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90 夫婦喧嘩は犬も食わない


時は流れ、多少は闇に紛れる事もあったが表向き平和な日々が多く続いていた。


私達とは違い、ジェード以外の息子達は社交の場にも積極的に参加し、貴族の様に振る舞い人脈を増やしていた。


二人の中では、今後の事もあるが貴族の把握も兼ねている様だ。



ウィルは、息子達に甘えてる気がある。

ハンデルンはリアムに任せっきり、学校の方の事は、ジェードやエルバードに任せる事が多くなっていた。


ジェードが一番、働いてる気がする。

影に回ったり表に出たり…。


40歳になって、息子達が立派になりつつある中で昔の義父の気持ちが分かると言い出していた。


そんなウィルに私は


「ねぇ〜。ウィル。

ちょっと、息子達に甘え過ぎてない?

まだ、義御父様みたいに隠居すんのは早いからね。

サイラスは、頑張ってるわよ。


息子達も、可哀想だわ。

負担が多過ぎると思うんだけど。

もう少しは、仕事したら?」


と、言った言葉がウィルの怒りに触れた様だ。


「ローズ。

俺より、息子達を心配するんだね。

昔は、俺を一番に考えてくれたのに。

俺には、ローズしか無いって言ったよね?

俺を二の次にしちゃう子供は要らないって言ったよね?


俺、めちゃくちゃガキみたいな事、言ってると思うけど本心だから。」


その言い方にカチンときてしまった私は大人気なく


「どっちが上とか下とかしゃないじゃない!

別に二の次にしてる訳じゃないし。

家族の心配は普通でしょ?

何で、怒ってんのよっ!」


逆ギレしてしまう。


「君だって怒ってるじゃないか。

ローズが先に、俺をイラつかせた癖に何で怒られなきゃいけない訳?」


はいっ、お互いが良い歳してガキの様になってます。

けど、なんか納得いかずにムカついて転移でハンデルンに消えてやった。


リアムの所に来たのだ。


いきなり現れてプンスカ怒ってる私に


「母さん?

何かあったの?そんなに怒って。珍しいね。

とりあえず、お茶でも飲んで落ち着いて。」


そう言ってメイドに、お茶の準備をさせるリアム。


促されて、ソファーに座る


「ウィルと喧嘩したのっ。

大人気ないとは思ったけど、なんかムカついたから。」


そう言うとリアムが驚いて


「嘘でしょ?喧嘩?

で、出て来ちゃったの?

父さんと母さんが、そんな喧嘩するの?

いつも、何だかんだ話し合って、その場で解決してるのに?驚きだよ。」


本当に驚いた顔で私を見るリアム。


「確かに、勢いで出て来ちゃうのは初めてね。

いつもなら、その場で解決する様な内容なのよ実際。

だけど、なんか癪だったのよ。

私が、許すと思ってる節があるから。

自分でも自覚あるのよ。ウィルを甘やかして来た自覚が。


私もそうだけど、ウィルも良い歳してガキなの。

お互い、甘やかし合ってるから。


それに、貴方達と違って私達は問題児なの。

社交も一切しない。

益々、やりたい放題なのよ。


本当、貴方達に親と呼ばれる資格ないわ〜。


で、ちょっと貸別荘空いてるかしら?

ウィルが来る前に雲隠れするわ。

私が来たのは内緒よ。


ちょっと意地悪してやるんだから。」


そう言ってニッコリすると、苦笑いのリアムが空いてる貸別荘の管理人に連絡を入れてくれた。


場所を確認して礼を言うと転移した。


そして、管理人兼使用人に

水着と着替え買って来てと頼み別荘で、ゆっくり時間を過ごしたのである。



∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞


【ウィリアム視点】


いつもなら、僕のガキみたいな我儘も受け入れて話し合いで解決しようとするし、僕が言って欲しい言葉をくれるのに今日のローズは、それをしなかった。


本気で呆れたんだ。僕に…。


やってしまったなと思った。

出て行っちゃうなんて初めてだ。

めちゃくちゃ動揺した。


ローズに甘え過ぎてた自分を自分で怒りたい。


追っかけたいけど、何処に行ったのか?

エルバードとジェードの所?

それともリアム?

実家という可能性もあるけど…。

リュカとかサイラスの所かな?


選択肢が、いっぱいだ。

片っ端から行って、いちいち説明するのも嫌だし困った。


リュカの所に、まず行くか〜。

ローズの行動パターンが分かるかも?


こんなの初めてで、こんな時のローズの行動パターンが読めない。


とりあえず、リュカの所へ学校に向かう。

仕事中のリュカは、面倒そうな顔で


「来てないし。何で出てく様な喧嘩になったんだよ?珍しいない。

ウィル、マリーを泣かせるなって言ったよな。

殺すぞ、とも言った気がするが。


マリーの行き先ね〜?アイツさ、楽しんでるかもよ?勘だけど。

もう、とっくに許してるけどウィルを虐めたいじゃないの?

隠れんぼだな、きっと。探してみろみたいな。

マリーらしいと思わないか?

アイツ幼い頃から、しょぼくれると姿を消してたな。

あの頃は、精霊王が居たから探さなかったけどさ。

前世の記憶があると言って考え方は大人な癖して行動はガキだったよ。

思い出して笑えてくるよ。母上に怒られたら魔王だとか言って家出してやるが口癖だった。」



そう言うリュカが笑ってる。

確かに、そうなのかもしれない。

ローズは、何でも楽しむもんな。


だとしたら、誰かの所ではない…。

少し思考を巡らせる。


ふと、ハンデルンかも?と思った。


「リュカ。ありがとう。

隠れてるなら探さなきゃな。」


そう言ってリアムの所に飛んだ。


「リアム、悪いな。

ローズが来たろ?隠してもダメだからな。」


急に来て、半分脅しのように言う僕に


「父さん。

圧が凄いな…。後で母さんに怒られる方がマシだね。

来てるよ。別荘にいるよ。

父さんが、許してくれるだろうと思って言ってるのが癪だって言ってたよ。

母さんも甘やかしたのは自分だけどとか言ってたし。


母さんが、私達は問題児でガキだからとも言ってた。

別荘に隠れるのを楽しんでるみたいだった。


昔から二人は、ほんと楽しそうだったよね。

何でも、楽しんじゃえみたいな感じで。

だから、ガキの頃は俺達も毎日が楽しかったよ。

学校の寮に入って、二人と離れた時は寂しくなっちゃうくらいにね。


世話の焼ける両親だ。」


そう言ってリアムは笑いながら別荘の場所を教えてくれる。


ほんと、俺たちは息子よりガキだ。


別荘へ急ぐ。

すると、ローズは水着姿で露天風呂に入って酒を飲んでいた。


呑気なものだ。


「ローズ。

俺が悪かった。ごめんなさい。

調子に乗った。

意地悪は辞めて欲しいよ。

君と離れるのはヤダ。」


そう言うと、酔ってるみたいなローズはヘラヘラ笑いながら


「おっ、ウィルくん。

見つけるの早かったわね。

リアムがチクッたのかしら?

もう少し、時間が掛かるかと思ってたのに。

なかなか見つからな〜いって焦ればいいと思ってたのにな〜。

早過ぎて残念だわ。

お仕置きにもならない。


思いっきり、無駄遣いしてやってるわよ。

新しい水着に服、食材費にお酒も、い〜ぱいっ。

これでもかってくらい。


請求は、勿論の事ウィルくんにですからね。

頑張って働いて下さいっ。


ヒクッ。」


完全に酔っ払いだ。

楽しんでるのだろう。

本当に面白い奴だ。初めての家出でも、僕の反応で楽しむとはね。


「ローズ。お風呂で酒は酔いが回るの早いよ。

いい加減にしないと悪酔いだ。


出なさい。いくらでも飲んでいいけど部屋に行こう。


いくらでも、俺への文句を聞くから。

ほらっ。」


服のまま、風呂に浸かるローズを抱き抱えた。

酔ってるからか抵抗もせずにニコニコしてる。

可愛い奴だ。


「ローズ。機嫌良さそうだけど、もう怒ってないの?酔って喧嘩の事も忘れた?

困るな〜、そうやって甘やかすから俺は、またやるんだよ。

君を試すような事をね。


風邪引くから着替えよ。ちゃんと立てる?

食事用意させて食べられる?

本当に困ったガキですね。俺もだけど。」


そう言う僕にローズは


「困ったちゃんはウィルくんですけどね。

今度も、どう反応するかとか楽しんでるのはウィルくんでしょっ。


だから、こっちも困ったちゃんになるのよ。

分かった?ガキで問題児は、お互い様ですからね。


きっと死ぬまで、やってやるわ。

わたくしを、舐めないで下さる?」


めちゃくちゃだ。

でも、面白い。

かなり酔ってると思ったけど、そうでもないらしい。


「え〜?

舐めたいけど物理的に。

酔ったフリは辞めてね。歩けるよね?


もぉ〜、今日はこのまま、ここに泊まろ。

問題児のガキは、いきなり屋敷から消えて何の連絡も入れずに屋敷を一晩空けましょうか?


明日は、皆んなに二人で怒られようね。」


そう言うとローズは怒りだす。


「ちょっと、謝るのはウィルだけでしょ?

俺が悪かったって言ったわよね?

自覚あるのよね?

何で、私まで悪いみたいになってんのよ〜。

ずるいわ〜。ひど〜い。さいてぇ〜。


一緒に謝って欲しいなら、今日はウィルが私を甘やかすんだからねっ!」


そうやって、僕らは互いを甘やかす。

拗ねて言い合うのも文句を言うのも怒るのも

全て、何処かで楽しんでる。



翌日、リアムに事情を聞いていたベルナルドに

散々、嫌味を言われた。

そしてエルバードとジェードにも呆れられて二人でシュンとするのだった。












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