99 神の領域へ。そして
意識が浮上した時、漆黒の闇の中にいた。
二度目だ。
全てがある無の空間。
「神様〜?
私、生き切ったわ。出て来てよ。」
そう言ってみた。
すると、真っ白な空間に変わり、いつか私が想像した神が目の前に立っていた。
「久しいな。
今回は、清々しい顔をしておるな。
さて、我と話す前に、オマエを待ってる者がいる。分かっているな?」
そう問われ、頷いた。
神が消え、入れ替わる様にガロが姿を現す。
「後悔ないぞ〜って顔してるな。
目覚めてウィリアムが居なくてガッカリしてないか?」
久しぶりに会うと言うのに、挨拶も無しですかって思ったが、ガロらしいと言えばガロらしいのかもしれない。
「後悔してないわよ。
言ったじゃない、後悔しないわって。
それに、何となく違うかなぁ〜って思ってたからガッカリはしてないわよ。
ちょっと会えたら嬉しいなとは思うけどねっ。」
そう言うと、オマエも変わらねぇな。などと言いながら笑った。
「さっ、答えを聞こうか?
次は俺に預ける気があるか?」
急に真剣な顔で聞いてくる。
考えていた答えは決まってる。
「ガロ。私ね、また人間として生きたい。
確かに、人間ってしんどい。
前の私なら、もう人間辞めたいなんて言ってたわねきっと。
けど、ウィルと過ごした時間は時間の全てが尊かったわ。
楽しいばかりじゃなかったし、面倒な事も多かったけど、全ての選択が覚悟を持ったり真剣に考えたからこそ達成感もあったの。
前の人生は、だらだら流れに乗ってただけだったのにね。
変化が楽しいなんて感じた事なかった。
無難や平凡が一番の幸せなんて思ってた前世の私が霞んで見えた。
だから、ガロの次元とかには行かないし
永遠を生きるのは退屈だわ。」
そう言うと、ガロが笑い出す。
「やっぱり言うか。
マリー、オマエの魂は冒険好きだな。
俺も覚悟を決めてる。
今度はオマエと同じ人間の地に堕ちてやる。
俺が、追っかけ回すから、せいぜい逃げるんだな。
お互い記憶はねぇぞ。
けどな、俺の嗅覚舐めんなよ。」
ちょっと呆れた。
けど何故か笑えてきた。
馬鹿なの?なんて思いながら。
いつの間にか神が姿を現して
「随分と楽しそうだな」
そう言われて神に視線を移す。
「ねぇ、神様。私を嵌めたわね。
仕組んだでしょ?女神が言ってたわよ。
乙女ゲームを模したんじゃなく、乙女ゲームの方が模された物なんでしょ?
エリアーナの方が、ついでだったんでしょ?
なぜ言わなかったのよ。
騙されたわ〜。ガロだって騙されたんでしょう?」
そう言うと神が
「騙した訳じゃない。言わなかっただけだ。
全てを教えたら意味が無かろう?
どんな選択をするかは自由だしな。
我の想像以上な選択肢を積み重ねたな。
感心しておるよ。
それで、既にガロには頼まれていてな。
オマエの次の転生先にガロも堕ちる。
じゃがな、記憶は消すぞ。
オマエ達が交わるかはオマエ達次第じゃな。
それと…。
女神も話し終えたみたいじゃよ。」
そう言って微笑んだ。
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【ウィリアム視点】
意識が浮上し目をあけると、真っ白な空間に浮いていた。
ん?俺、死んだんだよな?
辺りを見渡すがローズは見当たらない。
やっぱり別だったかと落胆する。
すると、女神アルティアの声がする
「ウィリアム。私を想像して。」
その声の通りにアルティアを思い浮かべた。
すると、目の前に女神が立っていた。
「ウィリアム。随分と早く来てしまったわね。
サイラスが哀しんでたわ。また俺のせいか?なんて言ってたわね。
伝言があれば聞くわよ。
それと、ご褒美よね。
やり切ったのでしょう?あの国での未練は無いわよね?」
そう聞かれて、俺は答える。
「サイラスには、自分達の自己満足で死んだんだ。自惚れるなって言って下さい。
死ぬのが、ローズと一緒で嬉しかったし、あのタイミングを逃せば一緒には死ねないと思ったから。
ちょっと早かったと思いますが。
後悔も、未練もないですよ。」
そう言い切った。
すると女神がニコニコしながら聞いてくる。
「来世だけど、ローズマリーと同じ次元の世界に生まれたいわよね?
叶えられると言ったら嬉しいでしょ?」
女神に提案されなくても、お願いしたい案件だ。
願ったり叶ったりだ。
「可能なんですね?
例え、記憶がなくてもローズを見つけます。
ローズの近くに堕として下さい。
必ず巡り会うから。」
そう言う俺に女神は
「スゴい自信ね。例え近くにいても運命が重なるとは限らないわよ。
貴方達の、思い残しの縁は途切れた。
真っさらなのよ。それに精霊王も人に地に堕ちる覚悟をしたわよ。
聖霊を捨てて、人間として地上に堕ちるとね。
今の状態では、精霊王の優勢かしら?縁はまだ切れてないわよ。
精霊王の執着という因縁で繋がったまま。
どうする?ウィリアム。
負けちゃうかも。
記憶は残さない。
だから、魂に刻むチャンスを最後に上げるわ。
転生前に、会わせてあげる。
創造神の、粋な計らいよ。」
そう言って女神は微笑んだ。
すると、空間が動いた気がした。
体感がふわぁ〜と吸い寄せられる。
次の瞬間、真っ白な綺麗な顔で中性的な人?と
ローズと精霊王の姿が現れた。
ビックリだ。
会えると思ってなかったから嬉しかった。
「なんだ。オマエも、こっちに来れんのかよ。
まったく、邪魔な奴だ。」
精霊王の機嫌がすこぶる悪い。
「こっちこそ、居るとは思いませんでした。
俺はローズにだけ最後に会いたかったのに。」
そう言うと中性的な人が
「しばし、二人にしてやろう。」
そう言うと、女神も精霊王も伴って消えた。
「スゴいね。一瞬で切り替わるんだ。
あの人が、神?
本当に死んだの?って感じすらしちゃうね。
ローズは、どんな気分?」
そう問えば
「二度目だからね。こんなもんかな?みたいな。
最初の時はパニックよ。私、死んだわよね?って感じでね。
あの人は、神なんだけど、私が想像した神みたいな感じなのよね。
大いなる神は姿形がなくて、漆黒の闇そのものなのかな?良く分からないわ。
全てがあって無みたいな?
でも何故、ウィルに会わせてくれたのかしら?」
不思議そうに考えてるローズに
「女神のご褒美かな。
女神は、神の粋な計らいと言ってた。
君と俺の縁は、やり切った事で切れちゃったらしい。
それより、精霊王の縁は切れてないって言われて焦った。
アイツも地上に堕ちるんだってね。
また、君の取り合いなのか。
だから、転生前に刻みに来た。
俺を刻み込んで、記憶がなくても魂が求める様にする。
死ぬ前にした約束だ。
見えない首輪は、いつまでも外れない。
主を見つけるよ。
俺の、ただ一人の主なんだ君が。
君は、俺の首輪を付けてくれるかい?」
そう問うとローズは微笑んで
「もちろん。
私の主もウィルよ。
きっと、巡り会えるわ。
でも、ガロがね追いかけてくるって言うの。
せいぜい逃げろとか言うのよ。
馬鹿なのかしらね?」
追いかけてくるとか、マジでウザい奴だ。
ちょっとイラつきを覚える。
ローズを抱き締めて、最後の口付けを交わした。
俺を刻み込むように。
すると
「離れろ。離れろ。
オマエにはローズマリーだけしか許した覚えないんだよ。
次に会ったら、叩きのめすからな。」
精霊王に殺意さえ覚える。
たかが人間になったら負けねぇかんなと思ってしまった。
そして、俺たちは地上に堕ちる。
どこかの世界の、どこかの国へ…。
きっと、巡り会える。
きっと、探すよ。
君は、どんな姿をしてるかな?
楽しみだよ。
その後、3人は
同じ世界の同じ国に新たな生を宿した。
運命が重なり合う物語は、また別の物語だ。
ローズマリーの物語は幕を閉じる。
ー完ー
とりあえず完結です。
番外編ifストーリーも宜しくお願いします。




