投票される命
それから僕達は新しい配信に大忙しだった。
尊が言い出した。
「投票しない?例えば次に女が来たら殺すとか、三人のうちの誰が殺るとかさ」
湊も悪のりしていた。
「それ面白そうじゃん、視聴者投票しよう」
その日のライブ配信は大盛況だった。
殺す人→明良
次の目標は次にこの角を曲がってきた人→小学生の男の子、まだ一年生なんだろう、黄色い帽子を被って、ランドセルに黄色いカバーをつけている。
僕は尊から渡された出刃包丁の軽さに怯えながら、小学生に向かって歩いていった。
「これ落としたの君?」
そう声をかけると、男の子は
「え?」と振り返った。
その瞬間を逃さず、胸と腹の当たりを中心に何度も突き刺す。
男の子は断末魔の悲鳴をあげる余地もなくだらりと崩れ落ちた。
暫くして覗き込むと、瞳が薄く濁っている、脈もなければ呼吸もない。
快楽指数を確かめる六百。
「うおおおお!明良凄いじゃん」
尊が言う、湊も上機嫌だ。
コメント欄は
「数値爆上がり、投げ銭するわ」
「瞬殺じゃない?めちゃくちゃ早かったわ」
「小学生殺したのが高数値のポイントなのかもな」
「もっと効率よく殺した方がいいんじゃない?」
と絶賛されていた。
装置を見なくてもわかるような感覚で溢れている。
僕は快楽指数六百。
というすごい数値にとてつもない快楽を感じていた。
真っ赤に染った両手すら快楽だ。
正直、頭の中が真っ白になるほどの快楽だ。
けれどコメント欄の
「もっと効率よく殺した方がいいんじゃない?」
この言葉が頭の中にこだましていた。
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