忘却
本編にはあまり関係しないです。
今年の投稿はもう無いと思う。
その瞳にまず映ったのは白い天井と壁。そして清潔感のある白いベッド。どうやら病院らしい。
最後に自分の身体を見た。
足が、無かった。
いや、無かったというのは少し間違いかもしれない。
多少は残っているからだ。だが、太股の下半分からは消えている。幸い、麻酔かなにかのおかげで痛みは感じないし、その断面は包帯などで包まれていて見えない。
どうしてこうなったんだろう、とおぼろげな記憶を辿ってみる。
たしか、学校の帰り道だったはずだ。
その日は妹の受験の合格祝いで家族が旅行へ行ってて、久しぶりに羽が伸ばせると急いで帰っていた。
俺が旅行についてったらギスギスした雰囲気になるからしょうがないな、と割り切り、普段あまり出来ていないゲームとかをしようと思った。
ぼんやりとしたまま歩いてそのまま交差点をわたろうとして……………
そっからの記憶が無い。交差点わたってたんだからトラックかなんかに轢かれでもしたんだろうな。
うわ、家族旅行中じゃん。災厄だ。また妹から死ねやら消えろやら言われる。
言われ慣れてるけど、昔あんなに……………あれ?
あんなに、どうしたんだっけ。思い出せない。
あれか、記憶喪失という奴かな。
まあ、ろくな記憶じゃないだろうな。
さて、足が無いから立てない。
車いすは少し遠いな。なんとか行けるか。
ゆっくりとベッドから滑り落ち、床をはうようにして車いすに近づく。
後もう少し、という所で声がかかる。
「あの、大丈夫ですか?」
顔を上げるとそこには俺が来ているのと同じ、白いものをまとっている女性がいた。おそらくは病人だろう。
さすがにきついから手伝ってもらうか。厚意を受け取ろう。
「車いすに乗りたいんですけど、少し遠くて。手伝ってもらえませんか?」
彼女は頷き、車いすを近づけた。
そのあと支えてもらいながらなんとか車いすに乗る事ができた。1人じゃ無理そうだったな。
「有り難うございました」
どういたしまして、と言い彼女は去っていった。今更ながら、ナースやらを呼んで手伝ってもらえば良かったと気付く。悪い事したかな。
乗ったは良いがどこへいこう。
窓から入る光は茜色、夕方だ。ちょうど良い、夕焼けでも見に屋上へ行こう。
車いすの病人への配慮か、階段ではなくスロープだったのでそのまま屋上へと向かう。
腕がきつくなってきた、と思ったらさっきも見た茜色が見えたので気力を振り絞って登りきる。
屋上には誰もいなかった。ただ、ドラマかなんかで見るような、白いシーツなどがまるで生きているみたいに風になびいていた。
柵へ近づき、街を一望する。
知っている、しかし見た事の無い景色が広がる。
とても、綺麗だ。
何か、もう満足しちゃったな。
正直これ以上家族に迷惑はかけたくないし、妹の高校はそれなりに金がいる。
俺のような金食い虫は退場するべきだ。
それに、家族の和を乱したくない。
柵に更に近づく。なんとか行けそうだ。
身を乗り出そうとして、聞き慣れた声が耳に入った。
しかし、その呼び方をされた記憶は無かった。
「お兄ちゃん!!」
消えた過去の記憶の中ではそう呼ばれていたのかな。
まあそんなことはいい。俺の顔なんて見たくもないだろうに、なんで来ているんだろう。
駆け寄って来る音が聞こえる。
「なに、しようとしてるの」
屋上で身を乗り出してなにをするかってなあ。そんなに多くないだろう。
まあ、ね。
「別に、何でもいいだろう」
「まさか、とびおりようとしてるの!?」
さすが我が優秀な妹だ。すぐに当てられてしまった。
「これ以上迷惑かけられないしな。お前も嬉しいだろ?いつも死ね死ね言ってたし」
黙る妹。図星かな。
日が沈んできた。沈み終わる前には逝こう。
「高校楽しめよ。青春してこい。じゃあな」
腕に力を入れ、柵を越え、その先の端まで行く。足が無くても大丈夫そうだ。
「待ってよ」
待たない。もう行く。
そして飛んだ。浮遊感を感じた後、大きな衝撃に襲われ、気を失った。
1人にしないで、と聞こえた気がした。
都合良く、消えてしまった記憶。
駄文で意味不明なのは仕様です。
とりあえず、英語がテストで70点以上とれました。
前が50点代だったので・・・・・
色々勉強法を教えてくれて有り難うございます。
ああ、でも偏差値を後5以上増やさなければ。
作者自身が飛び降りたいなあああああああ。