第6話 休みなのに陛下に謁見。
「あー、やっぱりこの場所が落ち着くぅ~♪」
なんだかんだで、私は平民の薬師。下町のこの場所がいいのよ。
一人の騎士様が申し訳なさそうに近づいてきた。
「リラックスしている所恐縮ですが、国王陛下がセアラ様をお呼びです」
せっかくリラックスしてたのに、陛下からの召喚状。平民なら直ぐに行かなくては!
「はい、行かせていただきます。えーと、私が城にいる間の店のガードとかは…?」
「へ?いませんよ?」
笑われたし、騎士団に行くのとは違うんだ。店が心配だなぁ。
王城に着いた。せっかくのお休みだったのに……。
「謁見の間までご案内します」
私はある程度は知ってるんだけどなぁと思いながら、案内された。
謁見の間にて
「貴殿がセアラ嬢か!うむ、確かに可愛いのぉ。一つ私も‘セアラちゃんを愛でる会’に入ろうかのぉ。と、いかんいかん。話したかったことが逸れた。この度は私の初孫となる王子の出産に携わってくれたこと誠に感謝する。貴殿には以前から男爵位を授けようとしていたのだが、どうにも反対派がなぁ」
陛下まで‘セアラちゃんを愛でる会’の会員になってしまうのか?
「あ、その事なのですが私は男爵位を望んではいません」
「なに?子爵位か?」
「そうではなくてですね。平民のままで構わないのです。それと、反対派ですが、今回のロゼット様の出産にあたってセイムス殿下が王宮の医師にも応援を頼んだのです。しかし、応援は一人も来ませんでした。ロゼット様の出産が長時間に及んでいたら、私も体力が足りなくて倒れていたかもしれません。今回は運よく3時間と大変短い時間で出産が終わったからいいものを…。反対派の方が私を貶めようとしたことが原因で応援がいらっしゃらなかったのではないでしょうか?もし、私のミスで御子様が命を落としてしまう事があったなら?もし、私のミスで御子様及びロゼット様の命を落とすことがありましたら?もしロゼット様の産後に問題が生じてしまったなら?その時は私を糾弾する口実ができますよね。それも大きな」
「ふむ」
「ロゼット様の出産をそのような事に巻き込んでしまったことを大変申し訳なく思っています。私本人は平民で構わないのです」
「それはそれとして覚えておこう。反対派だな。まかり間違えばロゼット妃及びその子の命が危ないという状況を作ったのだな?私が直々に反対派を糾弾しよう」
なんかちょっと怒ってる?まぁ、義娘と初孫(王子)の命が懸かってるからなぁ。
どのタイミングで帰ればいいんだろう?
「セアラ!」
「ニクソン殿下!」
「陛下、セアラを騎士団で引き取って構いませんか?」
「ああ、またね?セアラちゃん」
「ニック様、陛下も‘セアラちゃんを愛でる会’の会員になるらしいです」
ニック様は笑うけど、平民の私にはかなりの大事なんだけど!
ストックと心に余裕があるうちは投稿をしたいです。
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誤字…あるんですよねぇ。なんでかなぁ?ありましたらご報告の方も宜しくお願いします!!