第16話 二人の初夜
「二人ともそろそろ抜けていいんだぞ?」
お義父様からそのように言われた。ニック様は本日より3日間の休暇らしい。
「では、お言葉に甘えて。セアラ、では行こうか?」
はぁ?赤面してたのになんか積極的なんですけど?擬態?そう思いながらも私はニック様について行った。
私の部屋は今までとは違って正式にニック様の伴侶となる人の部屋。二人の寝室への扉に鍵はかかっていない。
ローラを始め、侍女達が全力で朝から磨きをかけていましたが、その仕上げをした感じです。
「セアラ様、この夜着えを着てください」
はうっ……、スケスケだし、丈短っ。
「セイムス殿下よりのご成婚祝いとなっております」
お義兄様……。これはお義兄様の趣味ですか?着ますけどね。だって、ローラたちがすごい期待の眼差しで見てくるし。
私は意を決して二人の寝室への扉を開けた。
何?ベッドの上にバラの花びらで♡が描かれている……。私はどこにいたらいいの?そこらにつっ立ってればいいんだろうか?
当初はベッドに腰かけてようかなぁとか思ったけど、バラの花びらが……。
ガチャっ
ニック様の部屋の方の戸が開く音がした。うわー!心臓がドキドキ。待たされるのも微妙に緊張するわ。
「セアラ、待たせたか?というか、その格好は何だ?スケスケ……」
「セイムス殿下からのご成婚祝いだそうです。セイムス殿下のご趣味でしょうか?」
「兄上の趣味は知らんが、セアラは何故立ってるんだ?」
「えーっと、あれです」
私はベッドを指さした。
「あまりにキレイに出来ているので、ニック様にも見てもらいたくて。私がベッドに腰かけるだけで、♡が壊れてしまいそうで……」
「なるほどなぁ。もう見た。セアラも見た。♡はどうせぐちゃぐちゃになるんだ。もういいだろ?」
私はニック様にそのままベッドに連行されてしまいました。
「あの……ハジメテなので、優しくお願いします」
小声になってしまう。なんか怖いんだけど、信頼してるから大丈夫って頭がグルグル。精いっぱい!
「安心しろ。俺もハジメテだ」
え?王家の男子って実地の閨教育があると思っていた。
「実地はなぁ。俺は断った。確か兄上も断ったはずだぞ」
当然(?)3日間はベッドの住人となりました。自分は体力がある方だと思っていたのですが、騎士団長を務めている方は違うのでしょうか?
あと、騎士とか生死が身近にある方は精力が強いと聞いた事があります。それも相まってでしょうか?私は体力があると思っていたのに、自信喪失です。
騎士団で薬を作りながら、時間が空いている時に体力づくりしようかな?などとニック様に言ったところ「セアラに余計な筋肉がつくのは嫌だ」と言われました。
ニック様に言われると私も弱いですね。ニック様に嫌われたくないし……。
ニック様は教会での赤面は演技だったのか?ってくらい積極的でした。そして、セイムス殿下からのご成婚祝いの夜着は非常に脱がしやすかったという感想をいただきました。やっぱりセイムス殿下の趣味なんでしょうか?ロゼットお義姉様に聞いてみることにしましょう。
ニック様はこの3日間で御子でも作る気だったのでしょうか?
私は新婚生活をまだまだ満喫したいんですけどね。とも言っていられない年齢か、私もニック様も。
御子かぁ……。ニック様に似ていたらさぞかし可愛い御子だろうなぁ。
この3日間目覚めると隣にニック様がいらっしゃるのは安心感があってすごく良かったです。ふたりとも裸なんですけど。
いや、目が覚めると第何回戦かもうわかんないってのが始まり、抱き潰され、気絶し、また目が覚める→抱き潰される→気絶のループでした。はい。そんな中で目が覚めた時にニック様が笑顔で隣にいらっしゃるのは安心しました。あと、体温も感じられて良かったです。ニック様の寝顔も見ました。
こっそり、ニック様の頬に口づけ…と思ったら、直前に目覚められました。なんだか気配を感じるようです。そのまま寝ていてほしかった。
「なんだよ?セアラもまだほしいなら言ってくれればいいのに!」
と、逆に抱き潰される羽目になったのです。思ったことは‘人を呪わば穴二つ’。呪ってないんですけど、なんかそんな気分でした。
ニック様は草食男子に見せかけて、超肉食ですね~。




