快楽指数七百の終わり
配信を見る側だった人間たちは生き残った、但しそれまで配信を見るだけだった側の人間は、即座に一番下の階級に落とされ、家も食べ物も何もかも失った。
下位の人間には、水一滴すら回ってこなかった。
コメント欄にあんなにいた人達は、もはや片手で数えるぐらいしか残っていない。
つまり日本中からほとんどの人が消えたのだろう。
道端には行き倒れの人がごろごろ転がっている。
それを見ても明良の心は一ミリも動かなかった、いつの間にか心の中で、快楽しか感じないようになっていたのだ。
尊と湊は気づいていない、けれども彼らに感じていた友情すら今は感じなくなって久しい。
ある日湊を呼び出した、今では人気のないところだらけだが、念の為に人のこなそうな路地裏に。
湊は軽い調子で「おう!」
と声をかけてきた、その瞬間横に立てかけていたホッケースティックで、何度も何度も湊の頭がぐしゃぐしゃになるまで叩き潰した。
ぐしゃっ!ぐしゃっ!ぐしゃっ!
何度も何度も。
ぴぴぴぴぴ
快楽指数七百、おかしい七百以下に下がらないが、上がるはずなのに。
一つたりとも増えていない。
背中をつうっと冷や汗が流れる。
けれどその感情すらすぐに手放した。
誰が誰を殺しても殺さなくても、一番下の人間は次々と入れ替わる、そして死んでいくのだ。
野ざらしになった遺体は、何故か次の日には消えていた。
こうなるともう生きている人間の方が少なくなった。
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