第34話 子供が成長するのは早いもので。
どうして?早いわよ!
ちょっと前まで喃語をしゃべってたようなあの子達が今日はデビュタントなの?私はなかったけど、そういうのがあるのね~。貴族って色々あるのね~。
「アレス兄さま!ステラと一緒に参加してください‼」
「ステラはジェイムス王子殿下に誘われてるんだろ?そっちだろ?それに、私のパートナーはリカだ」
そういうカップルが出来上がっちゃったのね~。
「マリー。そういうわけだから、ゴメンね。キース副団長にもリカちゃんを申し訳ありません。と伝えてくれますか?」
「うーん。キースなら「団長のご子息なら喜んで差し出します!」って言いそうだなぁ」
供物じゃないんだからさぁ。そこはちょっと……。
「キース副団長は相変わらずお堅いわね~。リカちゃんの下には弟君?」
「リカが話したんですか?お恥ずかしい。ロイって名前の男の子です。騎士に育てるんだってキースは張り切ってますよ」
「どこもそんなもんよね。うちもアレスを最初は騎士にするって言ってた。でも本人が勉強の方に興味持っちゃって、あんなんなったのよ」
「アレス君は優秀じゃない。ジェイムス王子殿下の側近やってるし。イトコだからかなぁ?辛辣なことも言える仲みたいで、王家では重宝してるって聞いたわ」
お義父様もまだジェイムス王子殿下にデレデレしてるけど、アレスは辛辣だからなぁ。お義父様はアレスにもデレデレなんだけど。
「そういえば、アレ
ス君とステラちゃんの下にも妹ちゃんが?」
「はい。アピスって名前の女の子が……。この子、ブラコンに育たなかったのはいいんですけど、ファザコンかなぁ?ニック様の一挙手一投足を結構観察していますね。ニック様は落ち着かないって漏らしていました。なんか、将来は騎士になりたいみたいなんです。それで騎士団長のニック様の行動を眺めるというか観察するというか…」
そんな父母・弟妹が見守る中でデビュタントはスタートした。
アレスもちゃんとリカちゃんにドレスその他をプレゼントしていたし、ステラにはジェイムス王子殿下からドレスその他が送られてきた。「お兄様と参加したかった」ってぶーたれてたけど。
アレスとリカちゃんが入場した。
アレスはジェイムス王子殿下の側近として生活してるから、こういうの慣れてるし、リカちゃんは練習したのかなぁ?
「アレスもリカちゃんも大きくなって、もっとこっちに来て顔をみせておくれ」
というお義父様の言葉もなんのその
「陛下、家臣を贔屓してはいけませんよ。夜会が終わったら見せますから、この場では控えて下さい」
と、アレスはお義父様すらもバッサリときった。私にはできない。心臓強いな。
ステラとジェイムス王子殿下が入場した。ステラが不満顔。淑女として顔を作りなさいよ!
「ステラはセアラちゃんにどんどん似てくるなぁ。ジェイムス、グッジョブだ!」
「有難きお言葉」
「今宵はデビュタントの者ばかりだ。遅くならないように切り上げようぞ」
お義父様……そこまでして顔をじっくり見たいんですね。
本当にデビュタントの夜会を早く切り上げたよ。前代未聞じゃないか?私利私欲のために。
「アレス~、ステラ~、リカちゃ~ん、ジェイムス顔をよく見せておくれ?」
「おじい様、老眼ですか?目に不安が?」
アレス!なんてことを言うんですか!(みんな心の中で思ってたかもしれないけど)
「そもそも、今朝食事の時に会ったじゃありませんか?変わったのは服装だけですよ?」
辛辣だなぁ。我が子ながら。
「あ、おじい様がリカと会うのは久しぶりか。リカは別々に暮らしてるもんな。私は結構会うから、失念していました。失礼しました」
へっ?それだけ?
「あ~あ、アレス兄さまとデビュタントに参加したかったなぁ」
淑女たるもの、そういうのを顔に出して公の場に出てはいけないと教えてるんだけどなぁ。
「ステラはジェイムスだとダメなのか?」
お義父様が不安になっちゃったじゃない。
「「違います。ブラコンです」」
私とアレスの声がかぶった。アレスも思ってたんだ。やっぱりね。賢い子だもんね。
「ステラは次期王妃にと望まれているのですから、もっと淑女的にあるべきです。頭の軽い子にしか思えない」
今のところそうですね。一応、家庭教師たちからは合格を頂いてるけど。アレスの発言は辛辣だなぁ。実の妹に向けて。
「え~、ステラちゃんはジェイムスと結婚してくれないの?」
ロゼット義姉様直球ですね。




