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久しぶりだ。この丘に来るのは。


ベンチに腰掛け、夜空を見上げる。

綺麗な夜空だった。


今日は満月だ。

星々が輝き、ウィルの瞳と重ねてしまう。



そして、息を吐き出し

心に意識を集中してガロを呼ぶ。



静かに現れたガロは私を見てから

黙って私の横に腰掛けた。



「ねぇ〜ガロ。

私が言わなくても、お見通しでしょ?」


そう言葉にしたら


「そうだな…。



悔しいけど、俺が離れてアイツと居るようになったオマエの輝きは増したよな。


さっきした事も、後悔も無いんだな。


アイツの為なら、後悔もなくやれるんだな。


ローズマリーは、ウィリアムを選ぶか。

俺との繋がりよりな。


上から見てたよ。

いつか、言うと分かってた。


望み通り解除してやる。


オマエの命の灯火が消えた時

オマエの始まりの次元で神と一緒に会おう。


その時に答えを聞くのは変わらない。

なんて言うか分かってるけど


俺は聞くよ。答えをオマエから。


ローズマリー。

ウィリアムと幸せにな。



立て。」



そう言って立ち上がるガロ。


私も立ち上がる。


私と向き合うように目の前まで移動したガロに

抱き締められる。



「ローズマリー。

今世での、俺への最後の言葉は?」


そう問いかけられた。


私は一言だけ


「ありがとう」


そう告げると


眩い光と共に魔法陣が現れ


「後悔なく生きろ」


ガロが呟くと同時に

目も開けてられない位の光に包まれ

やがて、ガロの温もりが消えた。



辺りは、静寂に包まれた。


呆気なく終わった。


あまり、言葉は必要ない気がした。



私は、夜空を見上げて

「後悔なんてしないわ」

と囁いた。



帰ろう。ウィルの元へ。



屋敷に転移した。

魔法の使い過ぎでフラフラだった。


寝室のソファーでワインを飲んでるウィルがいた。


フラフラと近寄り、ウィルに抱き付く。


「ただいま」


ウィルは、私を抱き寄せながら言う


「おかえり」



唇を重ねた。

何度も何度も何度も…。


ワインの味が口の中に広がる。

疲れているせいか酔いそうだ。


唇を離して、ウィルが言葉を紡ぐ。


「ローズ。

早かったね。


もっと、待たされると思ってた。

明日は、オフにしよう。

ずっと、側に居たい。


ずっと君を抱いていたい。

こんなにも君を求めてる。


言葉に出来ないほど

愛しくて、幸せで胸がいっぱいで


苦しいんだ。


嬉しくて幸せでも胸が苦しくなるんだね。

初めて知ったよ。


愛してる。

そんな言葉じゃ現せくらいに。」



優しくて刹那そうな微笑み

初めての感覚に戸惑いを覚えながらも

幸せそうな顔。


とても綺麗で、ずっと眺めていたくなる。


「とても、綺麗な顔。

ウィルの瞳も、とても綺麗。


私だけの、ウィル。

夜空に光る星を見れば貴方が浮かぶの。


貴方は漆黒の闇の中でも輝くの。


私の魂を縛るものはなくなった。


貴方の愛を刻んでね。何度でも。

私が迷子にならないように。」



私も、そう言葉を紡ぐと


キスの嵐が降ってきた。


そのまま、ウィルに全てを預ける。

身体に力が入らなくて

甘美で蕩ける様な快楽に支配されていく。


そして、いつの間にか意識を手放した。



意識が浮上して、目を覚ますと

ウィルに抱き締められながらベットにいた。


私に、しがみ付く様にウィルも寝ていて

とても綺麗な寝顔を見ながら髪を撫でた。


外は明るくなっていて、太陽の位置的にお昼寝くらいなのかな?と言う感じだった。


身体が、少し気怠い。

少し身を捩ると、ウィルが目を覚ました。


「おはよう」


そう言うと


「おはよう。夢じゃなかった。

よね?」


と、ウィルが言うから笑ってしまう。


「寝ぼけてるの?」


ケラケラ笑いながら言う私に


「笑い過ぎっ。

もう、お昼くらいかな?

お腹は空いてる?」


お腹は空いては居なかった。


「喉が渇いたわ。

お腹は空いてはいないかな?」


そう言うと、ウィルが起き上がり

シャツを羽織ると、私室の方へ向かう。


水とカットフルーツの盛り合わせを持って戻ってきた。


なんでウィルの部屋にあったの?と疑問に思ってしまう。



「やっぱり、ウチの家族は優秀だよね。

テーブルに置いてあったよ。


僕の事を、ちゃんと理解してくれてるね。

今日は、誰も邪魔しに来ないと思うよ。


多分、ベルナルドの配慮だろうけど。

ムカつくくらい、出来る男だね。」


やっぱりベルナルドなのね。

凄いわ。


ウィルから渡された水を飲み干してから



「ベルナルドに、たまには無理矢理にでも

休日、とって貰わなきゃね。


ねぇ、そう言えば

エリとは、どうなってると思う?

この前、エリを呼びに部屋まで行った時ね

ベットの上に大きなクマのぬいぐるみがあったのよ。

しかも、茶色のクマで瞳が緑なの。


いつ買ったの?って聞いたらね。

エリったら顔を赤くしながら、ベルナルドさんに買ってもらったって。


頑張ってるご褒美らしいけど。


ベルナルドって、他の家族にも買ったりするの?


どう思う?」


そう聞くと


「いや、聞いた事ないけどな?

プレゼントなんてしないんじゃないか?


子供達にさえ、僕たちから買ってもらえとか言ってるよ。


怪しいね。

仕掛けてみる?」



楽しそうに聞いてくる。


「仕掛けるって?どうする気?」


作戦会議の様だ。


「そうだなぁ。

無理矢理、休暇を取らせよう。

ハンデルンの別荘を借りる。


ベルナルドには、1日ゆっくり露天風呂にでも入って休日を楽しめって僕が別荘に連れてく。


ローズはエリアーナに、頑張ってるご褒美だと

別荘に連れて行ってね。


別々にね。


最初にローズがエリアーナを連れてく。

さっさと、一人で露天風呂に入らせて


ローズは、帰ってきちゃって。


そしたら、今度は僕がベルナルドを別荘に連れてくんだ。


貸切だから、ゆっくりしろって置いてくる。


貸別荘の使用人たちには事前に

食事とか酒を用意したら、あとは二人きりにさせろって言えばいい。


さぁ?どうなるでしょう?」


本当に楽しそうだ。

私も楽しくなる。


「なるほどね。

じゃ〜、前もって言っちゃダメなやつね。


急に今から行くわよ。が良いわけだ。


直ぐに帰ってくるか

一晩過ごして帰ってくるか…。


や〜、楽しみね。

いつにする?」



それから、フルーツを食べながら

二人でノリノリに計画をした。



そして、一日中

ずっとベットの上で過ごした。


生まれたままの姿で、何度も体を重ね。

お腹空いてきたと思えば、ウィルの部屋に食事が置いてあったり


至れり尽くせりだ。


楽しい悪戯を考えたり

愛を囁いたり


子供のように戻って無邪気になる時間と大人の妖艶な時間とを繰り返す。



あっという間で、

快楽の欲望を堪能した1日だった。


それでも、足りなかったくらいで


私たちの愛の欲望は尽きる事が無い。


お互いが、お互いを求め合い。

枯れる事がないように。



この瞬間

この瞬間を


悔いが残らぬように。























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