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第1話 私は薬師

投稿が久しぶりです。迷走中。完結するまで頑張ります!

よろしくお願いします!

 私の家は代々薬屋をやってます。

 そのせいなのか、私は学園の初等部の時に『魔女』とか言われましたけど、それが何か?


 あ、私の名前はセアラ。自信を持って言えるわよ、平民よ。

 初等部の時に授業を受けるよりも私を貶めることに懸命になっている貴族の子息や令嬢に嫌気がさして、中等部からは退学しました。授業料がもったいないわ。自宅で祖母に薬の効能を教えてもらってる方がず――――――っと時間の有効利用よ。



 そんな薬屋に来るのは、「ちょっとした傷をつけちゃった」っていう平民がほとんどだったのに……。あの人が。

「ここの薬屋さんの薬は良く効くって聞いたんだけど?」

―――そんな噂はどこで流れたんだ?

 と言って、毎日のようにうちの薬屋に来るようになった。薬屋の常連て変じゃない?違法な薬でも売ってるんじゃないかって噂になりそうで怖いわ~。


 毎日来る人ですけど、容姿は素晴らしいデス。毎日眼福ではあるんですけど、毎日怪我でもしてるんですか?金髪碧眼で襟足の伸びた髪を一束まとめています。高身長で、ガタイもいいなぁ。平民じゃない?騎士様でしょうか?それなら毎日怪我をしててもおかしくありません。



 だというのに、ある日店の前を掃除していると馬車が止まり、その馬車から豪奢なドレスを纏った貴族令嬢と思しき方が現れたのです。

「ふーん、まあいいわ。あの人は貴女みたいな平民が視界に入る事がないような方なのよ。最近ここに通ってるみたいだけど、調子に乗るんじゃないわよ?」

 そう言って、貴族令嬢と思しき方は馬車で去っていきました。毎日来る人は騎士様どころか、すごく身分の高い人という事か?あと、調子に乗ってないし。

 

 正直な気持ちとしては『ハァ?』です。

 私だって好きであの人の視界に入ってるわけじゃないし、それをどうこう言われても…。



 それにしても…毎日のように怪我をしてるやんごとなき身分(私の中で決定)の人はなんで毎日のように怪我してるんだ?

 あれ、そういえば今日はご来店がないなぁ。……ま、いいや。他にも常連さんはいるし。


「セアラちゃん、なんか元気ないんじゃない?」

 腰痛持ちの爺さんに言われたくありません。

「そうですか?変わりないですよ、私は毎日元気いっぱいです!」

「……医者の不養生なんて言葉もあるんだから、セアラちゃんも気をつけておくれよ。セアラちゃんの薬屋が休みだったら儂の腰痛はどうなるんだー?」

 あなたの腰痛まで私は正直知りません。


 

翌日、眼福な身分の高いいつもの方が来店なさった。

「あのですね。あなたがここに通っているという事で、知らない貴族令嬢の方に「調子に乗るんじゃないわよ!」

とか言われました。それはそれとして、あなたはどこを怪我されているのですか?」

「ああ、私が怪我をしているわけじゃなくてだなぁ。ココに来ることもままならない部下が打撲・打ち身なんかをしていて……」

「それは一体??」

「私はウィナーズ王国騎士団長をしている、ニックというものだ。騎士団の鍛錬で生じた怪我を治すためには貴殿の薬が良く効くのだ」

 なんと、騎士団長と言えば平民の私でも知ってるわよ。確かこの国の第二王子が勤めてらっしゃるのよね。なるほど、あの令嬢が調子に乗るなという意味が分かった。調子に乗ってないんだけど。

「えーと、ニック様はニクソン王子でいらっしゃいますね?こんなところをうろついていていいものなのでしょうか?」

「こんなところとは、自分が働いている所なのに随分な言い分だな。そうだな、君の言う()()()()()()にいい薬屋があるというから訪ねたにすぎないことだ」

 まるで私がここで薬屋をしていたことがいけなかったことのようだ。私がもっといいところで薬屋をしていれば問題なかったと言いたげ…でもここは母様が残してくれた大事な薬屋だから。それに常連さんだっている。それも祖母の代からの。


「提案があるのだが、君、騎士団で薬師として働いてもらえないだろうか?」

「非常に有難い申し出です。でも…ここは大事な場所なんです。常連さんもいます。なにより、この場所は祖母の代から薬屋をしていた場所です。ここを離れて薬師をすることはできません」

 ニック殿下は凹んだ。と思ったら何か思いついたようだ。

「では、週に2日でも出張で騎士団で薬師を…」

「……まぁそれなら。そうすると益々前日の貴族令嬢のような方が増殖するでしょうね。最悪、店を潰す…物理的に」

「それは、そうならないように用心棒として騎士団から、数名ここに派遣しよう。もちろん貴族令嬢と繋がりのない人間。もし、店に何かがあったら、命を懸けるという念書を書かせてから、用心棒にあたらせる」

 用心深い…。確かに、つながりが無くても、お金が動けば繋がりを持ってしまう騎士もいらっしゃるかもしれない。でも、‘命を懸ける’と念書を書いたら、そりゃあ頑張るだろう。王子直々の命令だし。

「そこまでなさるなら、安心して騎士団で働くことができます。えーと、比較的お客様が少ないのは…火曜日と金曜日ですね。その曜日に騎士団の方へお邪魔します」

「では次の金曜日に迎えを寄越そう。騎士団への道の間に邪魔をする輩がいる可能性もあるからな。騎士団の方で用意しておいた方がいいものはあるか?」

 私は包帯を始めとして、各種薬草などを用意していただきたいとお願いした。


読了ありがとうございます‼

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― 新着の感想 ―
薬屋さんのお話しは、小説、漫画を含めて初めて読むかも。 学生時代に結構な嫌がらせを受けたって事は、かなり頭が良くて、貴族の平民のくせにっていう嫉妬が原因かな。そこで、即決で中退するところは、かなり聡明…
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