でバザウを見ている。
人間との交流を重ね、彼らの表情の意味するところはもう理解できる。
(……あ。これは引いてる顔だ)
「うー……。こっ、こういう工夫も悪くないとは思うわ……。でも、すごく負担じゃない?」
「まあな」
正直この作業はかなり気が重い。
「自分でいうのもなんだけど……。ワタクシなら、こういうことは会話の中で自然に覚えられるわ!」
ジョンブリアンは得意げに胸をはった。
それからくるりとこちらをむいて。
「だから。パーティの時は、ワタクシのすばらしい社交的センスをもっと頼りにしてくれても良いのよ?」
ジョンブリアンにしてみれば単なる協力の申し出だったのだろう。
だが、バザウには深い意味を持つことだった。
「……考えておく」
窓の外に視線をむける。
夕日は没し世界を紫色に染め上げていた。幽玄なほの明かりも、いずれは黒く変わるだろう。
「そろそろ家に帰る時間だな。迎えの者はきているのだろう?」
「あ、そうね。でも、ワタクシはもうちょっとここにいたい気分だわ」
ジョンブリアンはソファのクッションを縫いぐるみでも抱くように体の前で握りしめている。
「……じきに暗くなる。もう家に帰りなさい」
静かに、だが明確な意志をこめて告げる。
「はぁい」
軽い不満を声ににじませ、しかしこちらの言葉に素直に応じる。
「またね!」
ドアがパタリと閉ざされた。
一人きりになった部屋。
「……」
自分の額に触れてみる。
「物憂げそうだねえ。色男」
声のする方向を睨む。
ルネ=シュシュ=シャンテはソファの上で寝転んでいた。
ふわふわのクッションの柔らかな綿は、そこについた細い肘で深々とえぐられている。
「そこからどけ」
「気難しい子だね。反抗期の息子みたい! はいはい、おとおかあさんは今すぐどきますよ、っと」
ルネは寝転がったままで宙に浮き上がった。
「バザウ。忘れてないだろうね? ここにいるのはバカンスでも、ロマンスのためでもぬわぁあい! ってことを」
「目的は、創世樹計画の阻止。……忘れるはずがない」
こちらの本心は隠しルネの動向に注意する。
「おいおい、良き協力者! なんで腹を探るような目でアタシを見るんだい? そうか。お前の魂胆がよくわかったよ」
ルネは空中で身を跳ね起こした。派手な色彩の羽毛が舞い散る。
「アタシの神秘のボディにそんなに興味があるというなら、うんとサービスしてあげよう! 白磁のように透きとおった神々しき我が素肌。その目にしかと焼きつけるが良い!」
混沌の心の神は、服の裾をペロンとまくり上げて生白い腹を見せてきた。
細身のズボンのおかげで、きわどい部分は目にしなくて済んだ。
腹を見せるだけではとどまらず、それっぽいせくしーな鼻歌と共にゆっくりと服をたくし上げ続けている。
(おえっ)
このままだといずれ胸部まで見えそうだ。
(あ、でも……。これで性別がハッキリする?)
「オー、イエス! イヤー! アッハーン、カモーン!」
ルネは一人でくねくねしている。
(……いやいやいや。多大な心理的代償を払ってまで、得るべき知識ではない……)
そのまま放置すると本格的に一人ストリップを始めかねない神に、バザウはストップをかけた。
(本当はさっさと消えてほしいが……。コイツの場合、姿が見えなくても不安を煽ってくるからな)
「バザウ。さっきから、やたら警戒しているようだけど、アタシは別に死神じゃあない。まだまだ利用価値のある金のガチョウの腹を裂くほど、バカでもない」
今のところバザウはルネにとって優良なガチョウであるらしい。
「ひとまず安心するが良いさ。今日のところは単にお前を褒めにきたんだ」
バザウはそれでも警戒を解かなかった。
「あー、もう! あの少女漫画ちゃんの命にも危害は加えないって!」
バザウは少女漫画という言葉をしらないが、ジョンブリアンのことをさしているのは理解できた。
「なら、良い……」
「もー。お年頃の男の子ってば、些細なことでピリピリしちゃうんだからー」
空中浮遊リラックスモードだったルネが、ストンとバザウの近くに舞い降りた。
バザウが使っている机の上にルネは無遠慮に腰かける。
「……」
無神経な神に倒されないようバザウはそっと机の上の花瓶を避難させた。
「えーと? ブルーレットじゃなくて? そう! スカーレットへの反抗! あれは面白かった。ナーイスアイディーア」
「……それはどうも」
ルネは笑う。
「誰かが大切にしている価値観を蹴っ飛ばし、貫こうとする信念に疑問を抱かせ、長年つちかってきた思想に泥を引っかける! それこそが創世樹計画を阻止するのに必要な手管さ」
「嫌な役回りだ……。壮大な嫌がらせの実行犯。ゴブリンはまさに適役だろうな」
改めて聞くと本当にロクでもない。
だが、そうしなければ世界中の心がたった一人の思想で統一される。
そんな世界はバザウは望まない。
「バカげた恋のトキメキを。くだらぬ愛のささやきを。蹴飛ばし、泥を塗りたくれ! 真実の愛から目をそむけ、永遠の愛などクソ喰らえ! それゆけバザウよ、どこまでも」
ガチャガチャと騒いだ後で、混沌は投げキスと不穏な言葉を残していった。
「アタシも陰謀、企てちゃう」




