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7 助っ人って精霊王かよっ


中に入ると直ぐに目を惹くのは

広々とした空間。

真正面のステンドグラスで描かれた神。


私の会った神とは似ても似つかない

けれど、とても美しい女神だった。


その前に、台座に浮いてる丸い水晶。

サッカーボール位の大きさの水晶玉だ。




「お嬢ちゃん。こちらへ。」


神官長が、手を差し伸べてくるので

その手を取って水晶の前まで歩み寄る。


「この水晶玉に両手の掌で触れてくれるかな?」


そう神官長に促され

掌を水晶玉に押し当ててみる。


すると眩い光が水晶から放たれ

眩しさで瞼を閉じた。


すると急に誰かに持ち上げられ

お姫様抱っこされたのである。


恐る恐る、目を開け見上げると

そこには、人型なのだけど人間ではない?

狼の耳の様なものが頭に付いた

美形の男が、私の顔を覗き込んでいた。


『お前は、今日から死ぬまで俺の弟子だ。

俺の事は、師匠と呼べ。』


すごい、ぶっきらぼうに言葉を投げてきたが

誰だよっ!とツッこみたくなる。



驚愕の表情で、こちらを見ていた

神官長とお父様が、我に返り


「貴方様は精霊王でしょうか?」


と神官長が尋ねた。


『まぁーそうだな。

精霊王なんて呼ばれてるらしい。

人間は大層な名前を付けたがる。

ガロで良い。あまり畏るな!

煩わしい。』


と、顰めた顔だ。


「改めまして、ガロ様。

私は、この神殿で神官長をしている者で

ファエルと申します。

ガロ様は、この娘の召喚精霊と受け取って宜しいですか?」


畏るなと言われたのに、畏まった挨拶と質問をするあたり

この精霊王って只者ではないのか?


『まっ、そんな所だ。

神に頼まれてな。コイツの師匠になる。

悪いが、コイツは神の気まぐれで

この地に降りた魂だ。


この水晶玉で計測不能だ。

魔力量は相当高い、それに神の加護付きだ。

この結果は、国王とその側近。

あとは、ここに居る者たち。

まぁ、コイツの家族には言っても良いだろ。

神官長だっけ、神殿内と教会関係者なんかに漏らすなよ。

お前だけの胸にしまっとけ、時が来るまで

黙ってろ。いいな。』


脅しとも取れる物言いで、喋り終えた精霊王は

顔をガン見してる私に向かって


『おいっ。ちんちくりん。

俺の顔に何かついてるか?』


と、言いながら

私の顔を覗き込んでくる。


俺様系イケメンって感じだけど

人間じゃないのよねぇ〜と苦笑いを浮かべると


チッっと舌打ちしやがった。


仲良くやれんのかしら?と不安になる。



「ガロ様。私はローズマリーの父で

この国の筆頭宮廷魔導師をしております。

国王への報告等は私からしますので

まず、我が家へ帰りましょうか。」


父が、帰宅を促すも


『さっさと退散したいのは山々だが

ちと、この国の守護神の女神に頼まれててな。

神殿の敷地内にある女神の泉の浄化と

ちょっとした結界をパパっとやりたいのだ。


あっそうそう。

このチビの神の加護は女神の加護じゃなく

創造神の加護だから宜しくね。

神官長。女神の泉に案内しろ。』


まったく、口が悪い精霊王だ。



慌てた、神官長が

「こちらです」なんて言いながら

小走りに歩き始めた。


ご老体なんだから

ゆっくりでいいよ〜と

哀れに思いながら

私は精霊王に、お姫様抱っこされたまま

泉へと移動するのだった。






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