第11話 ロゼット様に相談
「そんなわけで、セアラちゃんの事、しっかり頑張れよ~」
「お」
殿下二人に後押しされて俺は部屋に戻った。
総合すると…俺は見た目は男性として合格。性格は無自覚らしい。騎士団長として最善を尽くして行動してきたつもりだ。
久しぶり(朝食の時を除く)にニック様に会ったので、実家付近の常連さんに渡してほしい。と薬をいくつかお願いした。
こういうのって騎士様にお願いしていいものなのかはわからないけど、このお城で本当に頼れる方はニック様だけなのでニック様にお願いした。
ニック様なら、ニック様の部下に仕事として渡すこともできるだろうから。
流石に私は厚顔なのは自覚してるけど、でもでも、それでもこれを陛下や王妃、セイムス殿下、ロゼット様にお願いすることはできないっ!
は、アレ?仕事をお願いしたのに、ニック様は優しい微笑み。ぐはっ、眩しいっ。美丈夫の微笑みは目に厳しい!
「わかったよ。この薬を薬屋の常連さんに渡せばいいんだね?大切な常連さんだもんね。突然セアラがいなくなって、店が潰されて街の皆も不安だろうし。セアラが直接行ければいいんだけど、そんな許可は陛下から出てないだろう?俺が責任を持って常連さんに渡すし、街の皆の不安も取りのぞいてくるよ」
ニック様が行くつもりですか?正直羨ましい。フットワーク軽いし、いいなぁ。
「あ、今日は騎士団長が出かけるし、騎士団がお休みだから、セアラもお休みだよ。連絡が遅くなってごめんね」
うーん、一人でいても暇と言えば暇だし、ロゼット様のところに行こうかな?
「セアラちゃ~ん、いらっしゃ~い!」
歓迎のハグをされた。
「あー」
「あ、ジェイムス王子もご機嫌で何よりです」
「さっきまであんなにぐずってたのに…セアラちゃんの前ではカッコつけてるのかしら?」
男の子だなぁ?可愛い。
さきほどのニック様との出来事をお話した。
「あの、美丈夫の微笑みというのは私の心が汚いのでしょうか?目に毒ですね。なんだか非常にキラキラして、眩しいっと思いました。あ、ニック様に街の薬屋として調合した薬を常連客の方に届けて頂くという約束をしたんです。厚かましいですよね。本当は私が直接行ければいいんですけど、陛下からの許可は下りていませんし、ニック様にお願いしたんです。私の安否とかも街の皆にお知らせして安心してもらう予定です」
「すごいわねぇ、そんなに街の人から慕われてるなんて」
「あの街に薬屋はあの一件だけだったので……」
「セアラちゃん、可愛いし、小さい時から街のアイドル的な存在だったんじゃない?」
「恐れ入ります」
「貴族だったら大変だったでしょうね。もう、妬みとか嫉みのパレードよ」
「少しわかります。初等部まで貴族様と同じ学校に通っていたので。でも他人を貶めることばかりを考える貴族様達とは当然馬が合わなくて、中等部からは通わなかったんです。自宅で祖母に薬について教わる方がずーっと時間が有効だという理由で。あと、お金がもったいないし」
「そうよねー。他人を貶めてる暇があるなら算術の公式の一つも覚えなさいよ!って思うわよね?私も王太子殿下の婚約者候補って立場でいろいろイヤガラセとか立場目当てですり寄ってくる令嬢とか?相手にするのが面倒だったなぁ。そのころ、妃殿下教育受けてたけど、学校に通う時間よりも妃殿下教育の時間の方が有益だったなぁ。学校はただの人脈作りだから」
貴族、わからん。学校という名の社交場?卒業したら、爵位がものを言うから、高位貴族の友達が卒業したら全く連絡してくれないとか?そういうのヤダなぁ。友達ごっこ?
「え?ロゼット様、婚約者候補だったんですか?最初から婚約者だとばかり思っていました」
「私の実家、侯爵家でね。それも借金があったりするような貧乏侯爵家。もう一人は公爵令嬢だったんだけど。この令嬢がまた、性に奔放というか男遊びが激しくて……。それと、私とセイムス様は幼き頃から将来結婚しようって約束してたのよ~」
「つまり、セイムス殿下とロゼット様はラブラブで、もう一人の妃殿下候補は男遊びが激しい方だったということですね。…それは軍配はロゼット様ですよ~」
「ありがとう。それからは正式に王太子の婚約者として妃殿下教育を受けました。今だって王妃教育受けてるのよ?」
「勤勉ですね」
ロゼット様は扇で顔を半分隠しているけれど、赤面しているのがわかった。それは……。
「あー」
王子殿下が教えてくれました。




