第30話 真実は?
「今日の夜会は王太子夫婦は欠席となった。知っていると思うが、王太子妃が臨月間近というのが理由だ。王太子も王太子妃についていたいと言って欠席をしている。まぁそれはそれとして、今日も楽しんでくれカンパイ!」
「「「カンパーイ!」」」」
と盛大に夜会は始まった。
ニック様はこそっと兄上の欠席理由だけど、公務がまだ終わんないってのが本当の理由みたいだよ?と教えてくれた。
お義父様夫妻が踊った後、私とニック様がダンスをすることとなった。他の高位貴族の方も一緒だけど。
「本当に今日のセアラは部屋に連れて行きたいなぁ」
「まぁ、後でという事にしませんか?マリーに悪いので、朝までとはいきませんけど。あ、そんな残念そうな顔しないで下さい」
気になって足を踏んでしまった。
「あ、ゴメンなさい!」
「足を踏むごとに延長1時間!」
何てことを!つい最近まで平民だったのに、そんな横暴を!
私は全力で足を踏まないようにダンスをした。周りからは優雅にダンスをしているように見えたらしい(お義母様談)。しかし、その実態は足を踏むか踏まないかの攻防を繰り広げる熱い戦い。非常に疲れた。
結局延長時間は3時間となった。元々マリーには「夜会の時には朝まで帰らない時もあるかもしれない」とは伝えてたけど。
「セアラのこのドレスがいけない。ドレスが「脱がして~」って言ってるもんな」
言ってません!
脱がされた。誰チョイスのドレスなの?ローラ?ずっと私を着飾りたいって言ってたもんね。ニック様の所有印に邪魔されて度々できなかったんだよね。
「延長時間がもうすぐ終わります。あと30秒」
「何⁉」
そこからのニック様の動きは速かった。騎士団で鍛えた賜物でしょうか?どうでもいいんですけど。そういえば、騎士団にマリーのパートナーはいたのかなぁ?
などと考えていたはずなのに、不覚。気絶をしたようです。ニック様、寝顔は可愛いんだけどなぁ。双子にソックリ。双子がニック様に似てるのか。
置き手紙を書いて、マリーの所へ急ごう。
「ごめんなさい。夜中子ども達のお世話を押し付けちゃったみたいで…」
「いいんですよ。ニクソン様もたまにはセアラさんを独占したいでしょうし。うふふっ」
「??」
「首筋に思いっきり所有印♡ 愛されてますねぇ」
見えないところに所有印っていうのをローラとしたんじゃないの?『つい』?
「子供達は大丈夫でしたか?」
「二人ともいい子にしてましたよ。両親の気持ちをわかってるみたいな?」
普段は全然わかってないけど?偶然か、マリーのお世話がいい感じだったんでしょ。
「リカちゃんとも仲良くしてますか?」
「ええ。私達親子は平民なのに、申し訳ないくらい仲良くしていただいてます」
「この王家は平民とか気にしないみたいよ。気にしてるのは国の貴族かな?」
「そうなんですか?」
「そうなんです」
まず、私が大歓迎される時点でおかしいのよ。
早くリカちゃんのお父さんを探してあげないとなあ。
幸い(?)リカちゃんはこの国には極稀な黒目の持ち主。マリーに似て茶髪だけど。
身体的特徴からリカちゃんのお父さんが割り出せそうだなぁ。できるだけ早く引き合わせたいし。初めて言葉を話すところとかも体験してほしいし。
この特徴をニック様に教えたらすぐにわかりそうな気がするんだけどなぁ。
「へぇ、初めまして。なかなかの美人じゃないか。うちのアレスとステラがお世話になっています」
うわっ、びっくりした。いきなり現れるんだもん。聞いてないし。
「この子がリカちゃんよ。可愛いでしょ?マリーに似て将来有望よ。絶対の美人よ!」
力説してしまう。黒目がなんか東洋の感じがして、エキゾチックな美人になると思うのよね。
「この子……黒目……。あの男か」
へっ?騎士団に黒目の男の方一人しかいないの?
しかもちょっと怒ってる?




