これって最高♪
「今日はどうする?」
Y子が声を掛けてきた。
今日は天気もいいし、部屋にこもっているのはもったいないからと、ランニングをすると答えたところ、
「私もそうしよっかなぁ」
と、しぶしぶといった感じの言葉が帰ってきた。
それを聞いて私は、少し微笑む。
この子はいつもこうだ。私の後についてくる。
そこが可愛らしいと思う。
ランニングは自分のペースで走りたいから、ムリに付き合わなくていいよ?
なんてイタズラ心で言うと、なんでそんなこというのと、これ見よがしにふくれる。
それを見た私が、ゴメンと謝ることで、このちょっとした遊びが幸福のうちに終える事ができる。
間違っても「まるで風船みたいだよ?」なんて言うことはない。
「これ見てよ」
Y子はウキウキしてネット販売の箱からランニングウェアを取り出す。黒いスエットに、桃色のシャツと黒いパンツが付いたものだ。
前もって購入しているところを見ると、始めから走る気満々だったようだ。つまり、私の行動が読まれてるってことか?
そう思ったとたん「付き合い長いからね」と、半オクターブ上がった声で言って私を見て微笑む。
こういうのも悪い気はしない。
それに、私の行動が読まれていると言っても、数日前から運動不足だという言葉を頻繁に使っていたので、Y子の発言や行動は当然といえば当然なのだった。
「じゃあ走りに行こうか」
いきなり走るのはNG。体の調子を把握するためにも、うまく脂肪を燃焼するためにも、適度な時間を歩いてから走り出す。
それからは少し面倒だった。すぐに音を上げてしまうY子を励まし、時には煽り、そして褒めたりしながらランニングを終えた。
まったく世話のやけること。
「あ〜死ぬ〜」
大した距離を走っているわけではないのに、部屋に戻ってくるなりY子は床に身を投げ出した。
「ちょっと拭き掃除するの大変なんだから、シャワー浴びてからにしてよ」
私の声など聞こえないように、フローリングにうつ伏せに寝転がっている。
それを見て私は、彼女を軽く蹴るようにしながら転がして、浴室の方へ近づける。
転がった分、汗が床について拭き掃除が大変になると思うだろうが、どうせ 拭き掃除するなら、これぐらいの範囲は大した手間ではない。
蹴られながら転がされているY子は、これはこれで楽しいと言わんばかりにニコニコ顔だ。
なかなか起き上がらない彼女を抱きかかえ、スポーツ飲料を飲ませてから浴室に連れて行く。
「これでお風呂に入ったことになるから、今日はもう寝ても大丈夫だよね」
大丈夫大丈夫。と、おざなりな返答をしながらY子を脱衣場に放り出して、床の拭き掃除を始める。
本当に世話が焼ける…そうだ、ヨーグルトにバナナ、きな粉を乗せたデザートでも作ってやろう。
フロアワイパーを使うリズムが弾んだものになった。
その頃Y子は、心地よい温度に設定されたシャワーを顔に当てながら思った。
あのAIロボット最高♪




